専制国家のレシピ

 中国とロシアと大日本帝国を見て思ったこと。

専制国家はすぐに作れます

  • 政治とは支配することだと考える政府

  • 国民とは支配されるものだと考える、本当は主権者であるはずの国民

 この二つで簡単に作れる。
 もっとも、実際は二つでなく、浅慮浅学で近視眼的なことすら自覚できない政府と国民なのだが。

 そして、結果として中央集権国家となり専制国家となる。
 中央集権となることで、政策論争の多様性が失われ首脳部の独善と暴走が始まり、衰退への道を走り始める。

 一見効率の高い中央集権は、権力の腐敗と国民の無気力さを生み出し、歯車が狂い始め、が生じ、産業の衰退から経済力の低下を招き、国全体の衰退を呼ぶ。

現代日本もすぐに戻れる
戦前の日本の事例

 大日本帝国では、政治を論ずる民は疎まれた。
 支配する日本帝国政府と、支配されようとする帝国国民に疎まれた。
 現在でも、老人たちは政治論争を下品なものとみなす。いや、老人たちだけではない。安寧を求め変化を嫌う者たちから疎まれる。
 善良な市民として、毎日の労働・子育て・家事・仕事に埋もれ、毎日がそのまま続くことだけを求める「善良な」市民たちから疎まれる。

 民主主義を標榜する現代日本でも、専制国家の土壌はすぐに醸成できる
 日常に埋没する「目の前の幸福を求める生活」が、無関心を招き、多様な考えを拒み、中途半端な知識※の政治家と役人が効率だけを考えて支配しようと動き出せば、専制国家への道は開き始める。
 ※政治・経済・歴史・世界情勢 分野は広く、そして深く求められる

 状況から、簡単に核武装への検討を口にする政治家。
 観光や金融だけの即効性の経済回復を推進しようとする近視眼的な政策。
 自分たちは善良な市民であるという幻想に埋没する、ダチョウ*のような市民たち。
 *:ダチョウは地面の穴に首を突っ込み、それで危険が去ったことにする

彼岸の火事ではない
専制国家の台頭を
他山の石とすべきである

bye

ありがとー