来日予定のアデオラが亡くなった。

8月29日から始まるワールドサッカーチャレンジという大阪で行われる大会で、5月に現地でトライアウトして決めた、12歳以下のナイジェリア選抜を率いて来日します。

ナイジェリアにはダイヤの原石がゴロゴロいるが、しっかりとしたグランド、指導者などの育成環境が想像を絶するほど悪く、それを超えてうまくなってもそれを発見して吸い上げる網が整備されていないため、機会が極端に少ない。

それどころか、5歳以下の死亡率は今だ10~12%。
10人に1人は5歳の壁を超えられない。
サッカーの機会云々の前の段階。

そうした中で自分が関わるサッカーでナイジェリアから世界No.1の選手を出して夢と希望と勇気を、と3年前にパートナーのバヨとスラム街にある、イガンムFCのオーナーとなり、6部から3部まで昇格した。

今回のワールドサッカーチャレンジは、バルセロナやバイエルン、そしてJリーグクラブのアカデミーが参加する。ナイジェリアの少年たちには同世代のトップとやる夢に近いようなチャンス。
そして、世界に見てもらえるチャンス。

そんなこともあってお誘いをもらって、出場を決めた。
渡航滞在費は全て自費なので、ざっと700万円。

みんな貧しいのでパスポートの取得から。
申請に行くと、人身売買の可能性があるから、と親のパスポートも必要となり、もちろん親もみんな持っていないので、親のパスポートを取るところから。
ようやく取り終えて申請すると、パスポートの冊子が在庫切れ。
予定より大幅に遅れてVISA申請。なんとかぎりぎりでVISAが下りたとのことで明日、現地の代理のスタッフが取りに行く予定。

機会を創ろうと日本に連れていくだけでも、
悲しいかなこれまでのナイジェリアの色々な過去事例・実績、役人の怠慢・汚職など、非常にハードルが高く、労力がかかる。

なんとかそんな奮闘を見て、スポンサーになってくれる方や日本での滞在費・食事・移動のバス・運転手・スパイクをサプライしてくれる方々が現れ、日本滞在時はほとんどお金がかからない形にしてもらえた。
それでもあと航空券代、400万円。

そんなことを奮闘している時に起こった。
もう一つ保有しているカンボジアのプロサッカークラブ、アンコールタイガーFCの試合を現地で見たその翌日、アンコールワットを刊行している時に、バヨから電話が。いつもと違う暗い声。

「カトさん、15人の選手の1人、アデオラが来れなくなっちゃった。」

「なんで?パスポートかVISAの問題??」

「違う。亡くなっちゃった。交通事故で、、、。アデオラが亡くなって、お母さんが意識不明の重体。」

みんなサッカー選手になって、親、家族、親戚、コミュニティの人に恩返ししたいという気持ちがある。
11歳のアデオラも初めての遠い日本、もしかしたら、バルサやバイエルンと試合ができるかもしれない。そんな中でアピールできたら、将来に繋がるかもしれない。そう思っていたと思う。

そう思うと、言葉も出ず、胸が張り裂けてしまい、観光客が少なく、静かな遺跡の中で、涙があふれてしまった。
どうしてこんなことが起こってしまうのか。。

アンコールワットのガイドさんが、加藤さん、大丈夫ですか?と心配して声をかけてくれた。

アデオラのお父さんにはアデオラの旅費分を弔慰金として、お渡しする。
そして、アデオラの写真を彼が来る予定だった、日本とワールドサッカーチャレンジに帯同させてもらうことにした。

ナイジェリアにいると思い通りにいかないことも、それさえも楽しむことにしているが、こうした辛いことも時々ある。

でも、自分が全ての事をできるわけでない、といつも自分に無理矢理言い聞かせながら、自分ができることをしていく。

まずは14人の選手を日本に連れてきて、彼らに少しでも多くの機会を、またナイジェリアにいる子たちに自分たちもそういうチャンスはあるんだ、と希望を作れれば良いな、と思っています。

今回のプロジェクトのクラウドファンディングもその中で、
ぜひ機会づくりにご協力頂けると有り難いです。↓


Pray for Adeola.


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メッシ超え、バルサ超えを目指してます。 今は株式会社フォワードの代表、カンボジアとナイジェリアのサッカークラブのオーナーをしています。
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