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【感想?レビュー?】デビルサマナー ソウルハッカーズ 機械の街と僕らの未来

こんにちは、なるぼぼです。

お待たせしました、「デビルサマナー ソウルハッカーズ」をようやくクリアしました。
それ以前にライドウクリアしろよ!とか色々とあると思いますが、なんだかんだこっちを優先しちゃいました。
ただ、ソウルハッカーズも続編を控えているので、多分タイミング的にはベストだったと思います。
今回はそんなソウルハッカーズのお話です。

いつもながらネタバレにご注意ください。
よろしくお願いいたします。

1.3Dダンジョンの進歩

さて、本作の最初の特徴は、おそらくほぼ最新のバージョンに近い形で出た3Dダンジョンのメガテンシリーズである、という点でしょう。
一応「真・女神転生 ストレンジジャーニー」とか、「ペルソナQシリーズ」とかのDS製の3DRPGは出ていますが、PS1では(リメイクを除いて)最後の3Dダンジョンゲームだったと言えます。
これ以降はペルソナ2を皮切りに、新規シリーズ作は3Dダンジョン廃止の傾向に移り変わりました。

VR世界は3Dオンリーになっています

ソウルハッカーズ以降で切り替わったんなら3Dダンジョンなんて遊びにくいんだ!と思われるかもしれませんが、本作はそういった要素は少なかったと思います。
もちろんダンジョンを周回しなければならないなどの不便な点はありますが、前に遊んだ真1に比べれば圧倒的に遊びやすいです。
ダンジョンのミニマップを常時映すことができたり、出てくる悪魔がどのぐらい強いのか判別できたり、従来のメガテンに比べれば十分な出来です。
真2以降の悪魔出現メーターが消えたのはもったいないと思いますが、それ以外はおおむね満足できる出来でした。

天海シャトルなどの移動シーンは印象的ですね

そしてこれらの親切要素を調節できるという要素が、今までメガテンシリーズを遊び慣れてきた猛者たちをさらに満足させてくれます。
ミニマップ表示などの機能は全てインストールされているソフトに集約されており、外すことで表示もなくなります。
そうなると、一気に今までのメガテンらしくなるので、違和感を感じていた人たちも安心。
もちろん難易度は上がりますが、マップを手書きしていた猛者には懐かしささえ覚えるような仕様になるのではないでしょうか。

彼らにもお世話になりました。

こうした細かい気配りがあったり、シンプルにグラフィックがよくなっていたりと、3Dダンジョンの作りは非常に良くなっていると思います。
唯一微妙な点を挙げるとするとフレームレートの不安定性、ぐらいだと思います。
どうしても真1や真2のリメイクに比べると処理がもっさりしているのが弱点です。
むしろ60fpsぐらいの表記で3Dダンジョンを歩けてしまうリメイクの方が問題なのですが…。

2.会話へのこだわり

本作の特徴は会話のこだわりの多さです。
いままでの会話に比べて、確実に進化しています。
何なら歴代最高峰かも…?

まず、本作は会話のパターンが増加しています。
「友好的か高圧的か」から始まり、数回で終わっていた真1の会話とは明らかに違い、かなり細かく会話内容が組み立てらています。
あと明らかにプログラムで仕組まれたかのような会話をしないのが特徴ですね。
同じ選択肢でも悪魔によっては突っぱねてくる場合もありますし、つんけんな態度を敢えてとることで惚れてついてくる悪魔もいます。
シンプルな会話じゃなくなったことで、交渉も命がけになりました。
自分の死と仲魔の獲得をかけて博打している感覚が、何とも言えずツボになります。

冷静な天使族はかなり扱いが難しかったです

さらに交渉の貢ぎ物も極端なレベルで難化。
何度も繰り返し、というような女神転生シリーズとは若干違い、ソウルハッカーズは少ない交渉で済みます。
ところが、その額を自分で設定することになります。
つまり、悪魔の好みや認めてくれる金やマグネタイトの相場など、今まで気にしなかった金銭の度合いを考えなければならなくなります。
これがかなり絶妙で、安値で諦めて帰ってくれることもあれば襲ってくることもあります。
運が良ければ再度交渉した際に会話をすっ飛ばして金出すところから始まることもあります。
このランダム性があることで「どうなるんだ…?」という緊張感がグッと増しています。
今のメガテンシリーズでもない緊張感で僕はかなり好きです。
適当に貢いで適当に逃げられるとかではない分、直球勝負なのでいいですね。

悪魔の中には情報を売って帰っていく奴もいます。情報は良いから仲魔になってくれ…

こうした悪魔会話の進歩によって、常に張り詰めた緊張感が出るとともに、悪魔との会話を楽しむこともできました。
女神転生より会話がしっかりしているので、正直歴代でも一番の出来だと思っています。
時点で真4とかかな…。

3.理想を目指す合体

本作は、おそらく特殊合体が実装される前の最後のメガテンシリーズです。
そういった意味で、合体の奥深さを直接味わえるかなりいいゲームだと思います。

まず、特殊合体がないことで強力な悪魔のレシピを自分で調べる必要があります。
適当に混ぜていれば強力な悪魔ができる、というのはまずありえません。
悪魔がどの種族なのか、何と混ぜるといい悪魔になるのか、考えていかなければなりません。
本作では魔神や地母神などの高位の悪魔は3神合体でしか作れないので、3神合体による合体法則の把握が必須です。
もちろんシヴァなどの例外はいるものの、ほとんどは3神合体での構築になります。

中盤に作りやすい女神。ここから魔神に繋げていくのもアリ、回復役にするのもアリです。

さて、さらに重要なのが「悪魔の属性値」です。
本作では悪魔ごとにLAW-NEUTRAL-CHAOSとLIGHT-NEUTRAL-DARKの属性値が存在しています。
そして、この属性値によって入れられない悪魔が出てきたりします。
例えばLight-LAWの悪魔はLAWに振り切った値(Ex-LAW)となり、パーティに入れるとCHAOS悪魔が入れられなくなります。
こうした制限があることで、自分の理想のパーティにも制限がかかるようになります。
また、LAWやCHAOSに振り切った悪魔は大抵かなり強いです。
そのため、基本は「属性値が高い悪魔を起点として、サブメンバーをNEUTRAL悪魔を使って調整する」という構成になります。
僕はそうしてました。

このパーティの場合、スラオシャとサトゥルヌスを抜かないとCHAOS悪魔は入れられません

さらに重要なのが「造魔」。
こいつは合体した悪魔の呪文を受け継ぎ続けるという悪魔です。
シンプルに見ればスキル受け用の悪魔です。
しかしこいつには秘密が隠されています。
月齢を調整し特定の悪魔と合体させることで「英雄」「猛将」を召喚させることができます。
あのヨシツネさんもここで出てきます。
とんでもないぐらいに強く、役割もしっかりこなしてくれる超優秀枠なので愛用していました。
英雄ジャンヌ・ダルクは回復薬、猛将ヨシツネは前衛アタッカー。
お手軽に超強力な悪魔になってくれたので、間違いなく使い勝手は良いと思います。
あと特殊合体の「威霊合体」「狂神合体」の悪魔も使いやすくていいです。
こうした悪魔は情報が少なく、特殊合体などで表示されることもないので、秘密を見つけたみたいでワクワクしながらやっていました。

こいつは前でも後でも活躍できるアタッカーです。補助魔法も受け継げば万能な奴に。

悪魔全書がPS1版時点でなかったりなど不便な点は多少あるものの、悪魔合体を模索する楽しさでどうでもよくなっていました。
悪魔合体を楽しむならこの作品はかなり良いです。
特にメガテンやペルソナで出てきた悪魔がかなり少ない(多分真4Fとかしか出てないような奴が普通にいる)ので、目新しい悪魔を見つけるという意味でも新鮮だと思います。

4.配置を考え、適材適所で戦え

さて、次は本作の戦闘と育成システムです。

まずは育成システムから。
本作は悪魔に「性格」「忠誠度」が割り振られています。
このうちの忠誠度がかなり重要で、これを満たさないと命令を聞かずに勝手に行動します。
基本的に性格に基づいた好みの行動を選択してあげれば、仲魔も段々と命令に従っていくようになります。
いやらしいのが回復魔法を多く覚えているのに性格がアタックを好む場合。
戦闘を繰り返し、アタックを何度かさせる必要があります。

相手によっては自分と同じ悪魔を召喚するので、育成が雑だと負けます

一見すれば面倒に見えるこのシステム、実は結構好みです。
なぜかというと、否が応でも悪魔を使役する機会が存在するからです。
命令に従わず自分で動いちゃう、これも悪魔の愛嬌なのではないでしょうか。
自分で好きな動きをさせてあげるうちに、段々と信頼関係が生まれて悪魔も命令に従ってくれるんです。
「アンタの頼みじゃしょうがねぇな!」といってタルカジャをかけてくれる悪魔には、常に感謝しています。
皆トモダチ。

おじいちゃんも言うこと聞いてくれな!

そしてこれが戦闘にも生きてきます。
本作は前衛後衛のシステムが残る3Dダンジョンバトルの方式が採用されています。
真2や真ifと同じタイプですね。
前衛では受けるダメージが多いものの全部の攻撃ができます。
後衛では剣や通常攻撃が当たらないものの、受けるダメージが多少減ります。
さて、ここで性格的にアタックを好む悪魔が補助魔法しか覚えておらず、後衛に配置したいとなりました。
しかし性格が原因で、後衛でも勝手にアタックをしてしまいます。
どうすればいいのでしょうか。

そうです、ここで育成が生きるんですね。
こうした育成と戦闘が陸続きになっているシステムは、多少面倒ではあるものの、悪魔への愛着が湧きやすくデビルサマナーらしい要素になっていると思います。

5.サイバーな世界観と、人に立ったストーリー

さて、最後にストーリーと世界観のお話。

世界観は、VRが人々に広く普及し「パラダイムX」という電子空間にて余暇生活を過ごす(商業施設もある)ことが、少しずつ形になろうとしている時代。
ハイテク機器が各地に広まる中で、ハッカー集団に属しているのが主人公とヒロイン、という形です。
この世界観、ビックリするぐらいに現代社会に近いんですよね。
ハッカー集団がトレーラーハウスを拠点にしているのはともかく、アルゴンビルや地方都市におけるハイテク機器モデル事業、VRの導入など、なんとなく2020年代にあってもおかしくないような世界観が形作られています。

VRのとある場所で、悪魔と対峙することにもなります

この世界観の何が凄いかって、妙に現実感があることなんです。
ハイテクかつサイバーな世界観を作ろう!ってなったときに、どんな世界ができるか。
簡単に想像してしまえば、近未来の白いビル群みたいなものが出てくるのではないでしょうか。
しかし、本作はそういう感じになっているわけではなく、どこか現代社会の面影が残っているような、不思議な雰囲気があります。
もちろんマンションはありますが、1990年代当時のものにそっくりですし、普通に大型スーパーとか複合商業施設とかありますし、パソコンも大型で分厚いタイプが普通に出てきます。
そうした妙に現代社会に近しい要素が散りばめられていることで、今までの近未来のイメージとはちょっと違う世界が形成されています。
このネオンでもない、白い世界でもない、どこか渋みのある世界観が僕は好きです。

GUMPもちょっと渋めのデザインしてますよね

さて、ストーリーの方に。
ストーリーのコンセプトは、ハイテク化するネットと超驚異的な自然との対比にあると思っています。
レッドマンの思想、マニトゥの過去、その自然を破壊するように作られたアルゴン本社とアザゼルの暴走。
こうした対比構造の中で、プレイヤーは様々なキャラに翻弄されながらも真実に迫っていきます。
あえて前作とは違うサイバーな世界観を形作ったうえで、自然的なレッドマンやマニトゥの存在と対比させたことは、コンセプトとして面白いなと思いました。

レッドマンは、時々不可思議な言葉を主人公に投げかけます

そのコンセプトを追求するかのように存在しているのが「ビジョンクエスト」です。
これは死んだ敵キャラの過去を追うことで、実際の世界のヒントを得るだけでなく、そのキャラが死ぬ間際に何を思い悩んでいたのかという心情に触れることができます。
敵キャラを敢えて強調するという手法で印象付けられるというだけでなく、死を体験するという超自然でしかなしえない技を活かすことで、サイバーな世界に対比させようとしていたのは良いと思います。

ユダのビジョンクエストにはレイ・レイホゥとの戦闘があります

あとナオミのインパクトが半端じゃないです。
シュウ、アンリ・マンユ(真if終盤のレベル上げのあの人)、不動明王、ヘカーテとメガテンの重鎮を従え技を使い、挙句の果てにはソーマ神顕現で全回復するというガチチート。
そりゃインパクトに残ります。
そのうえで、迷いを残しながらも死の間際まで戦い続けていたというキャラクター性も見事です。
そういった部分で、ビジョンクエストは成功していると思います。

アンタ強すぎるのよ

ただ、若干急展開が多かったと思います。
終盤の勢いが凄い分、序盤~中盤がふんわりしていたような気がします。
スプーキーズがかなり空気、かつファントムソサイエティも何がしたいのかさっぱりわからなくて、結局終盤の最後に一気に話が進むような気がしました。
中盤のトレーラー爆破以降は話の進み方が良かったと思いますが、それ以前はふにゃっとしていたような気がするので、もう少し張りつめていても良かったような気はします。
まぁ世界観の表れと言えばそれまでなのですが…。

キャロルJあたりは割とふわふわしていたような。

妙な現実味を持った世界観、その中での激動のストーリー。
大味な部分がありながらも、しっかりとまとまっていたと思います。

6.クリアしたうえでの、ソウルハッカーズ2への期待

さて、最後に本作をクリアしたうえでの、ソウルハッカーズ2に対する思いをぶっちゃけようと思います。

僕は今の時点では不安です。
別に世界観がサイバーパンク過ぎるとか、主人公が喋りまくるとか、その辺はもうしょうがないと思います。
初代ソウルハッカーズが現実味を持った世界に見えるのは、「ソウルハッカーズの世界観が今に馴染んできた」からであり、当時の発売状況で見れば今のソウルハッカーズ2の反応と大差なかったのかもしれません。
ファントムソサイエティやヤタガラスの皆さんが仲間になるというのは何ともトンチキな話ですが、かといって話がもつれこむような雰囲気はないと思います。

僕が一番危惧しているのは、ソウルハッカーズが持っていた「仲魔を育成して戦闘する」という部分が、バッサリ削除されているのではないかという点です。
多少面倒であるとはいえ、何度か戦闘を繰り返し忠誠度を高めた悪魔は、主人公の命令を聞くようになり愛着が湧きます。
一方で、本作はペルソナ2に近い降魔の形式です。
レイ・レイホゥがやっていたといえば確かにそうですが、みんながみんな降魔してしまうと、それまで悪魔に持っていた愛着そのものがなくなるような気がしてならないのです。
それに加えて、本作はペルソナシリーズのようにイラストが出るわけでもなく、普通にキャラが攻撃しているモーションになっています。
そこまで来ると悪魔はただの装備品です。
降魔といってもイラストも見えないようじゃ愛着が湧きにくくなるのではないか、と思います。

正味こじつけに聞こえるかもしれませんが、ここまで悪魔を装備品扱いしているとなると、ちょっと微妙じゃない?というのが本心です。
あくまで様子見しておいて、評価が良ければ考えようかな…ぐらいには消極的な考えでいます。

7.終わりに

いかがでしたでしょうか。

3Dダンジョンのメガテンシリーズはかなり久しぶりにやりましたが、真1よりもかなり遊びやすくなっていて楽しかったです。
特に育成が楽しかったです。
3DS版だと悪魔全書がある分、僕がやったPS1版より理想悪魔の追求ができるんでしょうね。
買っておこうかな。

さて、次回の更新は未定です。
Blasphemousは大抵喋っちゃった感もあるし、鬱ゲーのストックに手を付けるか、苦戦している女神異聞録ペルソナに果敢にチャレンジするか、それとも…?ぐらいの気分でいます。
また何かしら思いついたら更新します。よろしくね。

それではこの辺で。
さよ~なら~。

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