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アジャイルとは無縁の組織の中で、エンジニアリング・マネージャーとして取り組んでいること

この記事は Engineering Manager Advent Calendar 2018 の4日目のエントリーです。

世の中的にエンジニアリング・マネージャーが盛り上がっていますね。Advent Calendar も二つできて、両方いっぱいってスゴイ!

エンジニアを社内に抱えるインハウスの会社(社名は色々な事情で書けません...)でエンジニアリング・マネージャー的なことをしている んじゃみ @nnjyami と言います。
Advent Calendar に書かれている方々とは対照的に、弊社はアジャイルやスクラムは導入できておらず、また思想的な部分でもトップダウンな Management 1.0 体制です。
そのような環境に満足はしていないものの、少しでも自分とメンバーがしあわせに・楽しく、成果の出せる仕事をできる環境が作れないか日々模索中です。

エンジニアリング・マネージャーになるまで

つい 2 年ほど前までプレイヤーとしての仕事がメインでした。
少しずつメンバーが増えたり、僕が他部署やステークホルダーに説明をして、スケジュール調整なども行い、取り仕切ることも増えてきて、現状のエンジニアリング・マネージャー的なポジションに近い状態になりました。

一方で、ハードワークしたにも関わらず評価の得られない仕事、楽しいとは言えない仕事環境に思い悩みながら、本を読んだり PodCast を聴いていました。
中でも omoiyariFM の影響は大きく「世の中にはこんなにメンバーやチームのことを考えてマネジメントに取り組んでいる人がいるのか」とマネジメントやチームビルディングの意義・やりがいに気づきました。

変わらない会社の体制に転職を考えたりすることもあります。
ただ今いる所でも、もっと楽しく・成果を出せる働き方ができないかと、アジャイル的なプラクティスやカンバンボードや 1on1 など可能な範囲で導入し、試しているのが現場です。

EM として大切だと思ったスキル

「スキル」という言葉が適しているかわからないですが、EMとしてメンバーに接する上で日々重要だと思っていることについて書きたいと思います。

・ コーチング
・ アクノレッジメント、コミュニケーション
・ 振り返り

コーチング

マネジメントに興味を持ち始めてから、同じようにコーチングについても学んでいます。元々、僕は職人気質な気性で、自分の意見を通そうとしがちでした。

押し付けられて、賛同できない意見の元では、メンバーが主体性を持って取り組むことは難しいと思います。
チームとして何かを進めていくとき、自分ばかりが答えを差し出すだけだはなく、時には相手の中から答えを見つけるようなコミュニケーションも重要だなぁと感じています。

アクノレッジメント(認知)、コミュニケーション

アクノレッジメントは「相手の存在を認める」的な行為で、コーチングのひとつのスキルでもあります。
普段のコミュニケーション・会話の中で、なによりもアクノレッジメントすること・または存在を否定してしまう言葉を使わないことを心がけています。

「褒めるのが苦手だな」という課題を持っていましたが、そんな時に読んだ本が褒めることも大切だけど、アクノレッジメントすることが重要だと教えてくれて、自分自身がコミュニケーションへ感じていたプレッシャーが和らぎました。

コーチングもアクノレッジメントも究極的にはコミュニケーションのメソッドだと思います。メンバーにモチベーション高く、仕事に取り組んでもらうためにも言葉選びや伝える順番に配慮するなど、丁寧にコミュニケーションを取ることが必要だと思っています。
モチベーションは一瞬で失われるけど、なかなか元には戻らないので...

気をつけている例
・相手の言葉に対して、いきなり否定するような言葉で返さない
・「普通」や「正しい」など価値観によって基準の違う言葉で評価しない

相手の言ったことを「いや、そうじゃなくてxxx」「ちがいますよ」と相手がそう思ったこと自体も否定してしまうので、言われた側としてはモヤモヤしてしまいます。

また「普通、そういうやり方はしないでしょ」みたいな言い方は、人によって「普通」が違うことを考慮せず、かつ相手の「普通」は誤りで、自分の「普通」こそが世の中一般の「普通」であるかのようなニュアンスを持ちます。
相手の存在を否定しかねない言葉を使うと、たとえ目的に沿った議論をしていたとしても、感情的な拒絶が起こりやすいのではと思います。

基本的にはみんな同じ目的のために日々働いているはずなのに、お互いストレスを与え合いながら仕事しているのはもったいないですよね。
僕自身も口下手で、決してコミュニケーションが上手いわけではないですが、最低限の言葉選びには気をつけています。

マネージャーになってから、仕事ってコミュニケーションが一番大切だなぁとしみじみ思います。ステークホルダー・上司だけではなく、メンバーとのコミュニケーションも大切。どちらか一方では上手くいきません。

受け手側の心理状態やモチベーションへの影響を考慮した上で、必要な情報を伝えていかないとコミュニケーションとは言えないように思います。

振り返り

振り返りを何でやるのか、はじめはしっかりと理解できていませんでした。ただコーチングセミナーなど受講するうちに、経験学習から効率よく学び、学習効果を最大化するためだとわかってきました。

ただ、アジャイルやスクラムなどへの理解があるメンバーが多いわけではないので、KPT などのフレームワークを使ってもイマイチ上手くいかないなぁと悩んでました。

先日、コーチングの手法に習い、自己採点型の振り返りをしたところ、思いの外、建設的な意見が多く出てきて、手応えを感じました。
数字を使って一度自分を客観視し、他人や環境ではなく自分への評価 = 自責として考えられたのが良かったのかなと思っています。

また、メンバーそれぞれの何を重要視しているのかという価値観の発掘にもなり、Manegement 3.0 の Moving Motivators 的な効果もありそうでした。もう一度やってみて、また上手く行くようなら別途ブログに書きたいと思います。

まとめ

長々と書いてしまいましたが、大抵の人は仕事を通して成功したり、いい成果を出したいと思って働いていると思います。エンジニアやデザイナーだとよりその傾向が強く、それが生きがいだったり、それぞれの目的に直結している人も多いように思います。

エンジニアリング・マネージャーの端くれとして、そういう正のエネルギーを曲げたり折ることなく、会社やプロダクトの目的と沿った形で発揮できる環境作りをして、一人ではできないようなイイ仕事をしたいなぁーと思っています。




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