2022年の仕事③(特番編)

前回の記事をアップしてから、その勢いで書いていこう!
ということで去年の僕の仕事の特番編下半期です!

THE CONTE(8月7日)

できるだけ毎年新しいことをしていきたいという思いは常々持っていて、
それで言うと2022年は「呼び出し先生タナカ」のスタートと
この「THE CONTE」が新しい仕事だったのかなと思います。

一昨年(2021年)にドラフトコントをやった時に
吉本興業の社員さんが
「キングオブコントで優勝した空気階段が
『THE MANZAIみたいな漫才師だけの番組はあるけどコント師だけの
番組がないから、あったら嬉しい』
と言ってました。」
という言葉をそのまま鵜呑みにして、
速攻で企画書を書いて、
2021年末にはやることが決まるという
フジテレビのフットワークの軽さとお笑いへの信頼で生まれた番組です。

この番組は、コント師の皆さんがやりたいことを極力叶えてあげる
これを第一に考えるようにしています。
「ここのセットをこうしたい」
「他の番組では4分って言われたんだけど6分にしてあのくだりをやりたい」
「あんまり派手じゃないし展開もないんだけど、
 このコントをテレビでやりたい」
「他局では言えなかったこのセリフを言いたい」
もちろんこの番組にも例外なくコンプラは存在するし、
スポンサーもあります。尺だって限られています。
だけど「コント師のコント師によるコント師のための番組」を
掲げた以上、何とか叶えられるように努力しよう。
ということだけはスタッフ全員に意思統一してスタートしました。

そうすると担当ディレクターはあの手この手で実現しようと考えるし
美術スタッフも時間やお金をかけて努力する。
カメラマンも照明スタッフも画作りを頑張る。
コント師の皆さんも、それに応えようと素晴らしいパフォーマンスをする。
結果として相乗効果でいいコント収録ができたと思います。

もう一つの仕掛けはコント中の副音声(オーディオコメンタリー)を
コント師の方にやってもらう。
元々は配信を見越して、オンエアを見てさらに配信で見てもらうために
この演出を考えたのですが、
権利など諸々の関係でこの番組は配信ができないことになってしまいました。
録画して(しかも副音声も録画できる機器のみ)後から見るか
リアタイから副音声を楽しむかのどちらかでしか
この副音声機能を活かせない結果になっていることは
自分としては残念でならないです。
何とか諸々の事情をクリアして、2023年は配信でも副音声が楽しめる環境になればいいなと思っています。

副音声はお笑いファンの方にはぜひ聞いて欲しいのですが
特に僕が面白かったのはライスさんの「雷」というコントのコメントです。
雷が鳴った時の関町さんの驚く演技の表情を見て
田所さんが「ちょっとこの顔やりすぎだな〜」「コント中、俺背中向けてるからどんな顔してるか確認してなかったけど、この顔やりすぎでしょ」
と言い始めたのですが
田所さんが雷に驚くシーンの時に
「俺もやりすぎだな!」「あれ?こんな顔してた?」
と言って大爆笑になるところです。
他にもコント師さんのこだわりのセリフや
どの発想でこのコントが生まれたかなど裏話がずっと楽しいので
次回の放送はぜひ副音声でもお楽しみください。

そしてMCは東京03さんとかまいたちさん。
どちらも間違いなくネタの面白いグループなのでこの2組にお願いしました。
そして出演するコント師の皆さんが、それが先輩であっても
この2組に「面白い」「すごい」と言われたら嬉しいだろうなと
思ったのがオファーの決め手です。
それぐらいこの2組は常に新しいことに挑戦しているし、
誰が見ても面白いネタを作り続けているので
他のコント師さんからのリスペクトも物凄くあります。
そしてこの2組なら、他のコント師さんと同列で
番組内でコントを披露してもらえるんじゃないかと思いました。
基本的にネタ番組のMCがネタを披露することはないのですが、
この番組ではMCも一緒に面白いコントをやっていけたら
他の番組とは違った空気になるんじゃないかという狙いがありました。

「THE CONTEへの道」というオーディションライブから勝ち上がってきた
ゼンモンキーに対して2組が「めちゃくちゃいいネタ」「面白い!」
と大絶賛していたのは、スタッフの僕もとても嬉しかったですが
ゼンモンキーの3人は最高の気分だったんじゃないでしょうか。


こんなことを書いてたら、もう2000字行くぞ!?
いいのかこのまま書き続けて?割るか?どうする?
んんんん、いてまえ! ということで
去年の最後の特番です。

ドラフトコント2022(11月19日)

2021年に引き続き22年も秋に放送されたドラフトコント。
キングオブコントの直後にドラフト会議を行い
約1ヶ月後にコント披露ブロックの収録をしています。
なのでドラフト候補芸人は全部で20人いるのですが
キングオブコントまでに19人だけ決めておいて
1枠空けた状態からKOC終了後に最後の1枠を埋めています。
優勝者のスケジュールがハマらなかったら、他に活躍した方や
他の候補芸人と被らなさそうなキャラクターの方を
キャスティングするようにしています。
そんなわけで、今回はビスブラ原田さんがスケジュールを空けて下さって
出演が決定しました。

今回はジュニアさんに小藪さんというレジェンドに
キャプテンをやっていただきました。
結果として、ドラフトは大波乱(無風という意味で)。
披露したコントもまさに五者五様、五人五色といった内容で
映像あり歌ありホラーあり、コントなのか論争ありなど
話題に事欠かない番組となりました。

番組終了後にはいろんなラジオで芸人さんがこの番組の裏側を話したり
テレビライターの方が記事にしているので
ぜひ興味のある方は見ていただけたらと思います。

とにかく皆さん忙しいのによくネタ作りの時間や
稽古の時間を割いてくださったなと思います。
極力、僕も稽古を拝見させていただくようにしているのですが
夜中の2時3時までやるチーム(2時間で解散するチームもありました)
他のチームのコントの設定を聞いてネタを手直しするチームもあったり
お祭りでありながら芸人さんのプライドや意地を
この番組にぶつけてくださることに本当に感謝しております。

ドラフトチ●コだけは
ニューヨークが勝手にやってることなので当番組とは関係がありません。
作家の奥田さんがわざわざ「やっていいですか」と確認してきましたが
僕は「いい」とも「ダメ」とも言っていません。
「勝手にしてください」とは言ったかもしれません。
※そもそも「パロディー」を拒否するのはお笑いにおいては
 ダサいことだと個人的には思ってます。
 やった後に面白いか面白くないか判断されるべきことだと思います。
 この件は別として。
 ドラフトチ●コは普通に面白いです。というかバカです。

終わりに

やりました!何とか2月までに去年の仕事を振り返れました。
ラフアンドミュージックでのIPPONグランプリの生放送に関しては
割愛させていただきました。

次回以降は今年のことだったり自分の考えていることをまとめていければと思っております。
さらに次回からは有料の記事もアップしていきたいと思っています。
別に商売したいわけではなく、ちょっと踏み込んだことを書きたいなと思っていて、誰の目にも触れるところに書くのは少しリスクが高いと感じております。
100円でもいいのでクローズなところで、本当にその記事だけを読みたい人がいれば読んでもらうという形にしたいです。
きっと読者は5人もいればいいでしょう。それでも自分の考えていることを形に残してみたいと思います。
もちろん無料公開の記事も書いていきます。
それから去年毎月やっていたTwitterのスペースも3月以降どこかでやりたいなと思っていますので、もしタイミングが合えばよろしくお願いします。


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