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元信者

 安倍元首相襲撃事件から統一教会信者や元信者が迫害を受けている記事を読んだ。それまで友達として付き合っていた人たちから仲間はずれにされるらしい。元信者であることが客にバレると売り上げに響くからと退職を迫られた元信者もいるようだ。ひとまとまりに信者というが多額の寄付をする者から教会の関連サークルに参加しただけの人まで千差万別であると思われる。誘われて協会関連サークルに参加して、その活動を続ける人もいれば脱会する人もいる。仲間から選挙の応援を頼まれることもあったかもしれない。きっと霊感商法をする団体だとは知らない信者もいることだろう。
 とかく日本人は自分で判断せずに学歴,会社、役職などの肩書きで人を評価する。私にもその性癖は備わっているのは残念だが、だからこそ人を見る時は自分自身の目を大切にすることを心掛けている。大学時代、綺麗で魅力的な女子に誘われて真理研究会なるサークルに身を置いたことがある。今考えると統一教会の息のかかったサークルだったかもしれない。彼女には彼氏がいて、その彼が新左翼グループの立て看板を壊して罵声を口にし、それに同調する仲間の姿に幻滅して脱会した。彼らは新右翼だと聞いたのは後のことである。人は他人との関係を糧にして生きる生物だから、一旦仲間になって絆ができると抜け出せなくなる。その絆が良い結果を招くこともあれば泥沼に落ち込む場合もある。抜け出せば泥がつく。靴に泥がついているからと言って、その靴を履いた人物を嫌うのは間違っているし、慎みたい。
 この論法で行けば、旧統一教会との関係が取り沙汰される政治家がその実態を知らなかったというのは、大学時代に真理研究会に身を置いた私と同じかもしれない。しかし,政治家という立場で霊感商法を行なった旧統一協会を知らずに選挙運動を手伝わせたと言うのはあまりに無責任でひどい。当時18歳だった私でさえサークル構成員の言動を見て脱会した。国会議員には国会議員としての責任がある。利権の絡む政権与党の政治家には言い寄ってくる“綺麗な女子”が多いから気をつけてほしい。
 それにしてもおかしな国である。脱会した元信者は平気で迫害するのに、旧統一教会と協力関係にある与党政治家には大臣や副大臣になって日本の政治を行う立場を与える。

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