パワハラとは何か
大学アメフト同期の結婚式が先日あった
30も半ばに差し掛かり、もう同期で独身者はほとんど残っていないので
そろそろ友人として呼ばれる結婚式も残り僅かだなぁ、なんて感じながら友人の晴れ姿を見ていた。
ちなみに私の所属していたアメフト部は国立大学で一部リーグに所属してしていたということもあり、同期の新卒での就職先は
伊藤忠、住友商事、丸紅、三井住友銀行、野村証券、日本生命、新日鉄、ホンダ、etc..
と、いかにもという大手有名企業ばかりだ
なのでこういった機会で集まる事があると、色々な話が聞けるのも一つの楽しみである
今回もお互いの近況報告をしている中で
ビール会社に就職した友人が話しかけてきた
友人「俺さー、会社辞めてん」
私「え?そうなん?どこ行くん?」
友人「いや、無職」
私「え!?何で!?どういうことよ?」
友人「いやー、色々あってね。実はこの前、フェイスブックでさー、俺のことタグ付けて投稿してくれてたやん?あれ、スルーしてもうてゴメンな」
私「え?、、、ああ、あったなそんなこと」
このフェイスブックでの投稿とは
以前、ガイアの夜明けで、飲み会説教の場が放映され、大いに炎上したビール会社のあの事件について
関連記事を引用する形で「これは実態を中の人に聞いてみようw」と彼をタグ付けて、私が投稿した時の事を指している
軽い気持ちで投稿したものの、彼からはスルーされ
私自身もすっかり忘れていた案件である
彼「実はあの時、俺もエゲツないパワハラにあってる真っ最中でさ。辞めるかどうか真剣に悩んでた時やったから、タイムリー過ぎてコメント出来ひんかってん、、、」
私「マ、マジか、、、逆にそんな事とはつゆ知らず、こちらこそ誠に申し訳ない、、、」
彼「あの会社が全部あんなんというわけではないやろけど、俺は運がなかったわ。まぁ、俺だけじゃなく、俺が辞める直近に先輩も二人辞めてるんやけど」
私「ヤベーな。さすが体育会採用を推進してる会社はパワハラ天国やな」
彼「とりあえず、今は公認会計士の勉強してる」
経営学部出身の真面目な彼なら、すぐに問題なく取れるだろう。次のステージでの活躍を祈る
パワハラに関して、色んな業界での問題が取り上げられている昨今
これらは氷山の一角に過ぎない
このビール会社に関わらず、歴史ある企業であれば、どこのどんな企業でもこの問題は抱えている
それはあの日、集った他の有名企業に勤める友人も同意するところだ
「パワハラをする奴は人としてクズ」
というのが普通の感覚だろうが、体育会を経験した私としては、「加害者本人達はむしろ"相手の事を思ってやっている"ことに問題がある」ということを改めてお伝えしたい
彼等はむしろ人として責任感のある行動だとすら思っている
どういう事なのか説明すると
まず、パワハラ指導が行き着く結果としては
①成果を出す
②潰れて辞める、もしくは自殺、過労死に至る
という2択しかない
加害者本人は、実は①を経験した人間がほとんどなのだ
彼等は、「自分も散々辛い目にあったが、我慢して耐えた結果、自分は成果を出す事が出来た。指導してくれた先輩・上司は自分のためを思ってやってくれていたんだ」という思考にいたる
「それが証拠にダメな奴はみんな成果を出せずに辞めていった。残って成果を出せた自分が正解なんだと。だから、後輩や部下の事を思えば厳しく指導してやるべきで、それで辞めるような奴は初めから素質がないから、辞めても仕方がないんだ」と
これがパワハラの構造である
そんな思考回路を持つ人達、特に体育会出身の人達、ましてや指導者というポジションにいる人達に是非伝えたいのは
指導とは、「言説を持って相手を説き、相手の学びたいという気持ちを最大限に引き出すことを始めとして、その方法を自ら体現し、正しい方向に正しい努力をさせ、結果を出させること」だということです。
決して、「言葉で伝える脳みそがないゆえに、暴力と威圧に頼り、恐怖で持って相手の行動をコントロールする」ということではないんですよ。
また、林修先生の要素を加えるとすると、「正しい場所で」というのも重要で、時に相手の向き不向きを分析して、正しい場所で戦うように進めるのも指導の中の重要な要素です。
これには自分の専門とする分野以外の知識も求められ、かなり高度な技術が必要となりますので、指導者こそ常に学び続ける必要があると言えます。
つまり指導者とは、「厳しく指導すること」と、「威圧的に相手をコントロールすること」を履き違えるようなバカが担えるものではないのです。
今一度、自分が正しいと信じ込んでいるやり方を見直して頂きたい。
少しでも社会からパワハラがなくなることを願います。
TK工房からは以上です。
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