寿司日乗35

2019年4月29日(日) 晴れ

ここ数年、ネット上にアップされているいろんな人のブログを見るのが日課になっている。日本で暮らす、知らない人達の日常の日記。
心の灰汁だったり、決心だったり、誰かに直接伝えたいわけではないが独り言では済ませたくないような思いや感じていることをランダムに読みながら勝手に幸せな気持ちになったり、優しい気持ちを与えてもらったりしている。
他人の日常を綴ったブログの中に、本当に時々だが自分の名前やバンドの作品(アルバムや曲)が出てくるとドキッとすることがある。そういう時は検索をかけて読んでいるわけではないので余計にドキッとする。
知らない誰かの日常の中で、過去に作った作品が今も何処かで誰かに聴かれていることに、その人の現在の時間、暮らしをただ撫でるように、掴むように、ただ過ぎるだけかもしれないが出会ってくれたことに先ずは嬉しさが湧く。そこに確かに在るのかと思うと不思議な気持ちになる。
自分でも忘れた頃、自分の書いた歌詞に胸を突かれることが時々だけど、ある。その時はもう自分が書いたものだとかそういうことは遠くに在って、言葉だけが残る。
音楽だけが残るというのはバンドを始めた頃からの理想の在り方のひとつで、カッコつけているわけでもなく、理想論でもなんでもなく、誰が作ったかなど忘れられるくらい、音楽そのものだけが残ってくれたら本望だと強く思う。なんども色んな所で書いているけれど、敬愛する漫画家、永島慎二氏が生前仰っていた「誰かの永い友達になれるものを僕は描きたいんです」という言葉がいつもわたしの中でこだまする。
とある女性のブログを読み終えたあと、改めて「わたしも生き続けてる間にもう少しだけでも、誰かの永い友達になれるような曲を書きたいんです」と思う。そして声に出して言ってみた。
これは、独り言じゃないよ。(PM23:13)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?