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「人間失格」太宰治 ポリアモリーっぽいけどそうじゃない件。

言わずと知れた太宰の「人間失格」。

中学の頃に「斜陽」とこれは読んでいるが

話の内容は全然覚えてなくてただなんとなく全体的な世界観が暗くて良かった事と

言葉遣いが難しくて話は基本頭に入ってこず

時折輝く格好いい言い回しにうっとりしたり

変に共感したりしていた

ほんとにニュアンスだけの読書

でも、読んでて何か救われていた気はする

自分を道化師のような者だという表現に

二面性が激しい私はぐっと感情移入させられた

感情移入したわりにちゃんと話覚えてないのだけど

ただ、自分を道化師だと思う人間の

色々な場面での感情の表現や処理の仕方がわかる言葉の端々に

共感したり勉強になったりして

その頃すがっていた本でもある

ネガティブな感情が奇形で独特な美しい文学として

昇華されていく事に希望をもらっていた、という気もする


で、今回は「人間失格」の漫画版を読み、続けて映画「太宰治物語」を観た

まずは漫画

昔の本はやっぱり漫画にしてもらうか現代訳してもらった方がわかりやすい

原文ママの表現の美しさとかあると思うが

何がどうなったのかわからないとニュアンスしか拾えない


壮絶に女を渡り歩く人生を送りながら

一番辛かったのは寝取られだったと嘆く太宰治。

瞬時にお前が言うなよ!と突っ込みたくなる笑

ポリアモリーじゃないのかよ!

相手も許してやれよ!自分がやるなら!!

しかも寝とられた時、君オナニーしたよね??

辛かったの?楽しんだよね?猫被ってない?

あぁ、辛くて痛くて楽しんでたんだな、変態だ!

漫画にされると事の顛末が明確なので

突っ込みどころ満載だ笑

もちろん漫画でも雰囲気はとても良いのだけど

文字の描写が省かれて絵がある事でロマンチック度と高尚さが下がりリアルさが増す、

故に突っ込みたくなる笑

原作読んでるときはうっとりしてて何の疑問も浮かばなかったんだけど

私は原作をポエムとして酔う為に読んでたんだな、って気付く

それが文学ってことか。。。

続けて「太宰治物語」を観た

こちらは「人間失格」ではなく太宰治自身の話

まぁ似たようなものだけど笑

トヨエツと菅野美穂が美しかった

寺島しのぶって本当に着物の女だよな…

お人好しと見栄っ張りで近づいてきた人全て愛してしまうところと

交際相手と別れる時に自分を嫌いにさせるところは

とても共感するというか自分と似てる、と思うのだけど

中学生とかで太宰を読んで格好いいとか思ってたリアル中二だったから

無意識に理想像として刷り込まれていて

それに従って行動してるだけかもしれない

中二病を矯正しないまま30歳になった私、って事かな笑

交際相手と別れる時に自分を嫌いにさせるところはほんとにその方が良いと思ってて

恨ませた方が置いていかれた者は強く前を向いて生きる気がするんだよなぁ

綺麗な別れっていうのは

お互いにきちんと気持ちが離れるって事だ



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