第35話本部長の意向

「福徳さん、ちょっとお時間よろしいでしょうか?」

「いいよ。どうしたの?」

「部内報についてご相談させてください」

昼一番に本部長の福徳に相談を持ちかけた。

午前中に陽川からボロクソに言われ、廃刊を勧められてしまった部内報

TK工房にとって、初担当の仕事

そしてやる気があっただけに、何とか良いものに生まれ変わらせたいという想いが強かった

TK工房「部内報を続けるかどうかも含めて、そもそもの意義や福徳さんの思いを教えて頂けませんか?」

福徳「ん?続けるかどうかて、どういうこと?」

TK工房「実は今、部内報について、もう誰も見てないんじゃないかという話が出てまして、まだ4〜5人にしか聞いてないですけど、全員同じ意見だったので、これはこれで別途、部全体にアンケートしようと思ってます。一方で、もし本当に読んでいる人が少ないとなれば、廃刊にするという選択肢があるのかということを伺いたかったものです。もともと部内報を出しているのは、うちの部だけで、歴史も浅いと伺いました。」

福徳「なるほど。そういうことか。まず、結論から言うと廃刊にすることはないです。聞いてるかどうかわからないけど、うちの部は他の部と違って、色んな商材を扱っている特殊な部やし、全国に展開している販売子会社も2つ持っている。圧倒的に関わってる人間も多いし、組織も多い。こうなると、大元の方針や、同じ部なのに他の課が何をやっているかわからないという状態になる。シナジーも生まれにくいし、同じようなことにそれぞれの課がお金をかけて取り組むなんて無駄も出てくる。それが強い組織と言えると思いますか?」

TK工房「なるほど。。思わないです。」

福徳「この部内報はそういった部分を補完するための位置付けで私は考えています。でも、あなたが言うように、もし誰も見ていないというようなことがあれば、見てもらえるようにはせなあかんわな。そういう意味で変えてくれるのは大いに結構だけど、廃刊にするという意図はないです。」

TK工房「承知しました。私も廃刊にしたくはないんです。でも、正直今の部内報には全然興味がそそられない。何とかみんなが楽しみに読めるものに変えたいと思ってますので、引き続きご相談させてください」

福徳「了解です。私が席にいる時はいつでも声かけてください」

廃刊という選択肢がなくなり、ホッとしたと同時にまたやる気が湧いてきた

(絶対オモロイのに変えたる)

続く

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