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技術者が営業(非技術者)に絶望するのは何故なのか、を営業サイドから考察してみた

コミュニケーション課題はどの会社にも高確率で存在する

人事ポータルHRproさんが「社内コミュニケーションに関する調査」を出しており、そこには調査対象となった企業の約8割がコミュニケーション課題を感じているという結果が詳細に書かれていました。その課題の具体的現れのひとつが、タイトルにある「非技術者と技術者間のコミュニケーション」です。

togetterまとめ編集部さんにトゥギャトピに取り上げて頂いた、本記事の元ネタとなった僕のまとめ記事をご覧頂くとわかる通りコメントやはてブの数からも、皆関心の高い課題なのだなということが良くわかります。

課題と対峙して解決策を講じていく上で、コラボレーションは必須になります。コラボレーションする為には、コミュニケーションを良質なものにしなければなりません。

営業マンは、情報共有ツールを使っていないのか

営業技能は交渉技術+個人の雰囲気こみこみで評価されるところがあって、属人的になりやすいんですよね。なので、普段からQiitaとかesaとかkibelaなどの所謂情報共有ツールと称されるサービスを使ってナレッジ共有する必要性を考えるよりまず、外出て人に会う方が営利に繋がると考えている人が多そう。

と言う仮説から、

「営業や非技術者の人で情報共有ツールを社内で使っている人は、どのくらいいるんだろうか?」

という疑問が湧きました。つまり、異業種コミュニケーションを円滑にする為にも情報共有ツールを非技術者も積極的に使った方がいいのになあ、と思ったということなのですが、早速ツイートしてみたらうちのCTOからすぐ下記のレスが返って来ました。

「それって、ナベさんが思い描く営業(ビジネス)の人たちが情報共有していないなーと感じているということですよね?その理由ってなんでしょうね?」

情報共有ツールがあった方が良いと思っている営業職の人に彼はあまり出くわしたことがないと言っていたので、予想するに、実際にその様なツールを頻繁に使っている営業マン=僕って一体何系営業なの?となったのでしょう。

僕はデザイン会社のCEOとして普段は経営業務やクライアントワークをメインに活動しているけれど、中小規模の会社で言う所のCEOはほぼ皆営業も並行しています。彼の質問をキッカケに、僕は改めて「営業」という言葉の意味を掘り下げてみることにしました。

「営業」という言葉の意味

まず、営業マンとセールスマンの違いって何でしょう?

営業=ビジネスで、販売=セールスという意味分けになっているけれども、日本では営業=セールスと表現されているケースが多い様に思います。僕が普段行なっているのはビジネスなので、まずここでセールスではなくビジネスという意味での営業マンだと言えそう。そして、そのビジネスの解釈を技能に繋げて展開していくと、

営業(ビジネス)は、「課題抽出し、その課題に対して解決手法の選択肢をその場で提示する」ことと、その「提示物を営利に結びつける」ことを両立させること。そこで必要とされる技能は、「コミュニケーション能力」と「意思決定を促す力」なので、「情報共有」のノウハウは営業に不可欠。

という帰結に至りました。つまり、この理由から「情報共有ツールは使うべきだ」と僕は考えたわけです。

非技術者と技術者の間にあるコミュニケーション課題の原因

例えば、自社サービスの営業マンは顧客から欲しいと言われた機能を技術者たちにフィードバックを行う際、営業サイドでは「売るために必要な機能」、技術者サイドでは「仕様と設計」という部分で考える領域が異なるので、合わせ技をやろうとした時初めて状況把握し合うとなるとかなりコストが高くなってしまいます。

営業サイド、技術サイドの知り合いからこう言ったケースでの愚痴を聞いたりすることがあるのだけれど、総じて双方の言い分だけが宙に浮いてしまって、顧客満足度を上げるという目的からズレてしまっていることが多いです。さらに内部情勢を聞いてみると、普段から議論されておらず、どちらかがマウントしてる状況があったりします。

こういう話を耳にする度に、「この様な状況を生み出しているのは情報共有や議論する文化や習慣が醸成されていないことが原因なのではないか」と感じる様になりました。

では具体的に、「どうやればそういった文化醸成の第一歩になるのか」なのですが、僕=営業サイドとして考えた時にまず行ったのは、「技術者を知る努力をすること」で、まさにこれが第一歩になりました。営業サイドも顧客に対する提案内容を、技術サイドのマインドやCan(できること)を踏まえた上でアウトプット・ネゴシエートする様になるので、提案内容と実際の提供物間にある齟齬を減らすことができます。ですので、社内での合意を取るコストに対してメリットも感じやすく、コミュニケーションの成功体験として積み上げやすいと思います。

継続的にこれをお互い繰り返していくことで、「技術者の技能を知った上で、一緒に課題解決してみる」というプロセス自体がお互いの膝折ポイントを創出するプロセスとイコールになっていきます。そして、このプロセスをスポットではなくストックさせていく為に間違いなく必要になるのは「情報共有」です。

どうして、進んでこういう努力をするのかと言えば、

- あなた方と円滑に仕事したい
- あなた方に最高のパフォーマンスを発揮してもらいたい
- あなた方になるべく無駄な事をさせたくない
- あなた方とプロジェクト遂行したい

という理由があるからでしょう。広く言えば、課題解決において必要なマインドセットだと思います。

同じ会社という船の上で活動している者同士ですから、目的地自体は一緒。ただその目的地までの行き方が違うだけだとしたら、お互いに行き方を共有することで議論が生まれ、より良い航路が見つかるかもしれません。何より良質なコミュニケーションロジックを持って課題解決をしているチームって素敵ですよね。ひとつでもそんなチームを増やすキッカケを作れる様に、僕もこうした考察・研究のアウトプットを続けていこうと思っています。

おわり。

#ビジネス #課題解決 #デザイン

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