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障子戸

 我が家を紹介しよう。
 築40年。1階はすでに亡くなった父母が暮らしていた仏間と6畳和室と台所と風呂とトイレ。2階は我々夫婦の寝室と今は独立して東京に住む息子の子供部屋がある。その子供部屋と寝室との間にリビングがあり、他に納戸と洗面所とトイレがある。二世帯住宅としては広くはないけれども、2台分の駐車場と結構広い庭がある。
 孫が生まれる前、帰省した息子夫婦は2階で過ごした。孫が生まれてからは1階が彼らの居住スペースとなっている。マンション暮らしの息子が孫二人に言う。
「ここなら、どんなに暴れてもいい」
やがて和室2間と台所と廊下は運動場と化す。我々夫婦も孫が元気に飛び回るのは嬉しい。やがて彼らは帰り、帰省のために準備した物を片付ける。台風が通り過ぎたあとの穏やかな夫婦二人だけの静けさがもどる。
 気がつけば3月も終わろうとしている。この間、我が家に訪れるお客の殆どは玄関で用を済ませて帰る。和室に上がる客は月参りに訪れる和尚だけだ。
「春が近づき、妻のお陰で庭はきれいになったのですが、孫が破いてくれた障子がそのままになっているのは、お恥ずかしい限りです。」
お経を聞いた後で話をする。
 昨日、夫婦二人で障子紙を半日がかりで張り替え、今朝、乾いた障子戸をもとに戻した。1週間後に迫った新年度を迎える準備はできた。

2024年度の目標
 仕事で緊張感をもらい、健康に過ごす。

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