7/3 本質を掴めないとどうなるか?
はい、失敗します!
▼目次
・本質を掴むにはどうするか?
・媒体紹介
-「鈴木さんでも分かるネットの未来」川上量生著
-「アート×ブロックチェーン」美術手帖
-「ブロックチェーンは世界を変える」WIRED
・本質を掴むこと
本質を掴むにはどうするか?
ここ最近、仮想通貨関連の調べものをしている。 書籍、雑誌、新聞、ネット記事まで幅広く目を通してみて、気づいたことがある。
複数(つまり多面的に)読まないとある分野の全体像は見えてこないし、誰が書いたものか?も非常に重要である。誤った理解のまま(本質を理解しないまま)終えないためには、そのテーマをちゃんと理解している人が書いたものを、出来る限り多面的に読む必要がある。
とはいえ、今回ご紹介できるのはたった3つの媒体なので、そんな胸を張って多面的!キリッとは言えませんがそれでも書かせて下さい!全部古いのがネック。。。
1番中立的というか分かりやすい(新書だから?)。テクノロジーの側面からも、インターネット文化の側面からも、経済・金融的な側面からも、偏りなく丁寧に書いてくれていたのはこの本だった。
美術手帖がよく「Blockchain」の特集組んだなと、その慧眼とチャレンジは素晴らしいんですが、鼎談に参加した美術界隈の人は(やはりと言っては失礼になるが)、テクノロジーの本質を掴めていないまま(特にBlockchain=Bitcoinという認識だったり、いずれ貨幣が無くなるという未来を描くところとか)話しているのではないか?と思ってしまうところに、ちょっとした物足りなさを感じた。しかし、Blockchainという技術は分野を問わず、幅広く応用が利くのだなと分かったのは良かった。
テクノロジーがどのように社会が文化に適応するかの文脈ではWIREDが1番分かりやすい。 しかし「ブロックチェーンは世界を変える」とぶち上げていることから読み取れるように、基本的に編集者も(恐らく)読者も新しい技術としての「Blockchain/Bitcoin」は良い(?)モノ というか、面白い取り組みであることを前提として書いている気がするので、偏っているとは言わないが基本的にポジティブに書かれていることは否めない。
そもそも「Bitcoin=Blockchain」なのか?
答えはNOである。それら2つは分けて考えないと色々と見誤る気がする。
そもそも貨幣が貨幣であるためには3つの要件を満たす必要がある。
1.貨幣の額面が書かれていること
2.模造されないこと
3.「二重支払い問題」を解決していること
※WIRED vol.25記事より
3の要件を満たすのにBlocchainという技術が適していただけで、イコールで結びつけられるものはないと思っている。色々な人と議論していて思うのは、「Bitcoinを理解するためにはBlockchainという技術を理解しないといけない」と考えている人が多いことで、それは確かに必要ではあるのだけれど、むしろ貨幣としてどうなのか?ということが、より重要ではないだろうか?
国際基督教大学・客員教授の岩井克人教授が仰るように、Bitcoinが仮に世の中に浸透しても貨幣は無くなりません。それは、川上さんも同書で仰っていましたが、貨幣発行権が政府(中央銀行)から民間に移る可能性は大いにあるので、その点を認識する必要があると思いました。
当時、そうした電子マネーが出てきたときに、「貨幣がなくなる」ということをいろんな人が言ったわけですが、とんでもない。貨幣がなくなるのではなくて、貨幣は実体性を失った情報になることでより純粋化しただけなのです。金塊やコイン、それがのちに紙幣になって、貨幣がだんだんモノとしての重みを失っていくプロセスの究極形態であるキャッシュレスは、マネーレスではないのです。
・本質を掴むこと
広告業界におけるクリエイティブ職の方々は、商品やサービスの本質を掴むことが上手い。本質を掴めないと、15秒しかないCMや、15段しかない新聞、ポスターなど限られた領域において商品サービスの良さを伝えきれる訳がない。故に、例え私のような営業職であっても「クライアントの商品サービスの本質とは何か?」常に問い続ける必要がある。
そう考えると、本質に辿りつかないままに世に出した広告は誰にも刺さらないし、商品も売れない、結果キャンペーンは失敗する。
ある意味怖いから常に勉強し続ける訳だけど、仮にプロジェクトごとに学ぶとしても、あるテーマを「多面的に捉えたか?本質に辿りついたか?(近づいたか?)」を自問自答するのは、とても重要なことであると言える。
その点、クリエイティブ職の方々はとても好奇心が強く、勉強熱心で、博識である方が多い。営業職も見習わなくてはならない。
もしサポート頂けることがあれば、それは金額の多寡というより、そのお気持ちが私に多大なる自信を与えてくれます。それに感謝致します。