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CG0070(CG Oncology&キッセイ薬品)

CG0070…既に一般名もきまっているみたいで、cretostimogene grenadenorepvec…な…ながい…クトスチモジェン・グレナデノレプベックでいいのかな?読みにくいので、この記事ではCG0070で統一します!

今日は、このCG0070を掘っていきます!
FDAからFast TrackおよびBreakthrough Therapyの指定を受けている期待の開発品です!

ちなみに日本ではキッセイがこの薬の日本、韓国、台湾、および中国を除く他のアジア諸国での開発とマーケティングの独占的権利を2020年に獲得しています。

CG0070はBCG治療に反応しない非筋層浸潤性膀胱癌(NMIBC)治療用の腫瘍溶解性免疫療法薬(開発中)です。※Bacillus Calmette-Guerin(BCG)免疫療法は、高リスクの非筋肉浸潤膀胱癌患者のための標準的な治療法です。

要はリスクの高い人に標準治療しても、だめな時の打ち手ですね!

腫瘍溶解性免疫療法としては第一三共のデリタクトが日本でも発売しています!

さぁそれでは掘っていきましょう!


基本概念

CG0070は、膀胱癌細胞をターゲットとする特別なウイルスです。このウイルスは、癌細胞内でのみ活性化し、増殖して癌細胞を破壊します。さらに、体の免疫応答を刺激してがんと戦います。

作用機序の2つの要素

1. 選択的なウイルス増殖
CG0070は、網膜芽細胞腫(Rb)遺伝子経路に欠陥がある腫瘍細胞で活性化します。Rb遺伝子経路は細胞分裂を制御する重要な役割を持っています。

ざっくりいうと、このウイルスには、Rb遺伝子経路が損傷している細胞内でのみウイルスの複製がはじまるように促す特別なスイッチ(E2F-1プロモーター)が組み込まれています。つまり、健康な細胞はこのウイルスによって攻撃されません。

2. 免疫応答の刺激
CG0070はGM-CSF(顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子)という免疫系を活性化する物質を産生します。これにより、体の免疫システムが癌細胞を攻撃するように刺激されます。

何をしているか?というと、このウイルスに感染した癌細胞は、ウイルスによって破壊されると同時に、免疫系が増殖する信号も産生します。
結果、体の免疫細胞が増え、残りのがん細胞を見つけて攻撃するのを助けます。

要は腫瘍特異的なウイルスを使ってがん細胞を攻撃しつつ、免疫細胞を増やすGM-CSFも同時に作ることで更にがん細胞を追い込んでいく作用機序ですね!

もう少し詳しい作用機序


もう少し詳しく作用機序を見ていきます!

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