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発展途上国は幸せか?

インドは人口13億人もいて

一口にインド人と言っても、色んな民族がいて話す言葉もそれぞれ

細かく分けると800言語もあるらしい

州が違うだけで、インド人同士でも言葉が通じないし

州によっては、隣の州と紛争を起こしているようなところもある

日本人の考える、「一つの国」というのとはちょっと概念が違う気がする

そんなインドは、未だに発展途上国

発展途上国と言っても馬鹿にするなかれ

インド工科大学出身者は新卒給料が1000万円を越すのもザラで、アメリカのIT企業では引っ張りだこ

こうしたトップレベルの争いで行くと、もう日本は負けているんじゃないかと思えるが

やはり大多数は貧困層で

地方なんかに行くと、日本人が想像する通りの風景が広がる

ブルーシートでテントを張って暮らしてるのが当たり前で

ゴミの散乱具合は酷いものだ

私は仕事柄、インドでも地方の、見渡す限り畑のような所に、車で2時間弱かけて行ったり来たりしているので

嫌でもそういう風景を目にする

そんな酷い環境で、泥とゴミに塗れて暮らしている彼ら

当然不幸なのか?


見ていて全くそんな気配はない

子供たちは笑顔に溢れているし


大人だって、なんだかんだ楽しそうに、薄汚れた食器でチャイを楽しんでいる


そんな話を同僚のインド人、ポッターさんに話した


ポッター「そうなんよ。この人らは今の生活に満足してる。実は先日、日本のメーカーの駐在員も言うててん。『工場のワーカーとして、しっかり働かせたいねんけど、厳しく言うと簡単に辞めてしまう。なぜなら彼らは今の人生に満足してるから。これが厄介やわ』て」

私「なるほど」

ポッター「実はインドの中でもこの州の人は、事業主根性が強いねん」

私「どういうこと?」

ポッター「彼らは企業勤めするくらいなら、貧しくても小さなチャイ屋を自分でやる方が価値があると思ってる。その証拠にインドの大手財閥や、有名人はこの州の出身者が多い」

私「へー」



と言いつつ、州人口6000万人おって、そのうち何人が成功してんねん?と心の中でツッコんだのは内緒です(笑)

ポッター「日本で田舎の人口が減って、農家のなり手が少なくなって危機とか言うてるやん?」


ポッターは8年ほど九州で暮らしていたので、日本の事情に詳しい


ポッター「あれは、日本企業の終身雇用、年功序列が原因やと思うねん」

私「どういうこと?」

ポッター「誰でも企業入ったら、能力なくても、仕事しなくても終身雇用してもらえるし、給料上がるやろ?そりゃみんな都会に出て働くわな。これが実力社会になって、簡単に首切られるようになるとするやん?そしたら、サラリーマン向いてない人間はさっさと辞めるか首切られて、田舎に戻るわな。それか自分の向いてる仕事に就くやろ。そしたら、自然と適材適所になって社会もうまく回るよ。サラリーマンとしてはあかんくても、農家としたら優秀かもしれんしな。アメリカなんてそうやん。別に無理してみんながみんな都会に出て、サラリーマンしてへんやろ?」

私「なるほど。」

まぁ、アメリカ事情に詳しくないから、それがホンマかは知らんけど、なんとなく説得力あるがな。


確かに彼の指摘はかなり鋭いかもしれん


収入も違うし、生活のリズムも全く違うやろけど、各々が自分にあった生活で幸せに暮らしている


「現状のあり方は違っても、人権という意味では対等」という福澤諭吉先生の言葉が思い出されました。


いや、別に自著の「学問しぃや」の宣伝に無理やり繋げたいわけじゃないですよ(笑)


真剣な話、幸せとは何だろうか?足るを知るとはこのことなんかなぁと思った出来事でした。

インドに出張しても、仕事よりこんなことばっかり考えてるダメ商社マンがこちらになります(笑)

サポートいただいたお金は、こんな僕を育ててくれた母ちゃんに還元したいと思います。