汗をかきやすい体質はもうイヤ

暑い。むしむしという言葉が目に見えるほどだ。

日が昇り、太陽が地面を照らすと地面は温められる。すると地面を濡らしていた水分は太陽の熱で蒸発し、短時間で空気中へ拡散する。ところが濡れた地面が陰になっていたり雲が厚かったりすると太陽によって直接温められることがない。

太陽によって直接温められないので蒸発しにくくなる。それでも太陽の熱で気温は上がっていくので地面の水分もゆっくりと蒸発し始める。気温の上昇によって蒸発した水分は徐々に空気中へと拡散する。

太陽が照りつけるような気候の場合は温度の上昇が急激なので風が吹きやすく、気温が高くてもカラッとした天気になりやすい。だが太陽が雲に隠れたりすることで風なども吹かず地面の上の水分と空気中の水分は平衡状態を保ちながら気温が上昇すると霧ができるようになる。

これは平衡状態を保ちながら気温が上昇することで飽和蒸気圧が上昇するためだろう。飽和蒸気圧とは体積と温度を一定にした時に容器内にある液体と気体が平衡状態になった時の圧力である。

この飽和蒸気圧が高くなるということはより多くの水分が空気中へと拡散することができるということだ。小学生でも習うボイルシャルルの法則(もっと言えばゲイリュサックの法則)によって説明できる。

空気中に多くの水分が拡散できるような状態になるのだ。それでいて空気の体積が一定になるような条件が揃ってしまう。例えば風がなかったりなどで空気の移動がない状況がそうだ。広い範囲で気温や湿度などの条件が同じであれば箱の中に閉じ込められたのと同じで体積変化はほとんどない。気温が上がっても水分を多く含んだ空気はその場に留まってしまう。

大学の敷地の中でもぼくがよく使う建物の周りはまさに体積変化が期待できないような条件になっている。背の高い植物が多く並んでいるので、陰が多く太陽が照らす地面の面積は小さい。建物の周りも空気の通りが悪いので風などもあまりない。空気中には多くの水分が漂う。

すると建物の周りだけ霧ができたようになるのだ。周りは白くもやっとしていて写真にフィルターで加工したようになる。もちろん視界が全くないほどではないが、空気中の水分がむしむしと鳴いているような光景だ。湿度が目に見える。

ぼくは汗っかきなので湿度が高い日は最悪だ。汗をかく上に汗が蒸発しないので一日中ベトベトしている。自分が融けているみたいで気持ちが悪い。しかも出てきている液体は自分の体液であり何かしらの毒素が含まれているに違いない。鹿くらいの動物なら一滴で倒れてしまうだろう。

本物の汗っかきの汗の量は例えようがない。少しでも気温が上がるとプールに入ってきたのかと疑われるほど汗がぽたぽた垂れてしまう。脇や胸からは汗が垂れてお腹のあたりに触れるのがわかる。靴下が湿るほどつま先に汗をかく。手のひらは星を掴んだかのように汗でキラキラと輝いてしまう。

汗っかきはとにかく暑さに弱い。暑いのが苦手とはまた違う。汗をかくのが嫌なのだ。

汗をかきたくない理由なんかたくさんある。でも一番の理由は人の目だ。周りの人は涼しい顔をしてサラサラしているのに一人だけ滴るように汗をかいているとなぜか怪しいやつに見えてしまう。

緊張しているわけでもないのに緊張しているように見られる。汗をかきやすいという体質なだけで変な奴に見られるのだ。

ニオイも汗をかきたくない理由のひとつだ。自分から自分じゃないみたいなニオイがする。明らかに臭い。しかも時間によって汗のニオイが変わる。

汗をかき始めてから時間がそう経っていなければ汗は汗のニオイしかしない。ところが時間が経ってシャツやパンツ、靴下に染み込んだ汗が乾き始めると明らかに獣のようなニオイを発し始める。

このニオイはスプレーや香水をまいたくらいでは消えない。むしろ逆効果だ。揮発性の高いスプレーや香水の香りに混ざって汗のニオイも一緒に飛んでいく。すると良い香りの中に汗臭さが混ざり余計に気持ちの悪いニオイになる。汗っかきにとってはニオイを消すことも難しいのだ。

汗をかきやすい人は少しでも暑いと汗をかいてしまう。そこには元々汗をかきやすいという体質だけではなく、メンタルへのストレスも含まれる。「汗をかいてしまうのではないか」という心配からメンタル的なストレスが加わって汗をかいてしまうのだ。

だから冷房が効いていると思っていたのに冷房がついていなかったり、ふとした瞬間に「あれ、暑いかも?」と考え始めたら終わりだ。実際に暑いかどうかではなく、汗をかくかもしれないという状況で汗をかいてしまう。

この記事を読んでいる人の中にもぼくと同じように汗をかきやすい人がいるだろう。冷夏と聞いていたが実際のところはわからない。朝は満員電車に揉まれて汗をかき、職場や学校では緊張と弱い冷房によって汗をかき、帰りも帰宅ラッシュに潰されながら汗をかく。

地獄の季節が始まるのだ。

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だいふく@ HSP IBS

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