素敵な「はたらきたくない」大人

[1]はたらきたくない
 大学生の頃は自分なりに沢山本を読んで、興味惹かれて歴史学もつま先だけ突っ込んだりして、頭でっかちに世界やその切り取り方を理解しようとしたり、少し分かった気になって得意げになったりしていたけれど、「働きたくない」という夢が破れて社会に自分を放ってみると、想像以上に人間は丸出しの欲望にジャケット一枚だけ羽織って常識人面しているだけだということが分かってきた。
 社会の仕組みも法律も、ただただ人間の無際限な欲望をコントロールするための交通整理やルール決めをしているだけで、それだけ強い力を持って欲望というものを制御しないと、人間はひたすら欲深さに溺れてしまうということが、働けば働くほど分かってきた。
 働けば働くほど人間の嫌な部分を見て、「働きたくない」と思うのだった。「働きたくない」というのは、楽をしたいわけじゃない。他人の欲望に巻き込まれて自分が疲弊したくないという気持ちから発生するポジティブな感情だった。

[2]首を突っ込む季節
 悔しいけれど、しいたけ占いにはっとさせられることがある。たまたま自分の現状を表す言葉と出会うと「すごい!当たった!」と感じるけれど、ある種そういう言葉の出会いを大事にして、糧にして楽しく生きることができるなら心が健康だと思う。
 どうやら、僕は現在色々首を突っ込んでみるタームらしい。色々と首を突っ込んでみて「やっぱり最高だなこの人!」と「この人のこの考え方やせせこましい心や人を不安にさせる物言いは嫌だな」と感じる自分を、幾らか俯瞰して見ているところがある。
 俯瞰しながら、最高の自分を探している気がする。そこに社会の仕組みや法律もなく、他人の欲望のしがらみもなく、ただただ最高の他人の姿を通じて、最高な自分を探しているだけである。
 今のところ最高ランキング1位は母親。最近実家に行くことが増え、話す機会も増えたが、本当に無茶苦茶ワイルドで毎度おみそれしましたという気持ちになる。しいたけ占い的には、来年上半期の僕は「素敵なクソガキから、素敵な大人へ」変貌していくらしい。
 その言葉を幾らか糧にして「素敵な「はたらきたくない」大人」になれたらいいなとは思う。

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