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【いい映画には理由がある】Vol.6 恋人たち

アトリエのある広島市には、映像文化ライブラリーがある。東京でも、銀座や竹橋によく足を運び、並んで、またはハシゴして、観ていたものだが、ここでも、作品によっては、満員になる。

作品によっては、ガラガラなので、その「満員」の中で、拍手とともに観るのがまた、楽しい。

前日の『死刑台のエレベーター』が満員だったとの噂を聞き、最終日の『恋人たち』に予定を合わせた。今晩は眠れなさそうだ。

モノクロで、白いネグリジェ以外の印象がない記憶だったのに、久しぶりに、数度目に今日観たら、こんなにも感じ方が違う、とは。コトバでは表せない「映画語」の力。

カメラ、キャスティング、田舎、車。表情を崩さない(はずの)J・モローの表情。実の恋人同士だった監督の前で、上手く演じたら別れになるだろうと予感して臨んだというベッドシーン。あの時代ならではの、「それしかない感」なブラームス。そうそう、私の好きなシトロエンも出てきた!

フィルムはずっと繰り返しなのに、こちらの感情経験が増えるたびに、意味の変わる「映画」。

以前、知人に「観る側の感性で映画を観ては、監督に失礼だ」といわれたことがあるが、感性だけで観るのはそうなのかも知れないが、やっぱり「本経験が感性を決める」と思わずにはいられない。

だからね、どんな経験でも、未経験は経験するべし。旅の風景や、音楽や映画や芸術との対話が広がった時、生きててよかった、と思えるね。

そして、今晩は眠れなさそうだ。


※この記事は、2016年8月30日に公開された記事を再編集したものです。

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195modèle

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連載「いい映画には理由がある」

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