ポカン氏の監視つづける雪の檻

きょうも雪越後屋カラー塗りつぶし

メビウスの首環外され酒を買う

脳ひとつカラマーゾフの芋焼いて

焼鳥を讃える街に愛焼ける

キンドルの花子がずっと死んで居る

ゴモラ市に丹下健三うずくまる

ミサイルを撃たれたきょうのゴミ屋敷

乱数をつくらなかった巨泉たち

諸世紀を埋めるヤンマートラクター

蹄鉄のプロレタリアのギャグ漫画

男根と想像上のひじき買う

精神を編年体に壊しつつ

噺家のいかりのあまり津市を塗る

神鯨に東ベルリン含まれて

形而上イヴ・モンタンに味噌を塗る

長城が月からみえて心病む

イタリアの戦艦に紀友則図

個々人の反則をするロビンソン

やきうどんフリーメイソン復会し

てにをはにニューヨーカーの首を折る

春の雪地球平面説を説く

小宇宙じぶんのうどん抱きしめて

暁の寺からカレー屋のカレー

黒犬と銀河戦争おぼえ合う

密林にダヤンの狩った手長猿

ラコステとラコステが逢う芝不器男

猿人にすいとん箱を奪われて

俗謡に火の粉のなかのチョチョシビリ

ふたり鷹人造言語もってして

ペーターの花瓶を超える日航機

灰になる姫君たちの単騎待ち

寺に行く田代まさしの尺骨で

神田川からかけ離れ超陛下

またも雪ウノを改造する夜に

午前午後マーチを唄う雪のなか

沈む街ひとのセックス笑わずに

フィヨルドを撮りつづけたる盆廻し

仲人の言語に対し地上の絵

最小の砂時計から割るリンチ

裸にて砂肝を摂る午前午後

レッカー車止まり地球は午後の星

せみくじらいかなるとんち輝けど

噴火中優等生がフォーク撫で

早春の季語のあふれるギャートルズ

雪つづくグイン・サーガの未完とや

すばらしいお家騒動展開図

すごい雪消炎剤を持ちかえる

住友の住のどこかに在る麩菓子

姉妹都市鉄道模型焼き残し

野球帽みなもと太郎宙に浮く

鹿沼市を表現中の緑魔子

清浄の地をくりかえすえかきうた

落下傘部隊あつまるカルトＱ

船長のイナバウアーの記憶書く

雪のなかはっきり灯る蟹倶楽部

虚配して炭屋が炭になってゆく

へら鹿のところで止まるパノラマ視

鉄郎のかたちで梨が落ちてくる

差別語の森蘭丸の蘭焼ける

条約に無かった筈のほくろの図

マラカスがまた分身に持ち去られ

誤字からの宇宙戦争ふりかえり

イグアナの孤島に還る派遣軍

出囃子の楽譜みせられ百回忌

二丁目の弥勒戦争はじまりぬ

老人と海の噺が響く部屋

ゴジラ来て帰る小説内の磁気

豚まんに換わるあらゆる言語の素

亀を持つひとが細胞壁を持つ

#川柳 #詩歌 #文芸 #エンターテインメント #イグアナ #雪の日