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ガストバーナー危険浪漫譚 / 2023.09.03 セックスマシーン!!結成25周年ツアー「人類ゲストボーカル化計画」(岡山CRAZYMAMA 2nd ROOM)

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 名古屋岐阜組と大阪の僕という物理的に距離が離れているのに、ツアーが始まってからというもの毎週当たり前のようにメンバーと会っている。毎週会っているのは当たり前のことではない。ZOOZだってそう。僕達はライブだったりスタジオだったり、なにかと口実を作っては毎回会って、有限な人生の時間を共有している。来世でメンバーと会えるか分からないので、今世のくだらないことで大笑いできるのはとてもロマンチックだなと思う。
 岡山行きの車内で、毎週の遠征で疲れ始めていたのか「メンバーで誰が一番長生きするか」という話になった。もう死ぬ死ぬと言っているはるきちさんは長生きし、りっちゃんもなんだかんだ長生きし、加納さんは真っ当に生涯を終えるとして、僕だけ「突然死にそう」という結論に至った。
 「確かに」と思ってしまった。なんか突然死にそう。でも多分、メンバーの中では一番生に執着していると思う。だからこそ、執着しているほど早く死ぬんだろうなとも思う。余計に今過ごしている日々や、車内のくだらない話がかけがえのないものなんだなと感じた。一人噛み締めている内に岡山に着いた。

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 セックスマシーン!!のツアー初日。しかもトップという、彼ら25周年の門出を祝うにはとても重要な位置を任されていると思っていた。でも僕達は気負いすぎない自信があった。長生きしないのならもうめちゃくちゃ楽しんでやろう!と思ってライブをした。
 「ファンはバンドの鏡」という言葉がある。バンドの気質とよく似た人たちが共鳴して集まって、最高の空間になるんだなと感じることは多々あれど、「セクマシのファンって最高だな!!そりゃセクマシ最高だもんな!!!!」と肌や脳で感じる瞬間が幾つもある日だった。かっこいいということは、嘘がないということだと思う。
 森田さんが「俺は人類最初の死なない人間になる」と言っていた。森田さん、本当に死ななそうだもんな。かんぴょうみたいに細くなってもパワフルに生きてそう。僕も「突然死なない」ように生きよう。

セクマシのライブを見た余韻で踊り場ではしゃぐリズム隊(の後ろのユアサデータが気になる写真)

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 帰りは「各々の生きる道」の話をしている内に大阪に着いてしまった。いつもと逆で、僕だけがいち早く帰路に着いてしまった。名古屋へ向かう残りのメンバーの車が見えなくなるまで見送った。毎週会っているのに寂しいものは寂しい。けれど部屋に入ると疲れが勝って、あっという間に眠りに落ちてしまった。
 朝、起きて疲れが取れていない体でニュースを見ていると、高速道路での事故のニュースが飛び込んできた。「メンバーだったらどうしよう」と頭をよぎった。「突然死にそう」な僕以外が突然死んだら立ち直れないと思う。事故を起こしたのはメンバーではなく、しばらくするとSNSでメンバーのエクストリームな呟きが散見された。生きてた。
 死なないでいつまでも楽しく生きたい。それを願うのは少し贅沢なのかもしれないけれど、願わないと叶わないはずなので、強く願いながら、またライブを重ねていこうと思う。

セックスマシーン!!、かずき山盛りのみなさま、ライブハウス、お客様、皆々様ありがとうございました!また生きて会いましょう!

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