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なるぼぼの私的Game of the Year 2023 Edition

こんにちは、なるぼぼです。

さて、あれよあれよという間に年の瀬が来てしまいました。
今年は秋が暖かったこともあって、時間間隔が狂ってしまって嫌ですね。
自分の生活が一変したことも相まって、余計感覚が狂っています。

そんな年末、毎年恒例の私的GOTYのお時間がやってきました。
僕の私的GOTYは一般的な「今年のタイトル」ではなく、「今年やった中でのタイトル」なので、「このゲーム古すぎなのに何で入ってる!?」というご指摘はNGでお願いします。
部門は本家GOTYから抜粋して「ベストゲームディレクション」「ベストストーリー」「ベストマルチプレイヤー」「ベストオーディオ」「ゲームオブザイヤー」「ベストインディーゲーム」をそれぞれ出します。
さらに、独自の要素として「ゲームオブカルト(最高のカルトゲーム)」「ベストメガテン(メガテンシリーズから一本)」「ゲームオブザイヤー次点」を設けます。
ゲームオブザイヤーと次点を除いた各賞は、被らないように選出します。

さて、レギュ説明はこのぐらいにして、今年もやっていきますか。
よろしくお願いします。


1.ベストゲームディレクション

ゲームシステムやデザインの上で評価される「ベストゲームディレクション」。
今年は特殊なゲームが多かったこともあって色々と悩みましたが、僕の中では「ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島」だったと思います。

…今更というのももっともですし、そもそも今年はドラクエスピンオフが日本も出ている年なのに、その2作品を両方外している時点で中々な選択なのですが、個人的にはこれがトップだったんです。
何が凄かったのかって、クラフトの発想力がないプレイヤーへの完璧なサポートが出来ていたところです。
とにかくこのゲームは優しかったんです。
サンドボックスゲームというアイデアゲームの中で、プレイヤーに寄り添うような優しさが染みました。

「マインクラフト」に代表されるサンドボックスゲームは、自分の想像力、建築センスが問われるようになっており、建築を純粋に楽しもうとすると、自分の発想力やアイデア、そしてそれを形にするだけの図面への落とし込み、さらには実現するための時間と体力が必要になります。
特に発想力を実現するための知識とテクニック、イメージの具体的な構想が大事になってきていて、たとえアイデアが良かったとしても、実際に作ったものがイメージと乖離していて、「こんなはずじゃなかった」と思う現象は多々発生します。

しかし、このゲームは設計図をゲームが用意してくれるので、ある程度イメージ像を固定化したうえで、立派な建築を建てることができます。
しかも、仲間(NPC)が協力して建設を行ってくれるため、気軽に大規模建設が行え、凄い空間を作り上げることができます。
自分で作るのが苦手で、建築もそこまでできないけど、何か物を作るのに興味がある、というユーザー、そしてRPG系統がメインで建築関係のイメージ感がつかみにくいドラクエユーザーなどにはぶっ刺さる内容になっていました。

マイクラが苦手な人ほどおススメできる、無類の傑作だと思います。
中毒性が高すぎて、一時期論文が手につかなくなってヤバかったです。

2.ベストストーリー

話の完成度が重視されるベストストーリー。
色々悩みましたが、個人的には現在進行形で進んでいる「WHITE ALBUM2」だと思っています。

説明不要レベルの作品ですが、あまりにも衝撃的すぎて…。
当時のエロゲ―業界でも異例となる三角関係を扱ったわけですが、何がヤバいかって「誰にでも共感出来てしまう、プレイヤーの行き場のない感情」を与えてくるところだと思うんです。
普通の三角関係なら、「あなた悪女やね」とか、「主人公ヤバすぎだろ」とかあるのに、本作は誰かが悪いと言い切れないような行動が頻発します。
そのため、三角関係あるあるの罪の意識とかではなく、やり場のないどうしようもない感情を、作中の人間もプレイヤーも感じてしまうんです。
胃痛が収まらんとかよく聞いてたんですけど、マジでこっちも辛いです。
雪とWHITE ALBUMで発狂しそうになります。

あと、エロシーンを巧みに扱って、キャラクターの感情表現をしているのがマジで凄いです。
題材が題材だけあって、行為のシーンまで浮気を想起させてしまうような言葉回しがされていたり、行為の前後に確実に精神が蝕まれるというえげつない手法がとられています。
抜けんくなるって。勘弁して。
とはいえ、そこでリアルにプレイヤーに関係性を印象付けることができるので、使い方が見事だと思いました。
ホントに18禁版でやった方が良いです。メンタルやられるよ。

まだCC(大学編)の途中であり、おそらくこれ以降は精神的にヤバくなりそうなのでそこまで一気にプレイせず、牛歩進行にしていく予定です。
とはいえ、このゲームはクリアしないと意味がないというのは前々から聞いているので、根気よく頑張ろうと思います。
ちなみにベストオブカルトにしようか死ぬほど悩みました。
鬱ゲー度でいえばトップクラスだったので…。

3.ベストマルチプレイヤー

続いてベストマルチプレイヤー。
今年はお待たせしました、「スプラトゥーン3」です。

やっぱり長く続けられるカジュアル性がほんとに良い。
去年からやり続けているタイトルですが、気楽にワンプレイできるのがいいですね。
僕はドライブワイパーデコに切り替えて前線+ビーコン役で遊んでいますが、割と期間が空いてもやられまくるわけでもないので、楽しく遊べています。
マルミサ立ち回りが基本になりつつありますが、シューターも一時期より弱体化したとはいえ戦力にはなりますし、スピナーも好みなので扱っています。
スタイルに合わせて遊べるので、その日の気分で色々立ち回りを変えられるのも良いです。

また、フェスと3か月に一回ある更新でゲームに再注目できる点が良い。
定期的にゲームに戻ってくる理由付けができますし、ゲーム自体も遊びやすくなっている関係上、やりたいときにやれるのが大きいんですよね。
他のタイトルってどうしても時間がかかるタイトルが多いので…。
今年は「TFT」なんかも積極的に遊んでいましたが、やっぱりワンプレイ30分がネックになっていたので、スプラの遊びやすさは身に染みました。
仕事帰りにワンプレイして寝る、みたいなことも手軽にできるので、社会人になってからよりありがたい存在になっていたと思います。

4.ベストオーディオ

お次はベストオーディオ。
音楽がサイコーなゲームです。

個人的に今年もBGM豊作の年でしたが、「Bomb Rush Cyberfunk」がトップだったと思います。
2月に聞いた「GET ENUF」の時点でもう最高!となっていましたが、それ以上に本編もサイコーでした。

まず、トレイラーの「GET ENUF」や「JACK DA FUNK」など、長沼氏の音楽がサイコーにハマっていて気持ちよかった。
最初のシマ取り合いでのバトルBGMで「GET ENUF」が流れるのですが、やっぱり盛り上がりますね。
このノリノリ感、独特の世界観とファンクなBGMが混ざり合う感覚は、元ネタ(?)でもあるJSRシリーズからの雰囲気が継承されていて本当に気持ちいいです。

それだけだったら別に…とは思っていたのですが、もっと良かったのがその他の曲の方向性。
長沼氏よりのファンクに集中させるのではなく、様々なジャンルのトラックを盛り込ませることによって、プレイヤーの耳を満足させてくれます。
特に良かったのが「Condensed milk」
まさか日本語歌詞の曲が流れてくるとは思わなかった。
しかも超オシャレだし、今風すぎるし、最初聴いたときは素でビビりました。
そういったJSRらしさから外れた曲がいくつも収録されているので、また違った感覚で音楽を楽しめる点がより良いですね。
今年のゲーム音楽として、サントラ購入必須の神ゲーだと思います。

5.ゲームオブカルト

さて、カルトゲームの頂点となるゲームオブカルト。
これが一番悩みました。
地味にカルト寄りのゲーム結構やってるんです。
「リンダキューブアゲイン」とか、「Tokyo Insect Zoo」とか、「パラノマサイト」とか、「プラネットライカ」とか、それこそ「Milkシリーズ」とか。
色々あってかなり迷ったんですが、今年は「黒ノ十三」にしようと思います。

黒ノ十三は値段的にもカルトゲームらしい金額をしているのですが、何よりカルトらしかったのが「癖ある話の中に光るとてつもない面白さの話」です。
普通のサウンドノベルって一定の面白さを保っているものなんですが、黒ノ十三はかなりいびつで、しりすぼみの微妙な話が半分ぐらいあるし、わけわからんギャグ系の話もあるんです。
でも、その中にぽつんととてつもなく面白い話が転がっている。
その異質感に引き寄せられて、いつの間にかクリアしていました。
そんなわけのわからなさが、このゲームがカルトになる所以だと思います。

カルトらしさの頂点は「羽音」のグロさにあると思うのですが、個人的に評価したかったのは救われないけど切なさもある「雨に泣いている」です。
この話、ホントにぶっ刺さったんですよね。
音楽の静けさも最高なんですが、それ以上に突き刺さる切ない話が本当に良かった。
「女嫌い」の驚きや「闇に舞う雪は」の切なさもいいんですが、やっぱり「雨に泣いている」が一番印象に残っているんです。
その独特さもさることながら、光る一作を見つける面白さも、本作をベストオブカルトたらしめていると思います。

6.ベストインディーゲーム

さて、続いてベストインディーゲーム。
今年はインディゲームにかなり寄っていたので悩ましい所ですが、個人的には「The Cosmic Wheel Sisterhood」が良かったなと思います。

本作を高く評価する理由はたった一つで、「明確な選挙システムが存在する、そしてプレイヤーが参加し選び取ることができる」というアライメント要素です。
僕はメガテンオタクとしてアライメント要素があるとすぐに贔屓してしまうのですが、例にもれずこの作品もアライメント要素がぶっ刺さっています。
しかもこれがかなり政治的で、プレイヤーが参加する方法も自分の意思を盛り込んで選挙に殴り込みができるという点で独創的です。
競争相手の親友たちと戦いながらも、自身の意思を考えるという空間があったことが最高でした。

ただ、それよりも本作の主題となるのは「運命」です。
運命があらかじめ選択できてしまうとき、人はどのような思いをするのだろうか?
そして、その事実を知った時、プレイヤーであるあなたはどのような選択をするのだろうか?
詳しいネタバレはできませんが、本作はプレイヤーの向き合い方や遊び方によって印象が激変するゲームでもあるので、ぜひ遊んでみて欲しいです。
自分は凄く良い終わり方をしましたし、その意味で人に絶賛できるゲームだと思っています。

7.ベストメガテン

さて、続いてベストメガテン。
…と言いたいところなのですが、実は今年メガテンクリアしてません!
新たにやったタイトルは「デビルサバイバー1」ぐらいなのですが、見事に積んでおります!

…だからといって何も出さないわけにもいかず。
ということで、メガテンライクではありますが、「Touhou Artificial Dream in Arcadia」をベストメガテンにランクイン。
メガテンライクですが、あまりにもメガテンが好きなことがわかる、愛に溢れた作品です。

本作は東方Projectの二次創作でありながら、3DダンジョンRPGを採用した珍しい作品です。
敵キャラは仲間にすることができ、敵キャラ同士を混ぜ合わせて合体するとより強いキャラになるという、どこかのなんとか転生とかいうゲームで見たようなシステムがてんこ盛りになっています。
そのなんとか転生への愛が強すぎるのが、本作最大の特徴と言えるでしょう。

何が凄いかって、3Dダンジョンの嫌がらせみたいな罠もちゃんと再現しているところなんですよ。
愛に溢れてないとあんないじわるできないと思うんです。
逆に合体周りは真3や真5に近い親切仕様になっているうえ、主人公は魔法撃てるようになっています。
3Dダンジョンや前衛と後衛の振り分け、戦闘画面などは旧メガテンを遊んでいたプレイヤーが入りやすく、そのくせ微妙だった合体周りのシステムは真3など新作に合わせた仕様になっているので、滅茶苦茶遊びやすいです。
メガテンのシステムが好きな方に、是非お勧めしたい一本です。

8.ゲームオブザイヤー次点

さて、いよいよ大詰めが近づいてきました。
ゲームオブザイヤー次点、惜しくもゲームオブザイヤーにならなかったゲームです。

これ、今年は「ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム」なんです。
記事で散々言ってはいたんですが、なんだかんだ怪物級に面白いゲームであることは間違いなかったと思います。

オープンワールドとしては無難に面白くできていますが、個人的にかなり良かったと思っているのがゾナウギアの導入
ゼルダらしさの謎解きを拭いきれなった前作とは違い、ティアキンはゾナウギアを導入することで「クラフトする面白さ」を新たに導入し、ギミックによる謎解き攻略をメインとした遊びから、ギアを活かして様々な遊び方を模索するゲーム性へと変化しました。
このゾナウギアがゲームの根幹を覆すほどのシステムで、オープンワールドとして革命的だったと思っています。
空を飛び回ることができるほどの移動技術をゾナウギア一個で出来てしまうので、自由な大冒険のお供には最高のシステムです。

それでいて、広がった世界もゾナウギアと合わせればやりたい放題できる点が、最高に楽しかった。
特にゾナウギアのバッテリー集めで行く地下世界は、最初は「暗いし敵強いしメリット少ないな…」と思っていたのですが、ゾナニウム集めをする中で探索をしていくとどんどん楽しくなってきて、気づいたらマップ埋めをしていました。
本作は、冒険する楽しさを純粋に追い求める作品として、完成されたオープンワールドの一つの形を極めていたと思います。

9.ゲームオブザイヤー

お待たせしました、ゲームオブザイヤー。
今年一番のゲームです。

今年の私的GOTYは、「パラノマサイト File23 本所七不思議」です。
3月に惹かれてから、このゲームが一番だと信じて疑わないほどに、衝撃的で素晴らしいゲームでした。
間違いない、今年のトップゲームです。

このゲームが最もヤバいと思うところは、昔のアドベンチャー文化を盛り込みながら今風のシステムと組み合わせることで、現代でも通用するテキストアドベンチャーに仕立て上げたところです。
インディーが席巻しがちなアドベンチャージャンル、しかも衰退傾向にある推理アドベンチャーで、90年代という時代背景や昔を思わせるTIPSやオムニバス要素を導入しながら、現代チックなメタシステムを導入するという大胆な二足の草鞋は、アドベンチャーファンの自分にぶっ刺さりました。
どっちも好きなんですから、そりゃトップにもなります。
特に90年代の世界観でのアドベンチャーは今はもう出ないレベルだと思っていたので、現代に蘇ったことに感動しました。
本当にありがとう。

このゲーム、アドベンチャーをあまりやらない層にも確実にウケているところを見ると、めちゃくちゃ底力があるんだなと感じます。
自分は90年代らしさに溢れる雰囲気が好きだったのですが、それをプラスと認識しなさそうな人たちにも評価されているところを見ると、パラノマサイトって本当にすごいんだなと思います。
何より、これを機にアドベンチャーに復興の兆しが見えて、過去のアドベンチャーが脚光を浴びるチャンスになるかもしれないと思うと、本当にワクワクが止まりません。
自分が好きでレトロゲームまで追っているジャンルが脚光を浴びるなんて、これほど嬉しいこともないですから。

騙されたと思って一度遊んでみてください。
2000円もしないゲームですが、ボリュームや内容含めて恐ろしいほどの作り込みです。
是非。

10.終わりに

いかがでしたでしょうか。

今年は環境の変化もあって、やるゲームのジャンルがかなり切り替わった年でした。
PS5の購入で新たなゲームへの境地が見えたり、逆にPCの性能が追い付かなくなってきたこともあってインディージャンル中心にゲームを見るようになったり…。
環境が変わったことでゲームをする時間が以前よりも減ってしまったのですが、それだけ濃いゲーム体験をしようと思えるようになってきているので、自分の中でも変化があるのかもしれません。

ゲームの発見は、ビックリするぐらいの名作に突然出会う機会が多くて、ホクホクな一年だったと思います。
「パラノマサイト」が一番の衝撃でしたが、「メモリーガール」を見つけたり、「プラネットライカ」を発見したり、色々なゲームに触れられてよかったと思います。
今年はかなりアドベンチャーに寄ったゲームセレクトだったので、来年は別の軸を採用してもいいかもしれませんね(現時点で進行しているのがWHITE ALBUM2なので説得力も何もありませんが…)。

Noteの方は、大躍進の一年でした。
ライターさんのコミュニティと関わる機会をいただいただけでなく、自分の記事も少しずつ認知していただいて、本当にありがたい限りです。
ちゃんと書いた記事がしっかり読まれているのを見ると本当に嬉しいです。
感想も度々Xでいただけているので、「書いてよかったな」とひしひしと感じています。本当にありがとうございます。
来年も、自分の思ったことをちゃんとアウトプットして記事にできるよう頑張っていきますので、コンゴトモヨロシク…。

それではこの辺で。
多分これで今年最後の記事です。
また来年お会いしましょう。良いお年を~。



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