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SEEとWATCHの違いってなに!!!??!??

こんにちは。HIKAKINになったら悪質なりすましと思われてTwitter社から永久凍結をくらった

美川憲一です。

今回は、英語のsee と watchの使い分けを解説していきたいとおもいます。というのも、昨日塾の生徒に

「映画は注意して見るものなのに、なんでseeなの?」

という、かなり英語の核心を突かれた質問をされたからです。その場はなんとか「映画はぼんやりと見るからseeなんじゃね~」という解説をして乗り切りましたが、絶対違うと思い、改めてsee watchの区別を調べるに至りました。

 まずは、ざっと両者の違いについて、ググって調べてきました。

結果
seeは「視覚から得られる気付き」
watchは「動いてるものを注意して見ること」

だそうです。歩いてたらスターバックスがふとめにはいったときは「I saw the Starbucks(スペル不安).」 車窓からぼんやり眺める風景も「see」ですね。

対してwatchは、動いてるものを注意して見ることなので、駅の電光掲示板に流れる文字を読み、時刻を読み取るときや、空を飛ぶヘリコプターを目で追うときには「watch」を使います。

しかし、ここで問題が一つ

see the movie

watch the movie

の区別がわからん!!ということです。映画はもちろん、映像を目で追うわけですから、「watch」しか使えなさそうですが、昨日塾の子とやったテキストには「see the movie」が出てきました。

これは一筋縄ではいかんぞ。

ということで、更に詳しくsee watchの区別について、権威あるOxfordの現代英語辞典である「Oxford Advanced Learner`s Dictionary(以下OALD)」にある定義を「watch」して、詳しく調べていくことにしました。また、もとの意味をしっかり理解することの重要性も、結論部分で述べていきます。

(1)OALDによるsee, watchの定義

see → to become aware of sth / sb by using your eyes
watch → to look at sb / sth for a time, paying attention to what happens

OALDの定義は、以上のようになります。

seeは、
「視覚(eyes)から気付き(awareness)を得る」
watchは、
「出来事(happening )に注意して視線をそこに向ける(look)」

と、それぞれ使い分けがなされています。以下、例文

She looked for him but couldn`t see him in the crowd.
彼女は彼を探したが、人混みの中に紛れていたため、彼を見つけることはできなかった。

これは、彼をwatchしている状況ではないですね。そもそも「見る」対象の彼は人混みの中にいて見られないので。この文では「人混みの中に彼の存在を発見(aware)する」という意味でseeが使用されています。

Did you see what happened ?
何が起きたか分かる?

「分かる?」と聞いてるように、これは視覚情報だけでなく、そこで起きた「出来事」に「気付く」ということまで含めてseeが使われています。

In the evening we went to see a movie.
わたしたちは夜に映画を観に行った。

さあ、ここがややこしいところです。seeは、上記の通り「気付き」に関するニュアンスがあります。そのため、「映画を観に行く行為全体」や、「なんでもいいけどとりあえず映画を観に行く」という、軽いニュアンスが出てるように思います。

ガッツリ 「この作品を余すところなく観に行く」場合だったり、「スターウォーズを観に行く」ときには、その場合は注視して映画を観に行くことになるため、watchが使われるのではないでしょうか。

それに、「a movie」であることに注意。a movieは、抽象的なものを指している、ということになります。

We are going to watch the movie, Star Wars.
「スターウォーズ」という映画をみんなで観に行くつもりだよ。
We have been watching the movie.
みんなでずっとこの映画を観ている。

watchの場合、「映画を観にいく」という行為へのコミットメントが大きいように思えます。逆に、seeなら「映画を観にいく」以外の、彼女とのデートや友人とのつるみなどを重視してるので、「映画を観に行く」という行為へのコミットメントは低い。以上より

see, とwatch, の違いは、「見るという行為」へのコミットメントの度合いで区別できる

のではないでしょうか。また、

seeが「視覚から得られる気付き」、watchが「視覚そのもの」をそれぞれ重視している

といえそうです。

一応watchにも「注意を向ける」という意味が存在しています。ですが、watchの注意の向ける方向は常に「視覚そのもの」です。

watcherが「監視者」「見張り」だったり、「バッグを見張ってて」という例文でwatchが使われていたりなど。とにかく「視覚そのもの」を重視する傾向があります。

Could you watch my bags for me while I buy a ... ?

バッグという貴重品の宝庫は、watchしてないと大変ですね。
seeしていたら、盗まれます。

塔の見張りも、watchしてないと大変。
seeしていたら、敵の存在に気づかないかもしれません。

結論

「see」は、「視覚から得られる気付き」
「watch」は、「視覚そのものから得られる情報」
にそれぞれフォーカスしている。

といえるでしょう。

また、今回の調査から分かったこととしては

似た意味の複数の語がある場合、それなりの理由があって使い分けが存在している。単に暗記するだけではそうした使い分けが見えてこない。一番いいのは、とにかく「原義(もともとの意味)」を自分で調べてみることが

ということです。この法則はモロ「英語の前置詞」に当てはまります。 to, from, in, toward etc....

「前置詞がわからない」という人ほど、「前置詞の辞書の意味」をしっかり理解していないことが多いです。例えば、onを「上に」と理解してるだけだと「on the ceiling(天井に)」「on the wall(壁に)」という表現がでてきたときに「上じゃないじゃん!!」と突っ込んでしまいます。onのもともとの意味は「接触」で、そこから「上に接触」→「上に」というぐあいに意味が具体化してくるのです。

迷ったら、とにかく元の意味を調べる。

これは、英語に限らず、普段使う日本語にも、他の外国語にも当てはまる鉄則だと思います。この記事を参考に、ぜひ普段の言語活動を見直すクセをつけていただければ幸いです。

美川

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