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世界初の芸妓育成スクール兼派遣会社が新潟にはあった

新潟には、「柳都振興(りゅうとしんこう)」という芸妓養成と派遣を行う株式会社があることを知ってますか?

この会社があることで、北海道から沖縄まで全国津々浦々から「あたい、芸妓になりたいっ!」と門を叩く少女が集まっています。

今日は古町の勉強会にて、柳都振興(株)出身で現在フリーの古町芸妓あおいさんの講演を聞いた内容について共有しまっす。

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古町芸妓の特色は「気さく」

芸妓といっても全国で呼び名も違えば、風習も、着物も、髪飾りひとつとってもその土地土地の特色があるらしい。

新潟にある古町芸妓の特色は一言で言うと、「気さく」なことだそう。
みなとまち新潟は地域外から来るお客さんが多かったことから、とにかくおもてなし力が凄かったらしい。

初めて出会ったお客さんと2時間過ごす間に、10年来の知り合いのような関係性になるとか。
恐ろしいコミュ力。秘訣を聞きたかった。

歴史がある水商売

今回の講演でびっくりしたのは、「伝統文化と言われることに違和感がある。水商売ですよね。」という発言。

どうしても伝統や歴史、格式があり、ぶっちゃけお高くとまっている印象があった芸妓さんですが「わたしたちは本気でおもてなしをしている水商売。違いはただ長くやっていること。おかげで皆さんに大事にされている。」と言うあおいさんは、誇りを持ちながらも謙虚というか俯瞰的に自分を見ているようで、とても素敵でした。

長く続くから価値があるのではなく、長く続く“理由”の部分に価値があり、それはあおいさんが言う「本気でもてなす」という部分に集約しているのだと思います。

コロナで芸妓のあり方も変わる!?

避けられないこの話題。もちろん今回の講演会でも出ました。

接客業の芸妓さんはもちろんコロナ影響大です。
しかし、新潟の芸妓さんは頼もしい。コロナでも攻めに転じる決断をしているようです。

一つは客が来なくても稼げる収入源としてグッズ展開を検討していると。
「めざせキティちゃん」らしい笑
すでに日本酒とコラボしたこの商品はアメリカのデザインアワードで金賞を取るなど素晴らしい商品になっています。ガンガン売れるといいな。

さらにオンラインお座敷
これは楽しみだなぁ。pocochaとかで芸妓さんが配信してたら、すぐトップライバーとかになるんじゃないかと。
オンラインだからこそ海外進出も考えられる。だれかその辺うまくプロデュースできる人が関わってほしいな。

さらにyoutubeにも進出するそうです。
お座敷遊びのハードルの一つに「楽しみ方がわからない」ことが大きいそうです。確かにまったく知らない。

マナーや楽しみ方講座をyoutubeで配信することで、興味を持ってもらい、安心して楽しんでもらいたいと。今は50代のお客さんがメイン層らしいけど、30代〜40代の人にもっと使って欲しいらしい。
よし、コロナが落ち着いたら芸妓さんと飲む会を企画しよう。

県内旅行客を新たなターゲットに

芸妓の接客だけでなく、他にも収入源を持ちながらファンを拡大させていく戦略、短期だけでなく中長期を見据えた対策すごい!と思っていたら、さらに県内旅行客をターゲットにした楽しみ方も考えていると。

星野リゾートの星野社長もアフターコロナで注目している近隣からの旅行(マイクロツーリズム)をしっかり視野に入れて考えている。すごいな〜。

僕自身も、コロナ初期に新潟市内のワイナリーにある一泊4万弱するオーベルジュが、半額になっていたので、泊まりに行きましたが控え目に言って最高でした。

移動にかかるコストも時間もかからないので、その分いつもより身近にある付加価値の高いものにお金をかけるってのもアリだな!なんて気づきが。

最近では町内会の旅行をやめて、料亭で芸妓さんを呼んで飲むような利用方法も出てきているとか。
いまだに町内会の旅行とかあるのかwと思いながらも意外な需要だなぁと勉強になりました。

芸妓も就活生にネットで比較される時代

芸妓になりたい!と県外からはるばる移住してくる人もいます。

あおいさん曰く、今はネットに勤務の内容やなんと評判まで出ているらしく、普通に全国の芸妓組織が比べられる時代らしいです。

就活ブースにも出ているとか。これはシュールw
※柳都振興(株)HPより

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遊び方のマナーを動画配信しようとするなど、芸妓の世界も情報公開が進んでいます。さらに積極的に自分たちから出て行く姿勢は頼もしいですね。

県外から来た芸妓さんが増えたことで、変化もあったと。
新潟の方言や地元の食べ物に、非常に興味を持つので、より組織としての新潟らしさに磨きがかかってきたそうです。
新潟出身者も一緒に方言を共有したり、郷土料理であるのっぺをみんなで作ってみたり。
はじめて見たものに興味を持つ姿勢って大事。見習わねば。

さいごに

新潟に限らず、地方は生産性の低さを解消するためにも、これからは薄利多売でなく、付加価値の高いものを適正な価格で売っていかなければならないと思います。

付加価値が高いものはすなわち素材が本物である必要がある。
古町芸妓さんたちはまさに本物の素材。

コロナを踏まえて、どのように付加価値を高めながら、多くの人に知ってもらい、楽しんでもらうか。

一緒に考えられたら楽しそうだな。
とりあえず仲良くなりたいと思った講演会でした。笑

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