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7/16 そろそろ外国人監督の出番でしょ

▼目次
 ・海外ドラマって面白いよね
 ・絶望しか感じない日本のTVドラマ
 ・今こそTV業界に外国人監督を

海外ドラマって面白いよね

NETFLIXやAmazonPrimeが浸透したことで、海外ドラマを視聴する機会がかなり増えたと思う。以前から韓流ドラマとかもあったけど、出演者のファンが騒いでいただけに近いし、「日本よ、これが映画だ」のコピーで話題になったアヴェンジャーズのように当然の帰結として日本国内のドラマと海外のドラマが比較され、そこに存在する大きな差をまざまざと見せられている。

制作費とか、タブーなテーマとか局を取り巻く状況の違いはあれど、仮にそれらの制限を取っ払っても日本では作れないでしょ?というものばかりだと思う。

最近見ていて面白いと思ったのは、「Westworld」。現在シーズン2まで放送されていて2020年にシーズン3が開始予定です。AIが暴走するとかありそうで怖い。そもそもWestworldを開発したデロス社が怖い。

「Person of Interest」も面白かった。高度AIを使い国内のあらゆる監視装置から情報を吸い上げ、犯罪を未然に防止する超監視システムが働くNYを舞台にしたドラマ。これは既にどこかの国で起こってそうである意味怖い、けど面白い。

もちろん、当たりハズレはあるが総じて海外ドラマは面白い。

海外ドラマの展開の仕方って、「24(twenty-four)」が生み出した演出や、結末を始めに持ってきてその背景を辿っていく演出。新しい演出はだいたい海外発で日本に輸入される。私が覚えている範囲で、その展開を活用していたのは三谷幸喜氏の「古畑任三郎」。冒頭に犯行シーンが流れ、犯人は誰だったのかを古畑任三郎が追っていく構成でした。リアルタイムで観ていた頃はその展開がとてもワクワクして「なんで?どうして?こういう事件が起きたの?」を問うことの面白さ、ドラマの見方を教わった気がします。

今の日本に面白いドラマはあるか?

人によって面白いの定義は異なるかと思いますが、カッコいい(カワイイ)タレントが出演しているからという理由だけでドラマを面白がる、中学生くらいまでだろう。そう考えると、日本は未だに「誰が出演するのか?」が新クールドラマの主要な話題になってしまうくらい、人に重きをおいた作りな訳です。そもそも原作ありきの作品をドラマ化・映画化に慣れてしまって、オリジナルドラマを作るだけの力が無くなってしまったんではないでしょうか?2017年にTBSで放送された「カルテット」はオリジナルドラマながら大ヒットし、「逃げ恥」もガッキーの可愛さ、ダンス動画の話題拡散と相まって大ヒット。

日本人が日本人のためにしか作っていないことが問題

言うまでもなくアメリカは多民族国家だ。脚本家1人をとっても、その人のルーツを辿ればヨーロッパ・東欧、アジア、アフリカと多様だ。多様な(文化、宗教、生活習慣が異なる)人たちから多様な視聴者に向けて作られるドラマというのは日本人が見ても面白い。そして、積極的に未来を描いている点が面白い。それがユートピアであれディストピアであれ、現実に存在するテクノロジーをベースに描く未来観は日本には無いスケールの大きさとビジョンを見せてくれるという点でワクワクする。

一方で、”日本人が日本人のために作ったドラマ”を面白いと思ってくれるのは日本人以外にもいるだろうか?もはや日本人すら面白いと思わなくなって、ごく少数の日本フリークな外国人が面白がってくれているだけなのだろうか?よく言われるのは、英語圏のドラマはコンテンツとして海外に広く販売できるため、良いものを作れれば制作費に掛けられる予算も潤沢になる好循環。しかし日本のドラマは日本語が分かる地域でしか流通しないので予算が多くなりようがない、つまりコンテンツは面白くなりようがない。

絶望。

では、日本発の面白いドラマというのは生まれないのだろうか?

私はそろそろ日本のドラマ制作者にも積極的に海外の人を使って欲しいと思っている。

NHK朝ドラの「マッサン」で主人公の妻役にシャーロット・ケイト・フォックスが初めて起用された時は私も正直驚いたけど、そもそも起用されていないことが不思議だったのだ。現在は大河ドラマ「いだてん」にも出演した。

NHKは出演者として外国人を使い始めてはいるが、国営放送で外国人監督を起用するのはハードルが高そうだから、民放にこそチャレンジして欲しい。できるはずなのに、やっていないことの不思議。

映像制作のようなクリエイティブ領域ほど、グローバル人材がいち早く入ってきてくれそうなものだけど「とてもじゃないけど日本でクリエイティブの仕事なんてしたくないよ!」という海外の方が多いのか、単に日本のメディア企業が採用しないだけなのか、ほぼTVドラマ領域における外国人監督は見たことがない。

日本のドラマのマンネリ化もここに来て限界を迎えている。警察に代表される職業もの、恋愛もの、社会派もの、それらのテーマが現代風に少しずつチューニングされ、演じる人が変わっただけで延々と繰り返されている。

一度で良いから、試しに外国人監督のドラマを作ってみて欲しい。TVドラマ業界にも新しい風を!

もしサポート頂けることがあれば、それは金額の多寡というより、そのお気持ちが私に多大なる自信を与えてくれます。それに感謝致します。