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NOTEデビューしたわよ。

どうも、京大を休学し、今年の一月からあらえびす山形本部に滞在しているタオ院盛羅です。出身はインドだということが、ここに来てからわかりました。見えちゃうん
です、ぼく。


個性豊かな、スタッフの方々と、毎日を楽しく過ごしているのですが、なんと、今日はいままでの自分をやめることにしました。


いままでは、あらえびすコミュニティのFBに文章を投稿していたのですが、今日からはnoteに投稿することになりました。


いまから、弔い合戦をします。いままでの、投稿を全て、弔っていくので、長文になります。しっかりとお気をつけください。


まずは、初日。いいねがつきました。りょーさんから、長いと言われました。改行した方がいいかもねー、とみーさんから言われました。↓いまから、思えば、幼いですね。胎児以前です。


こんにちは。京大生のあらえびすスタッフ森下太雄(モリシタタオ)です。昨日は
しれっと投稿してしまいましたが、CEOの助言で、よりコミュニティメンバーの皆さまに寄り添った投稿をしたいと思うようになりました。突然の、意味不明の投稿失礼いたしました。昨日の投稿は個人的な趣味でなく、あらえびすの活動なのですが、説明が不足していました。
改めて説明いたします。自分にできる限り、分かりやすく。長くなりますがご勘弁を。
【自己紹介】
名前 モリシタタオ(漆黒の翼チャオラ)/歳 21光/誕生日 今のところ7月7日/京大文学部哲学基礎文化学系専攻/2017年10月より休学、あらえびす大学へ2019年1月に留学/足のサイズ 現在28km/好きな食べ物 豆と発酵食品と、自分がおいしいと思えるもの、あとふわふわして甘いもの/好きな言葉 アンパンマンは君さ /あだ名 ボルメテウス・ホワイトドラゴン/将来の夢 毎日変わります。/今日やりたいこと 川の音を聞きながらぼーっとしている、牛乳に食パンをひたす/なやみ 妄想が現実化してないこと、すること・トイレの便座を下げるのを忘れてしまうこと・性に対してまだまだ開放的でないこと・人のはなしを聞けないこと・よく食べること・手が痛いこと・自分のことをあまりに過大評価すること、また過小評価すること、などなど/得意なこと 家庭教師になりきること・その人の個性を、たとえばなしで表現すること・山を見ること・たそがれること・夜更かし・カラオケ・アンパンチ・お公家さまのように食べること・話題を雑にふること・その人の個性を物語にすること
経歴 群馬→宮崎→鹿児島→和歌山→宮崎と、美味しいお水を求める父母について日本各地を転々とする。父は竜神マニアで、学生運動で過酷で純粋な戦いを生きた祖父とわたしをよく比べる。生まれたころは全身アトピーだったが、海水浴と玄米食で完治。アトピーは、母がハンバーガーを食べ過ぎたからだと、父は言っている。風邪を引いたら寝て直すという家で、わたしは反政府思想・反社会思想・芸術至高主義を叩き込まれる。あと、きれいな川や海や山でいっぱい遊ばせてもらう。小さい頃風を引く度に本当に恐ろしい音楽を夢の中で聞いた@鹿児島。また、中学生の頃、永遠に自分は自分から逃げられないという感情を経験し、月を見ながら泣きながら歩く@宮崎。また、高校生の頃、ベッドで寝てたら風が吹き付けてきて明らかに俺、いま空飛んでるやろという経験をする。父は、江戸っ子の絵描きで、今は世を忍ぶ仮の姿でタクシー運転手、母は岩手県育ちの小説家で、わたしの携帯料金を払ってくれている。現在二人は別居中。弟が三人いる。高校生と中学生と小学生でみんなぼくに似て素直。
わたしと次男が京都の学校に受かったので、次男三男の反対を押しきり一家で宮崎から京都へ引っ越し。父母は転職。長男モリシタタオは父母の思想を引き継ぎ、京都にて様々に活動。反原発デモに参加したり、道行く人に声かけて人間関係を広げたり、あちこち食べ歩きしたり。新聞配達など、バイトは7つ体験。とにかく興味のあることはなんでもやった。
京大のありかたに疑問を感じ、京大という環境を変えるため休学。いままで、義務教育に反発を感じながら、大胆な行動に踏み切れない自分に気付く。休学のすすめ、という本をかけるくらい色んな体験をする。たとえば、天理教の友人と知り合い、わざわざ梅田まで出かけて世直しの作戦会議を何度も練る。ふとしたきっかけで自尊心を傷つけられてから、会わなくなる。たとえば、自分の世界を実現させたく、2017年より京大吉田寮に入寮。夜のクラブパーティ・げてもの食い・荒れ果てた生活空間・アウトサイダーな同世代たち・宿泊客との交流・毎週水曜日の無料食堂・多すぎて長すぎる会議など、吉田寮の文化を全身に浴びる。汚い吉田寮を変えたく、吉田寮お掃除部隊を立ち上げるが人が集まらずTwitterでの宣伝もいまいち。今から思うとかなりストレスを抱えていた。自分の詩と、写真家さんの作品をコラボして、吉田寮食堂で上映するなんてこともやた。また、友人関係も一気に広がり、一緒に広島に行ったりする。性的な世界も広がり、友人とちせわな話をする機会も増えた。ただ犬儒派のように、公開オナニーをするまでには至らない。京大前の古本屋で、店主と酒盛りしたり、ギターを習ったり先生に怒鳴られてからギターやめたり。当時の口癖は人と話すのが好きなんです。
吉田寮に飽きてくる。そこで、あらえびす代表東出融さんに頼み込み、お力添えあって、あらえびすとのご縁を頂く。2019年1月8日からあらえびすで暮らし始める。お金は要らず、毎日自分にできること、したいことをさせてもらえるここは、最高のセーフティネットだと思う。わたしと同じような体験をするに、お金を払う時代が来ると日々思いを強くしている。あらえびすの活動は、水が中心だと思っていたが、世界で最先端のコミュニティを作ることにあると知ったときから、毎日がわくわくo(^o^)oの連続。京都時代が五百万年前と思われるくらい、自分が変わる。
無意識ではきっとこの地の水に惹かれて来たんだろう。

【あらえびすコミュニティでわたしが担当する仕事】
あらえびすでの日々の体験を最先端に面白い物語にして、みなさんに伝えることです。
具体的にはこれから毎日、あらえびすコミュニティのFACEBOOKグループに昨日の出来事を物語調にして投稿します。自分が、超人的な能力を持つようになるという前提で
物語を作っているので、ぜひその能力や、あらえびすでの実際の日々を想像しながら
お読みくださいね。ぜひぜひ、なんでもいいのでコメントもください。投稿には、あらえびす山形本部や、その近辺の写真が添付されています。あらえびすにいってみたいな、と思えるような写真を多数掲載する予定です。

それでは、天下の京大文学部のたぐいまれなる、最高の、世界的な、普遍的な面白そうな文章をご覧あれ!

火を見ていた。
動かせるようになった体で。
薪ストーブの前に座っていた。荒れた手をさすりながら。
思い出していた、数万年間の眠りを。

朝から酒を飲めるなんていいご身分だねと言われた。
いや、ずっと飲んでたんだよ。

今日夜空に見えた星のどれか、いや全部が故郷だ。
一睡もせず旅を続けていた気がする。
首のほくろがやけにかゆく、朝から気が散って仕方がない。
緑に染まり始めた山を微笑みながら見ていた。...当時天の川をぐるぐると流れていたわたしは、一週間にわたる断食の結果(MEGUちゃんがぼくに聞いた何日断食したこと
ある?僕は一日、MEGUちゃんは一週間!だと言う)、この日のぼくに、この緑の
パレットを届けることを許された。いかにその時せつなかった
であろう、まるで絵本に出てくるような山だ。

携帯を修理してもらいに、KEIちゃん、TORUさんとドコモへ行くときも
ほくろが気になっていた。猫を撫でるときのように優しくタッチして
あげてたら、こんなことにはなってなかったのだと決めつけた。店員さんに相談しても、ロック画面が開けない。結局初期化することに。撮った写真は、書いたメモはぜんぶ広大な電子空間の中に消えた。なにかの拍子でふと
思い出してくれるやろ。あ、思い出してた一つまるごとAI化していた星で、引きこもりになっていたんだほまく。お父さんとお母さんはぼくが着るアーマースーツ作り
に忙しかった。ばあちゃんは、毎日いれずみをほってくれてたっけ。


車の中でずっと話していた。
セーフティネットをつくりたい。そこから、企業家も生まれる。
ただのセーフティネットは貧乏臭い。国は税金でクラウドファンディングやっ
てる。うちらはうちらのクラウドファンディングやればいい。どっちにお金を
払いたいかってことさ。
ある意味きみはそろを実験しに来ている、と。
なるほど、前いた吉田寮には月2500円で暮らせるセーフティネットがあったが、
それでは全然もの足りなかったから、あらえびすさんに来たということだな。
初期の水汲みは本当に大変だったらしい。水源にたどり着くまで何度も雪をならす、
一日に一往復しかできない、帰ってきた時は足がたたなくて玄関から、這って風呂場まで。
ほくろはもう痒くないりらだが痛い。あ、思い出した、泣きながらいれずみほられてた。
たいようくんと外に出ているとき、側溝の水は浅いけどはまって死んでしまう子どもいるからね、とTORUさんに教えられた。
なむさん。

ぼくがはまって、流されたら、流されながら思い出し続けるだろうな。
で、どっかの山の麓にたどり着く、しまわれていたへその緒が口から伸びてきて、根とからまり、同一化する。桜の下には死体が埋まっていると知ったのは坂口安吾の本だった。

近くの蕎麦屋でみんなと肉そばを食べる。

ワンちゃんのはなを散歩させる。道端の雑草をよく食べるのでわたしも真似をして食べる。

さて、二日目です。とーさんから、既読されていると誉められ、舞い上がっていた状態です。やっと胎児になりました。コミュニティは、彼の面倒を見てくれます。最終で、いいんですか、が入っているのは、前日カラオケで、よーさんが歌ってた、RADWIMPSの歌がステキだったから。


あらえびすコミュニティでわたしが担当する仕事】
あらえびすでの日々の体験を最先端に面白い物語にして、みなさんに伝えることです。
具体的にはこれから毎日、あらえびすコミュニティのFACEBOOKグループに昨日の出来事を物語調にして投稿します。自分が、超人的な能力を持つようになるという前提で
物語を作っているので、ぜひその能力や、あらえびすでの実際の日々を想像しながら
お読みくださいね。ぜひぜひ、なんでもいいのでコメントもください。投稿には、あらえびす山形本部や、その近辺の写真が添付されています。あらえびすにいってみたいな、と思えるような写真を多数掲載する予定です。

↓やじるし

こんにちはの人もこんばんはの人も、もちろんおはようございますの人も、せかいじゅうにいるみんなー、
オハヨー( ≧∀≦)ノ
今日も、千と千尋に出てくる半紙の人型お化けより薄っぺらい京大生のお話が始まるよー
せかいじゅうのみんなー、用意はいいかーい
オッケー(*´∀`)
つまらなさそうにしてるそこのキミ( ゚―゚)も、用意はいいかーい
オッケー(*´∀`)
じゃはじめよう、始めちゃうよー、したがってはじめちゃうよー
タオのあらえびす滞在日記、ウーンマンボーっ
その名も
「時間は恋をする」
カーっっっ、おいしい名前だわこれ、みんなコメント欄へのラブコール待ってるよー
今日は第三話いっちゃおうねー、いやそっちのいっちゃうじゃないからね

イェーイ

ラブコールイェーイ

はじまりはじまり~【第三話 イチゴオーレを探し求めて】

朝、焼却炉の前で暖をとっていると、よりくんがやってきた。いつも通りの、
決意を秘めたまなざしで僕を見つめ、今日は一日山にこもります、と。どうやら、
除雪機で道をならしに行ってくれるらしい。いってらっしゃい頑張りやさんのよりくん。その時ぼくは、なにがなんでも、今日はよりくんが大好きなイチゴオーレを買わねばなるまいと思った。しかもサプライズ感を出すためにこっそり渡そうと。この前は、よったコンビニになかったばかりに、イチゴスムージーで代替したところ、今は飲む気分じゃないです、とよりくんに言われてしまったのだから。どのタイミングで渡してもよりくんが笑顔になれるような飲み物を選ぶべきだと学んだのだから。とここで、最近の水汲み事情について説明しておこう。なぜよりくんは一日かけて除雪をせねばならないのか。ー山はあらえびすから車で半時間ほど離れている。駐車地から水源地までの道のりはATVで片道20分ほど。春になると、道に降り積もった雪が溶けてくる。ぜんぶが一様に溶けるならいいが、実際は場所場所で積雪の高低差がある。したがって、地肌が見えているところが、まばらにあることになる。これは困る。なぜかというと水汲みはATVにつけたソリに、一往復分の水約400Lを積み込むのだが、雪のない場所では、そりが摩擦を起こして傷ついてしまうのだ。雪の無いところに雪を与え、雪の多すぎるところから雪を奪いに、よりくんは行ったのだ。

山へと発つよりくんから、アメ(*1)とユキ(*2)を下の家(*3)に移してくれと依頼されたの
でまず考えた、どうやって下の家に連れていこう。車で運ぶとしたら、二匹は力が強いから
積み込むのが大変、この炎天下の中歩くというのも疲れるし面倒くさい。結局、一匹ずつ散歩がてら連れていくことにした。二往復することにした。始めのああでもないこおでもないの悩みと、実際の行動との間にどのような思考回路が働いていたのか、今となっては全くわからない。
なんと、面倒くさい道をあえてとったことで運命が変わった。どういうことなのか。
なんと、散歩の道中地元のおじちゃんが声をかけてくれたのだ!しかも一往復目の行きと帰りの二回!一往復目の行きでは、缶コーヒーまで頂いた。嬉しすぎて、飲み終わった缶を胸ポッケに突っ込んで勲章にした。けれどしかも、一往復目の帰りにお前それ飲み終わったんだろと、じいちゃんが缶コーヒーを捨ててくれた。缶が胸ポッケから出される感触に、わたしは初対面だが初対面でないようなじいちゃんとの繋がりを感じた。ほんとうに小一時間ほど話をした。というか、聞いた。とおるさんが、里山のじいちゃんはヒーローだと、まさしくその通りだと思う。豊かな経験をされていらっしゃる。道に落としてしまったあめ玉はつばで土をとってから食べたという(いま、じゃなんでおとしたんだ、という突っ込みが浮かんで来たが胸にしまっておく、そんなに大きくない胸に)、冷蔵庫もTVもなかった、バナナなんて病気の時しか食べられなかった、仕事は親切に教えてもらえるなんてことはないから、見よう見まねで覚えた。京都にいる頃も、このての話はさんざん聞いた、自分を否定するために聞いていたようなものだった。今はわくわくして聞けるようになった分成長できたと思う。これは、一往復目の行きで聞いた話だが、一往復目の帰りに聞いた話がまたやばかった(幼い頃、ヤバイって言う言葉はネガティブなイメージがあるから言わない方がいいと父に諭されたなあ)、昔はいまのように脇を固めていなかったから川が氾濫することがしょっちゅうそれが当たり前だった、水かさが増すと大きな石が流れて来てぶつかりあって雷のような音を出した、橋がなかったから川を渡りたい時は浅くなり踏み石が現れるのを待った、というか踏み石の配置と場所を覚えていた。おそらくわたしが、勉強になります、もっと聞かせてちょ、みたいな顔をしていたからだろう、「メモなんて意味ないよ、自分で経験して自然に覚えるんだよ」と言われる。畑仕事をしながら話して下さっていて、その日は雲もなく直射日光がきつかったので、「手伝いましょうか」というと、「いや、動かしながらでも話せるからいいよ」と言われる。そのあとだったのだ、胸から缶コーヒーをはずしてもらったのが。楽しく話した、だが二往復目もいかなきゃいけないのに、どう話を切り上げたらいいのかわからない。聞いてるだけで飽きてきた。察してか察せずか、じいちゃんが畑の奥に向かったので、ついて行きかけたが(そのそぶりを気づかれないよう気をつけた)
引き返し、「また」と手をふった。「おお」とワンテンポ置いてじいちゃんが返し、あんまり
後味がよくない別れになった。だが、ものは考え様だ、うまい具合に話を切り上げ後味のよい別れを達成した時の喜びは、この後味がよくないという経験を通過したあとにある。少し大げさに行えば、縄文時代石で直接口を叩いて歯を抜いて成人式をしたような、通過儀礼ということだ。ぼくらの生活は通過儀礼にあふれている。まるで、雨が降った後に石が流れて来て同時に初めての恋をした少年のように、自分を押さえきれず、あふれだす、じいちゃんが話してくれたあの川、のように、あふれている。今日のご縁をありがとな、じいちゃん、
「あんたが微笑んでいたから俺ら(*4)も話しかけたのよ、無表情で見つめられても、お互い固まったまんまだよ、な。今日あんたと会ったのもさだめなのよ(じいちゃんの会話は東京弁に直してあるが、このときは間違いなく、さだめ、と言った) 」目立たない哲学者がごろごろしている、恐ろしい土地だ、山形は。

ものが無い時代の話は楽しそうでわくわくする。ものがなくて楽しめるなら、ものがあったらもっと楽しめると思う。あんたらがこれからの日本背負っていくんだから頼むよーと言うじいちゃんに、できることからやりますと返した@一往復目の行き。ワンちゃんにお菓子までくれたじいちゃん、ぼけてられねえから毎日忙しいのよと言うじいちゃん、なんてパワフルでカインドフルなんだ。

家に帰った後、めぐちゃんが撮った写真で盛り上がる。四足歩行する巨大ガエル、変わり果てた顔の加工セルフポートレイト。ぶくぶく泡を吹き出すほたてー昨日の夜はほたてパーティーだった。新しい携帯で、とても綺麗な写真が撮れる、ハイクオリテーだ。動画を撮るのも意外と楽しいな。りょうちゃんが、コロコロとコーヒー豆を焙煎していた。やりたい、と言って教えてもらった。一はぜとにはぜがあること、三日ほど置いてから挽くのがいいんだよ、俺もどこまで行っても終わらないんだけど日々最高の味を目指しているのよ、とりょうちゃん。コーヒーの世界は奥が深い。おしりにどれほど長いものを突っ込めるのか、を
いままでの自分が知らなかったようなもの。腸をよけて入っていけるなんて、びっくりだよみのりくん。

ひとしきり盛り上がったあと、サポーターさんのおかわり手伝ったり、ワンちゃんにえさあげたり。

とかく決断に時間がかかるわれわれは、夕食はどこで食べるのかについて延々と議論した。温泉に向かう車中でも、温泉から出たあとの車中でも。夜は魚民というチェーン店で食べる。よりくんこれどう?と、イチゴミルクを指差すと、いやこれイチゴオーレじゃないっすよ、タオさん。どうやら、温泉でのぼせすぎて判断力を喪失したようだ。単品でとるか、宴会コースをとるかをしばらく議論し、色んなアルコールを体験できる宴会コースがいいというわたしの案が採用された。枝豆、ピザ、せんべい、鰹のたたき、が一度に出てくるお店だった。あと、ハイボールですと言って生を出す店員さんがいた。
「青汁はおかわり無料」をメニューに発見してから、みのりくんはすごいペースで青汁を飲み始めた。わたしには水っぽくてとても飲めたものじゃなかったのだが。
よりくん、みのりくんは日本酒をたのみまくっていた印象だった。二人ともアルコール摂取のペースが異常に早く、「たおさんまだおかわりしてないんですか、6杯くらい飲まないと元取れませんよ」、とよりくんに言われ、自分は頭がおかしいのだろうかと思った。
わたしは角ハイボール、国士無双、フランジア、レゲエパンチ、きたのほまれ、
みのりくんは、 黙雷 大神 知多 生かたビール トマトジュース  青、汁ハイ
あまり重要なことは話さなかった。
全体として、あしたのおてまならはきっと臭くなるだろうなと思わざるを得ない品々だった。

いいんですか、こんなに豊かな経験して。いいんですよ、いいんですよ、もっと経験してください。

イチゴオーレどうしようかな。

(完)


3日目

長い文章を克服するために。あらすじを書くということを覚え始めた時期ですね。やっと出かかって、頭がほんのり見えています。でも、卵焼きでたとえるなら、まだ卵すら見つけられていない状況です。


【あらえびすコミュニティでわたしが担当する仕事】
あらえびすでの日々の体験を最先端に面白い物語にして、みなさんに伝えることです。
具体的にはこれから毎日、あらえびすコミュニティのFACEBOOKグループに昨日の出来事を物語調にして投稿します。あらえびすでの実際の日々を想像しながら
具体的にはこれから毎日、あらえびすコミュニティのFACEBOOKグループに昨日の出来事を物語調にして投稿します。自分が、超人的な能力を持つようになるという前提であらえびすでの実際の日々を想像しながら
お読みくださいね。ぜひぜひ、なんでもいいのでコメントもください。投稿には、あらえびす山形本部や、その近辺の写真が添付されています。あらえびすにいってみたいな、と思えるような写真を多数掲載する予定です。写真をぽちっと押してもらうと、観光案内のような説明が聞けます。
では、今日の物語を始めましょう。

第四話 五月五日のあらえびす
「水瓶座流星群が来る」

【あらすじ
タオは昨晩カラオケにてしこたま飲んで騒ぎ、大いに疲弊して眠りに着いた。朝目が覚めて、助手席にすわったまま寝ぼけている自分を発見。

一緒にカラオケに言ったよ時間は恋をする
りくんみのりくんが見当たらず、戸惑いながらも家に上がる。前後不覚な状態。そこでは意外といつも通りな生活がぼくを待っていた。

まきとさんがほれと指さす方を見ると、おそらくこうたさんからと思われる、刺身。やった、朝ご飯だ!!!りょうちゃんが、昨日焙煎した豆でコーヒーを入れる。雑談する。

一息ついたところで、よりくんと半日かけてウルフ小屋の改造。額に汗しながら、あらえびすの将来について、二人でイメージを膨らませる。ウルフのサンとルナに囲まれながら入る露天風呂とか。山に二匹とも放しちゃうとか。ウルフの目がやけに透き通っていて怖い。

すぐに日が暮れる。夕食(めぐちゃんの冷やし中華)の後、自分自身への向き合い方について、りょうちゃんから的確なアドバイスを頂く。世界一変わった大学にいる気分。

あれしたいこれしたいこうなってるの妄想を膨らませ、流れ星ないかなと三秒くらい夜空を見上げ、ベッドに入る。
あしたは今日よりもわくわくしますように。あ、いま天井の上流れてるかな。
まあ、流れ星より長生きできてよかったわ。

【本編】
目が覚めると車の中にいた。朝日が眩しい。最近よく誰かに追われる夢を見る。いや、大学生のころから続いている。同じ男子部屋で寝ている朋友によれば、あらえびすに来てからよく寝言を言っているらしい。よくうなされているらしい。

朝の光は救いになる。無意識の海底から一瞬にして引きずり戻される。窓から、こうたさん、まきとさんが二人でなにやら話し込んでいるのが分かる。こうたさんは冬の間不可欠な薪や、ウルフたちの食用肉、ジビエ、大量のさくらんぼなどを持って来てくれる、地元のじいちゃん。熊撃ちの名手でもある、里山の人間味あふれるスーパースターだ。狩りは熊と
恋をするようなものだという。まきとさんからは、機械の使い方やら田舎で暮らす心得やら
いままでなんでもかんでも教えて頂いている。

さて、話を戻そう。

昨日はカラオケにみのりくんよりくんわたしの三人でいきてんやわんやの大騒ぎだった。
こういうのもたまにならいいっすね、とよりくんはいっていた。終盤では床に伸びていたけど、帰るときにはしゃきっと立ちあがったねより蔵さん。

全身にけだるさが残っている。実に、午前四時半まで歌っていたのだ。
みんな高い音程の曲を歌っていたな。高くて歌えないやとぼやきながら。よりくんは最初の10曲は全部RADWIMPS.。みのりくんは同じくらいAimer、前回のように長渕剛は歌わなかった。カラオケするとき声が豹変するみのりんはずるい、ずるいよ。あとぼくは前に出て踊ってたな、酔ってたしな。そういや今日はこどもの日。

もどかしさ覚えながら玄関で長靴を脱ぐ、昨日は、長靴を履いて外出していることに対してふたりにドン引きされ、もてないよと言われた。昨日は飲んだのか、とまきとさんが笑う。
ほれ、と指さす先には、こうたさんから頂いた刺身が!朝ご飯は刺身。以前の私だったら、居眠りを決め込んでまだ車の中にいたことであろう。

一日おいた豆をりょうちゃんがひいて、コーヒーをいれる。よりくん、みのりん、わたし、りょうちゃんで飲む。胸をなぜおろしながらカップの中を覗き込む。限りなく無限に多い、赤やら、青やらの色が混ざって黒になっている。黒ってそうでしょう。

みのりくんが大好きなエビヅル温泉の話になった。シャワーが弱いので、いつもまとめて同時に使うというりょうちゃん。蛇口の下に直接頭を入れて髪を洗うめぐちゃん。よりくんはまきとさんと外へでていてその場にはいなかった。そういえば、よりくんめ、昨日は危ないところだった。のぞみの湯へ向かう途中、あそこはハッテン場なんすよ、と私に教えやがったのだ。当然、ハッテンハッテンすることに興味のあるわたしは、よりくんの携帯を借りて掲示板サイトに書き込んだ。「いまからのぞみの湯、黄色いホンダのTシャツきてます、楽しみましょー。」温泉に着くと車を降り、すぐにシャツを着替えた。もうやり切った感があったので。

また、りょうちゃんからコーヒー座学の手ほどきを受ける。豆の外には甘い皮があって、普通のコーヒー豆からはすでに除かれている。だがこのコーヒー豆には本来捨てられるべき甘み成分が凝縮されているのだ。また、コーヒー豆の大きさはばらつきあがない方が焙煎しやすい。工夫の上に成り立つ、無限に明るい黒、なんつって。実習も受けた。からころからころと、一秒に一回転焙煎機を回し続ける。学校での理科の実験を思い出す、これやりたかったな。自分にとっての待つことの意味が更新されてくる時間。

トイレの便座を下げられない自分、すぐ言い訳をする自分、あわてると肩が上がり息が乱れ目が泳ぐ自分―からころからころ。待てない自分に優しく話しかけているかのような今の自分。

ざる一杯のコーヒー豆から、脳の断面図を連想した。切断された脳みそたちが転がっている。まるで、自分の頭の中を覗いているような気分。浮かんでくる言葉も気持ちも川のように流れ流れるぼくの頭(そういえば、とおるさんが以前、ぼくの頭の中には、心の呟きみたいな言葉が浮かんでこないの、とおっしゃっていたのにびっくりした記憶がある。今思えば、決断がはやくなるほど、頭から言葉は消えていくと思う)。

きたきた、また妄想が始まった、そうぼくは妄想族。・・・生命工学の進歩、あるいは自然界への人間のちょっかいが進むことにより、ロボトミー手術が普通になる時代はきっと来る。体育の授業で体の形を選択する時代、進化したパラリンピックがオリンピックを凌駕するだろう。性感帯も人それぞれ決められるようになりAV業界はさながらフリークス・幻魔大戦の如し。六本目の指をなでられると堪らないの、とか。四つ足の人、ムカデ足の人、鰓呼吸の人、苔を全身から生やした人が、それぞれの独立国家をつくる。しかも、自分はどのような体になればいいのかを、脳内に埋め込まれたチップが教えてくれた上で。みんながみんなヒーローになるってこと。、コスプレなんて古くなるってこと。

あー、りょうちゃんが作ったカレー、みのりくんが全部食べちゃった、とめぐちゃんが言う。あー、と答えるみのりくん。いつもの顔だー悪気など露もうかがわせない顔、やってしまったという顔、でも次やらないという保証はありませんという顔。まきとさんからも聞いた、みのりはほんと不思議なやつだと。よりくんから聞いた、20人いる消防団員の誰かだって
わかっていても、その場で見つけられないことがあるんですよ。とおるさんから聞いた、自分のことにしか興味がない、みのりは金玉の奥から常にものを考える男だと。

午後はウルフ小屋の改造。外仕事は日が暮れるまでと決まっています、とよりくん。いまはよりくんがぼくの教科書だ。小屋のしきりをとって広くすることで、冬の除雪や掃き掃除などが楽になる。今日は流星群が見れるらしい。よりくんは心持ちうきうきして見えた。ウルフのサンとるなの目もいつもより透き通って見えた。というか、ワンちゃんも猫もみんなかわいく見えた。テルーもブラッシングされて毛並みが鮮やかになっていた。ぼくが、なんかウルフ小屋は無彩色だから、草とか花とか植えたいねというと、ぼくもちょうど同じことを考えていた、とよりくん。

さいきん餌やってないから、俺に寄り付かないの、と少し寂しそうなよりくん。初めてよりくんとあった時はオオカミのような目をしている青年だなと思った。実際、彼らとの関係は深く、遊んでいるつもりでウルフにかみつかれ痛かったときもあるという。

ブランコ作りたい、EM菌まきたい、単管パイプあるしサスケ作りたい。ああしたいこうしたいとイメージ膨らませていくうちに、土ががちがちだからまず耕そうという話になった。芋とかなら育つかも。将来のウルフ小屋はもっと広くしたいと考えたのだが、ぼくだったら山にしたいですねとよりくん。
作業を教えてくれているよりくんからたくさん言葉を教えてもらった。疲れて力が空っぽになる=empty,イかしたケあれすみすをする、メンつが=イケメン、わたしのことだ。

ポニョがえさの皿にげろして再びそれを食べ始めたらしい。晩御飯の前にりょうちゃんから聞いた。

夜はメッセンジャーをのぞきながら、めぐちゃんお手製の冷やし中華。あらえびすの財政がいたく厳しい、自分本位で動くことからチームを作らなければという内容だったように思う。

夜は深まる。よりくんは犬の遠吠えをサイレンと勘違いした(これは間違いだと今さっきわかった。よりくん本人に聞くと、防火警報の音を、火事を知らせるサイレンの音だと勘違いしたらしい、それだけよりくんの防火意識が高いということだろう)また猫の声を幻聴として聞いた、本人もそう言っていた。りょうちゃんと話す。外に出て星を眺める、最後まで
流れ星期待しながら、ベッドに入る。


改行がうまくなってるわ。さあ、次は四日目。謝るという選択肢に気がつきました。既に改行を忘却していますね。もうすぐ、足が出てきますね。賞味期限切れの納豆どけたら、卵が出てきました。

すみません、昨日すべきだった投稿です。
第六話 まっころこげに身をこがすバナナ
Aimerの歌が好きになったのは、みのりくんのおかげかも知れぬ。
いつも車の中で聞いているあるときはうとうと眠りながら。アグレッシブな子守唄になっている。口ずさんで、体を揺らしたくなる曲だ。揺らしながら、うとうとしながら、でもわくわくして目を開けたくなる曲だ。「こんな声の泣声なんて、誰も教えてくれなかったよ    まっくろこげに身をこがすよ   I walk」ありがとさんです。Aimerも好きには好きだが、ほんとうに自分にフィットする曲は見つけていないというみのりくん、きっといつか自分で音楽を作るんだろう。はやく作っておくれよ、せめて太陽が無くなり全人類が地底で暮らし始める前までには。
みのりくんの放つオーラに惹きつけられ、いっつもみのりくんを観察している。
今日のみのりくんは水源地では、鼻歌を歌ってた、ふきのとうを生でかじっていた。湧き出す水に、タオルなしで洗顔していた。わざわざタオルを持って来て洗顔していたわたし。ひとの不思議さをずっと追求していたい。とめどなく流れるこの湧き水のように、話したい。あしたは、どんなみのりくんを見れるのだろうか。自分で想像しなきゃ。
朝ご飯に、バナナを食べるとき、皮をむいた辺りにバナナから声が聞こえてきた、
「よく分からないことをするのがいい、そりゃそうさ、人生は終わらない感動帝国なのだ、そうなのだ」頭の中の声。ものに語りかけられるということ。毎朝、水源地の山へ向かう
車の窓から、見える緑は、明らかにぼくに語りかけてきてくれる。木々の緑だって毎日微妙に変化する。
暑い、暑い、お昼頃は半そでで過ごすことが多くなってきた。クールビズかよ。猫がまるまっているのがかわゆい。みなてぃは、まるで人間のように伸びをしながら寝ている。みなてぃは、よく同性のこたけに、かみつく、背中に乗ってかみつく、それでホモを疑われている。うちには、インディビジュアリスティックなにゃんこたちが多い、ひとくせふたくせあるにゃんこ侍ばかりだ。あなたもきっと耳をすませばきこえてくるはず、彼らのにゃーんが。みなてぃの額に着いているダニ!をめぐちゃんが発見、ピンセットでつまんで取る。意外と大きいな。夏は、だにが一杯ですよ、とよりくん。ぶどもすんごい多くて、お皿みたいな腫物ができるんだよね。
めぐちゃんが、昼前に帰ってきた!今日で油揚げやの仕事が終わった。よく油の匂いをつけたまま帰ってきていてた。差し入れを持って来てくれためぐちゃん。中身は何だろうか。真っ白な箱を開けた瞬間びっくりした。
包装された、ぺこちゃんのシュークリームが仲良く並んではいっていた。ぼくらに衝撃が走る。こんなところでぺこちゃんに出会うとは。うかつにも、ありきたりなケーキを想像していた。コーヒーを飲みながら頂く、二日間おいた豆をひいたコーヒーです。豆もみんな仲良く並んで二日間ざるの中にいてくれたんだろうな。
みんなが寝静まった後に、三はぜが起きて飛び上がっていたかも、最後の宴だーと叫びながら。
 
今日よりくんは山へ除雪へ出かけたらしく、よりくんの分のシュークリームは冷蔵庫の中に入れておいた。さあ、冷蔵庫の扉を開けるよりくん、まぶたの裏に浮かぶ。本部から車で30分ほどの山の中。お昼を過ぎて、本部では、雨が降り雷が鳴りはじめた。山でもきっと雨雷だ。よりくん大丈夫かな。雨にうたれながら、ゆったりゆったり除雪機をすすめていくよりくん。もともと、寒鮭を干していたハウスを、アメとユキ用の小屋に改築してくれたのもよりくん。いつもスキのない感じだ。だから、箸を落としたりすると、にやっとしてしまう。
雪がとけて、砂利道が出てくると、ATVで水源地までそりをひいていけない、そりが傷つくから。だから、雪を埋め合わせたり、車で登っていける地点まで雪を掃いたりする。お昼も帰ってきて食べるのではない、本部から差し入れを持っていく。
ワンちゃんたちのご飯は、今日は魚だ。焼いて味見をした上であげる。本部にいるスタッフの数は、わたしの家族より少ない。だが、ここにいるワンちゃんの数はそれより多い。となると、夕ご飯を逆に、彼らに時々作ってほしくなる。ひとりひとりに、話しかけながらお皿を置いていく。テルーははちきれんばかりに、しっぽを降っている。ハナは、縄を切らんばかりに飛び上がる、跳ね上がる。黒は毛並みが乱れているから、近いうちにブラッシングして上げないと。


弔い合戦、毎日更新していくよー。いまは、すぐ過去になっちゃうからねー。現在、14444文字!

やっほー


おとといの夕食をぼくは思い出せない。過去を全部覚えているという人はいない。一体失われた記憶はどこにあるのだろう。実は宇宙空間を流れてぜんぶぜんぶ、ガンダーラ星に集められている。そこでは流刑囚たちが暮らしている。星全体が刑務所と化している。罪人たちは飲まず食わず、じゃんけんだけしている。人生じゃんけんというゲーム。負けた方は勝った方に自分の思い出をひとつ手渡さなくてはいけない。思い出一つ分のナノチップを脳からつまみだす。チップがなくなったら、某漫画のごとくアホの巨人化する。荒野をさまよい続ける。知性を持たない巨人が、記憶を取り戻す方法はただ一つ。同類の巨人と人とではなく同類の巨人とじゃんけんができる。えいえんにあいこになる場合もある。記憶は失われない。奪われた思い出は一巡してじぶんに戻ってくることがある。空腹で死ぬまでに戻ってくれば、の話だが。ガンダーラ星全体が踊りの揺れで割れそうになることがある。記憶なんて要らないと決めた囚人たちが、吹く風に目をきらめかせながら、踊り狂い始めた。じゃんけんをしながら。
ぼくは、じゃんけんに買って思い出した、まだ小学校m自分の膝小僧を岩にぶつけて血をだした。あれはわざとぶつけていた、たぶん弟をねたんで。大学の授業中に、紙で切った指から血がでていて、卒倒しそうになったことを思い出した。今の所、じゃんけんに勝っているので、記憶は戻ってきている。煮え切らないのはなぜか、たぶん八億年前からじゃんけんをしてきたのだ。子供がじゃんけんが好きな理由もわかる気がする。大人になっても、こぶしを振り続けてね。

心配だな、大丈夫かな。呼吸をしているみのりくん。歩いているみのりくん。巻きたばこを巻いているみのりくん。歩いてこっちに来るみのりくん。よし大丈夫だ、心配なし。薪ストーブでいった大豆を差し入れにもっていく。数週間前に、要らないものを捨てて、事務所が大分広くなった。みのりくんの座席も移動した。リビングに背を向けている位置には変わりないが。今日の肚国会でとおるさんから教えてもらったことは、みのりんには、常に、後頭部の辺りで百年後の音楽が鳴り響いているということだ。まあ、そうだろう。洞窟でピクニックしよう、土の上の文明が終わってはやく土の下の文明が始まればいいのに、いや別に、地球を味わいたいという発言の数々は、なるほど、後頭部の音楽の表現。みのりくんが作ったミュージックをはやく聞いてみたい。聞けば、みのりくんの瞳に映し出される世界を少しでも共有できるかもしれない。魂年齢が八億年の人がそばにいる生活など、京大に入学した当初は予想もしなかった。お皿を洗ったり、ちらしをおりこんだりするのが遅いのも、意図してか意図せずか、八億年前の命の声を届けるためだと思う。だが、ATVの運転がはやく、荒々しいのはなぜだろう。その謎が解けたときには、みのりくんは乗らず、みのりくんの後輩が乗っているかもしれない。一つの謎が解けたら、次のステージへといざなわれる、ようになっている。山形の温泉にも造詣が深い、ホームページに載せている温泉は「選りすぐりのものを選んだ」という。進撃の巨人にはリバイ役で出てほしい、あと新世紀エヴァンゲリオンには綾波レイの役で出てほしい。

日が沈み、朝日がのぼる。しばらくして肚国会が始まる。あらえびすコミュニティに投稿している文章が良くなったと風馬くんがぼくを褒めてたらしい。あら、まあ。自分が恥ずかしい、いままで何度も青空を見上げてきたはずなのに、まだ青く広がるそらを書けない。小鳥が空を飛べなくなる。せっかく力のある言葉なのに、昨日の自分から変われないだけで、逃げちゃうじゃないか。取り戻すには、ざるで水蒸気を集める苦労がいる。扉の外にいる飼い猫が怖くて30年間家にこもり続けてきた男が、歯を食いしばりながら扉を開け、意外とかわいいなと猫に慣れていき、もっと外の世界が知りたくなり、まじまじと猫の目を覗き込むように、肚国会を聞いている。玄関から出るという選択肢がまだないんだけど。以下は覚書。―生きている人たちは、三次元の世界でやるべきことをいままでやらなかった人たち。やらずに死んで、後悔と怯えをかかえたまま空中を漂っている霊たちがうじゃうじゃいる。煮え切らない霊たちは数え切れないほどいる。地球が人類を追い出しにかかっている、という未来もありえる。地球から人間がいなくなれば、霊たちは転生先を失い悲惨なことになる。死ぬまで創造者であるcreativity,死んでからもcreativity。  ・・・登山家は、最後は山で死ぬ、神の領域に入っているから。・・・これからは、起業家兼芸能人が出てくるから普通の芸人は飯を食っていけなくなる。たとえば、三浦崇宏はダウンタウンより面白い・・・マッキンリー山脈の雪がとけて、歴代の登山者にのうんこが、土に帰ることもできず町に流れてきている、その量なんと600万t。・・・新宿に野良猫や野良犬が賑やかに走り回っている高層ビルを作りたい、酔いつぶれて、さびしさに吐いたゲロを食べている猫がいとおしくなることがある。
肚国会を聞いていると、知っていると決めつけていた言葉の意味を疑うようになる。予想外のタイミングで、世界とは、アップデートとはと問われる。参加したいという自分の気持ちも時に疑う。自分の立ち位置を聞いている言葉を、責めていると勘違いすることも。だから、ぼくの場合本を読むスピードが遅くなる。はやく読むことが申し訳ない気持ちになってくる。あるフレーズに対して、これだ!はい、これで新しいアイデアわいちゃった、と盛り上がるところとか。あと、外出するとき肚国会で持っている同じ緊張感で、店員さんの言葉に耳を傾けてみたり。外に出て活かすことができる。あらゆる世代の人々が集い、なんとなく、日本の世界の未来を、なんとなくだけど緊張感をもって語る場は、もっと遠い未来に出会うのだと思っていた。だから、自分次第では犬との散歩も、水汲みも、料理もぜんぶ肚国会にできる。あと、会議への参加者が10人なら10通りの、1万人なら1万通りの声がいつでも聞こえてくるようになるから、ワンちゃんとの散歩は、戦争のようにもできる、戦術会議のようにもできる、江戸時代のお伊勢参りのようにもできる。自分の中にそんなにたくさん小人がいていいんかい。自分が誰か時々わからなくなるときはチャンスで、ちょうちょにも換気扇にもなれる。
肚国会はガチで密度が高い、二日前の肚国会でさえまだ消化できていない気がする。さあ、山へ行こう。春風ふく水源地へ向かう途中、手のひらより小さな小鳥を発見。見えなくなっても、心には
手のひらサイズの傷が残っていた。花びらをちぎっているだけの子供時代からずっとつきまとって離れないイメージがある。家の窓に小鳥が何度も何度もぶつかっている、血を流しながら。窓ガラスは今にも割れそうだが、タオは気づかない。小鳥のいる外と、わたしのいる内側とにまったく違う時間が流れているかのようだ。
たぶん小鳥は、ぼくのイメージから抜け出てきたのかも。

 
雪道に杉の枝が突き刺さっている。ATVで上を通るとそりが傷つくので今日までは迂回していた。ぼくとみのりくんはATVから降りた。今回は引っこ抜くことに決めた。ふたりがかりでも、抜けない。それならば、とよりくんが、とうとう降りた。枝に手をかけた、一気に引っこ抜いた。反動で倒れた。青臭い歓声で、空の青が少し薄くなった気がした。
なんだ、抜けないと決めつけてたけど、こんなに簡単にぬけてしまうなんて。


よりくんから缶コーシーをプレゼントされる。甘いもの食べたかった。

人生じゃんけんを今生で現実化。巨人のだらしない顔が浮かんだ。

手のひらサイズの小鳥を発見する。

雪道の枝を三人がかりで引っこ抜く。












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