見出し画像

エビドリアは変わらなかった。

数ヶ月に1回、地に足が着いてない不安定な感覚に尽きる。

そんなときは、美味しいものを食べて自分を見つめるに尽きる。近所で美味しいものが食べられて、この憂鬱な気持ちが吹っ切れる場所は。

真っ先に思いついたのが地元創作フレンチレストラン「コション」であった。

でも、ここのフレンチレストランには一つ難点がある。それは私の"元バイト先"である事。

私はここにちょうど1年前。壁にあるチラシをみて、写メをとり、家に帰ったら、電話をかけアルバイトを申し込んだ。地元の美味しい飲食店でアルバイトをしてみたかったのだ。

そして願いはすぐ叶い、約半年ほど通い働いていた。

ここのお店には散々迷惑かけたと思う。おっちょこちょいな私は、よくやらかし変な空気になることが多々あった。シャンパンは割りまくるし、グラスも何本も落とすし、オーダーはミスるし、シフトもサボることもあった。今振り返れば、最悪な使えないアルバイターだったと思う。でも、それでも私はこのお店の雰囲気が好きで、盛り上げたい気持ちがあった。地元の常連さんと仲良くなり、愛嬌だけは誰よりも負けなかったし、私のオリジナルデザートメニューを考案して採用されたりもした。よく来るおばあちゃんは私を気に入り、コーヒーやお金をくれたりもした。バイト中にワインを奢られ、飲んでお話を聞いたりした。店長ともよく話し笑いあったし、そしてグラスを割って怒られていた。小さな地域のコミュニティーが確かに感じられる場所だった。

でもある日、すれ違いのコミュニケーションのミスで、店長のくりたさんと謎のけんか別れをし(今となれば私が悪いんだけど)逃げるようにやめてしまった。ラインでブチ切れられた怖さ、今でも覚えてる。

と、まぁこんな苦い思い出を噛み締めながら、ひさびさに長い階段を上り、思いドアを開けた。とにかく今はエビドリアが食べたかったのだ。あの大好きなエビドリアが食べたかった。いや、と言う言い訳をしてあのお店に行きたかったのだ、ずっと。

迎え入れてくれた、くりたさんは少し驚いた顔をしていたけど何も変わらず接してくれた。コションはそのままいたし、大好きなエビドリアも相変わらず熱くてトロトロだった。

「全然人がいなくて、暇なところから始まってたのに、、、、このお店やるじゃん」

私がいなくなって、常連さんが悲しめばいいのに、とか思ってたけどたぶんそんな事はなかっただろう。変わらず、今日も、この小さいお店は開店している。明日も明後日も、くりたさんが元気でいる限り、あそこにあると思う。

また、辛くなったらくるね。いや、近いうちに友達も連れてくるわ。たぶん今、私、世界一推してるフレンチレストランだよ。まじで美味しいよここ。










じぶん、お金に困ってます!!!!🙋‍♀️ でもそんなことよりいいねを欲してます🙋‍♀️🙋‍♀️(ハイッ) https://twitter.com/@richama0610