福澤諭吉×TK工房 仮想対談⑤

■新しい時代の義務

 王政復古・明治維新以来、この日本の政治のスタイルは大きく改まった。国際法をもって外国に交わり、国内では人々に自由独立ていう方針をしめした。具体的には平民に苗字を持つことを許して、馬に乗ることを許したのは日本始まって以来のすばらしいことや。士農工商の位を同じにする基礎がここでできたんや。
 これからは日本中、誰も生まれつきの身分なんかない。ただその人の才能や人間性や社会的役割によって、その位というものが決まるんや。たとえば、政府の官僚を尊敬するのは当然やけど、それはその人の身分が偉いからちゃうねん。その人がその才能や人間性でその役割をつとめて、国民のために尊い国の法律を扱っているからこそ、みんな尊敬するんや。個人が尊いんじゃなくて、国の法律が尊いねん。
 旧幕府の時代には、東海道に御茶壺が通るときには、みんなその前に土下座したんや。将軍の鷹は人よりも大事に扱われた。幕府が使う馬には往来の人も道をゆずった。全て御用という二字をつければ石でも瓦でも恐ろしく尊いものに見えてしまってたんや。
 世の中ではずっと昔から、こんな馬鹿げたことを嫌ってはいたんやけどな、自然にそのしきたりに慣れてもうてたんや。上は威張って、下は卑屈になるていう見苦しい社会的な空気をつくってた。これらの慣習自体が尊かったんじゃなくて、茶壺みたいな品物が尊かったわけでもなくて、単に政府の威光で人を脅して、人々の自由を妨げようとする卑怯なやり方やねん。内容のないただの空威張りやったんや。


TK「これは今、形を変えて民間の大企業で、また同じことが起こってます。」

先生「どういうこと?」


TK「今、大企業の取締役とか、役員・部長ていうだけで、みんなヘこへこして、ご機嫌伺うんですわ。
完全に役職至上主義みたいになって、○○さんが来るからちゃんとせなあかん!事務所を片付けろ!資料をちゃんと作れ!とか言うてます。」

先生「なんじゃそら。ほな、その人がおらん時はテキトーにしててもええんかいな」

TK「ほんまそれですよね。ほんでまた、そのエライさんとやらも自分がエラなったと勘違いして、肩で風切って歩いてますけど、ひとたび左遷なんかされようもんなら、手のひら返したように、見向きもされなくなる。ほんまに見ててうんざりしますよ。」

先生「おいおい、その人がそれまでにやった功績とかがあるやろ。そういうのも、なかったことになるんかいな?」

TK「まぁ、なかったことになるというか、そもそも何もしてないケースが多いので、当然っちゃ当然ですかね 笑」

先生「なんじゃそれ(笑) にわかには信じがたい話やな。君の私見も多分に入ってそうやし。そもそも政府ならわかるけど、民間企業でそんなに権威的になれるとは思えん」

TK「う~ん、僕の私見が入ってるというのは否めないっすね(笑)ただ、現代社会では先生が想像できないほどに、民間企業は巨大になり、世界に影響力をもってます。三井・三菱・住友て言うたら、それこそ世界中でその名を轟かせてますからね。」

先生「お~!ほんまかいな!あの財閥はそこまでデカくなっとんやな~!すごいやんか。それ聞いて単純に嬉しいけどな。私は。」

次回に続く
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