たぶん…きっと…

僕の今年の目標は相手の感情に寄り添うことだ。

人と会話するときに「今この人の発言の裏には何があるのかな?悲しみ?不安?それとも承認?喜びを分かち合いたい?そんな感情をわかってほしい?」等を意識するようにしている。


そんな中、とある女性が「私の友達が病んでしまったひどい話を聴いてください。」と言われた。

内容の大筋は、

・付き合うまでは、女の子への細やかなフォローをし、甘い言葉で女の子をその気にさせる男

・付き合ったら男が女の子へぞんざいに扱うようになり、だんだん連絡がとれなくなる。

・気が付いたら、その男は別の女の子にも同じようなことをしており、女の子をとっかえひっかえしている。


これだけ聞くと、「最低な奴だね!」といいたくなるが、現実はそうもいかない。


いやむしろ現実ならばよかったのだ。


この話はすべてオンラインゲームで起きている出来事だったからだ。

オンラインゲームで一緒に敵を倒すうちに、男性プレイヤーに恋心が芽生えて(実際に会ったこともないのに)、ぞんざいに扱われて振られたという設定に僕の頭が混乱する。


こうやって文字にするから整理できるが、ひどい話がどうかよりも、

ゲーム内という仮想空間で起きている恋愛にひっかかり、

オンラインゲームにのめり込んでいる女の子に引っかかり、

そんな中で病んでしまったという女の子に疑問が浮かぶ。

女性は耳で恋をすると聞いたことがあるが、

現実にあったら、ブヨブヨのツルツルのオッサンかもしれないのに、恋心が芽生えていることに違和感を覚える。


共感してあげたいが、まさかの斜め上の設定に僕は、突っ込みたい気持ちをこらえる。


なんとか仮想空間とはいえ、相手をぞんざいに扱う男はひどいというポイントにたどりつき、絞り出すようにこういった。


「たぶん…ひどいね…」


これ以上の言葉は難しかった。


相手の感情に寄り添うというのは、とても難しいことだと改めて感じる今日このごろであった。

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