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だいぶ前の話にはなるが、いつもの回転寿司屋に行って、驚いたころがある。回転寿司屋もここまで来たか・・・これぞ真もDXと。

DXとはなんじゃねぇ?

DXどは?と問われると、その答えは人によってまちまちではあるが、自分は「今までにないユーザ体験、それによって企業の売上、利益が伸びて、企業が成長していくこと」だと思っている。この、今までにないユーザ体験というのがキモである。

例えば、今ではどこの運送業者でも当たり前にやっている、冷凍宅配便(「クール宅急便」と言うとヤマト運輸のサービスになってしまうので、一般名称で「冷凍宅配便」)

この冷凍宅配便がなかった時代のことを考えてみて欲しい。

そう、冷凍食品、生鮮食料品は宅配便で送れなかったのである。

冷凍食品、生鮮食料品が宅配便で送れるようになったことで、我々の生活は大きく変わった。この「冷凍食品、生鮮食料品が宅配便で送れるようになった」ということが、今までにないユーザ体験である。運送業者にしても今までの宅配便に加え、冷凍宅配便で新たな需要を掘り起こすことができ、売上、利益の向上に貢献した。

企業はユーザにモノ、あるいは価値を提供しその対価を受け取っている。
そのモノ、価値に「今までにないユーザ体験」なしでは対価がいくら増えても、それは単なる業務改善、効率化に過ぎない。

DXとはイノベーションである。じゃ、そのイノベーションは何処に向けられたイノベーションなのかと言うと、その組織内部ではない。組織の外向き、ユーザに向けられたイノベーションではないと意味がない。

回転寿司屋のDX:その1受付

だいぶ前であるが、家族でいつもの回転寿司屋に行った。近所では結構な人気店で、予約は受け付けていない。なので、夕方、昼時は激込みなので、ちょっと早めに行って受付済まさないと、下手すると何時間待ちになる。

いつものように車で駐車場で車を入れる前に嫁を玄関で降ろして「早う、名前書いてこい!」とダッシュさせる。

数分後に嫁が帰ってきて、渡されたのはレシートのような紙とそこに書いてあるQRバーコード。そのQRバーコードを読み取って、LINEの友達登録すると、スマホの画面で自分の順番待ちがどの辺なのかがわかる。しかも、順番待ちしている組の、その人数と席が「カウンター席」、「ボックス席」、「そのどちらでもいい」の3種類があり、それもわかる。

これって・・・今までにないユーザ体験じゃないか?

今までって、紙に名前を書いて「○○様~!、何名様~!」って呼ばれるのをひたすら待つしかなかった。もしくはポケベルのようなものを持たされ「ピー!ピー!」と呼び出しがなるのをひたすら待つしかなかった。自分があと何組待ちなのか、それがわからず、イライラ・・・「あと何組?」と店員に聞きに行く始末。

スマホのLINEの画面だと、自分が今どの辺にいるのか一目瞭然なので、そのイライラ・・・がなくなる。店員もお客様の交通整理をしなくてすむ分、こちらもストレスがなく、業務の効率も上がる。

回転寿司屋のDX:その2注文

これも何年も前から導入している店も多いが、今時、紙のメニューを見ながら紙の伝票に「えーっと・・・次どれにしようかな?」とボールペンで記入・・・なんて注文はしない。各カウンタ席、ボックス席にタブレットが設置されていて、注文は全てタブレットから行う。注文した寿司はカウンターの中の寿司を握っている職人のモニタに表示され、職人はそれを見ながら寿司を握る。

タブレットなので、ネタが売り切れになれば、リアルタイムでそれがタブレットにも表示される。注文してから「お客さん、すみません。それ売り切れです」なんてこともない。

これも、紙とボールペンの時代に比べれば「今までにないユーザ体験」ではないだろうか?

回転寿司屋のDX:その3清算

さて、寿司も腹いっぱいくったことだし。そろそろ終わりにするか。「お会計お願いします」となったときに、昔は〇〇円の皿が〇枚、□□円が□枚・・・と数えていたが、今時はそんなことはしない。各皿にRFID(非接触タグ)のチップが埋め込まれていて、そのチップに寿司の各皿の価格の情報が入っている。専用端末でかざすだけで、清算完了。専用端末からレシートのようなものが出力されるので、それを会計に持って行けば終了。

ちなみに店員に聞いてみたが、読み取った専用端末に表示される合計枚数に間違えがなけれが、まず間違えることはないそうである。

これも、昔のような番町皿屋敷のように「一枚、二枚・・・」と数えていた時代に比べれば「今までにないユーザ体験」である

回転寿司屋のDX:一気通貫

と言った、ようにたかが、回転寿司屋と侮るなかれ。受付 ~ 注文 ~ 清算まで、一気通貫で「今までにないユーザ体験」を我々に提供しくれている。この「今までにないユーザ体験」が、一部分だけではなくて、上流から下流まで一気通貫で通してというところもミソである。

次はどんな「今までにないユーザ体験」を提供してくれるのだろうか?

DXが進まなくて頭を抱えてる経営者も原点に戻って考えてみたらどうだろうか?

100ワニをパクって退職エントリでバズろうとしたけど、全然バズらなかったワニ。 副業のオファーあればよろしくお願いします。 Twitterのフォローもよろしくおねがいします。@180wani