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「転職の思考法」を読んで条件は今よりいい会社。というキャッチコピーについて考えてみた

転職の思考法を読みました。

普段、人材業界の悪口ばかりつぶやいているので、書いてある内容はとても納得するものばかりでした。

今日は転職の思考法を読んだうえで最近自分が見た、広告で一番嫌いだったキャッチコピーについて考えてみます。

■条件は、今よりいい会社。という罠

転職を検討する人は今よりいい会社に転職をしたいと少なからず思ってはいる。

でも、今よりいい会社ってよく考えるとなんだろう?

お給料か、会社の知名度か、福利厚生か、

自分が転職活動をしている時に同僚に相談した時は、受けている会社のお給料や知名度、従業員数などを詳しく聞かれた。

転職した今も前職の知人に会うと「お給料どれくらい上がりました?」と聞かれる。

自分の知り合いで転職をした人間を見ていると、

仕事内容は同じだが、お給料が高い同業他社へ転職した人間や、

どえらい中小企業にいる自分が嫌で知名度がある大手へ行きたいということで、大手の看板がある孫会社へ転職した人間

新卒の頃憧れていた業界で働きたいと思って転職した人間

20代後半から30代前半の人にとって転職でいい会社というのは

①お給料UP した

②自分が所属する企業の知名度がグレードUPした

③特定の業界で働く自分への憧れを叶えれた

だいたいこの3つの内どれかがではないかと思っている。

ただ、転職の思考法ではキャリアは長い目で考えることが重要だと説いている。

「福利厚生は確かに大事だ。だが、長い目でみると福利厚生よりも、専門性と経験を考えてキャリアを選んだ方が絶対いい。なぜなら、福利厚生は会社の業績自体が悪くなったり、そもそも、転職や転籍をするとなくなる可能性がある。言い換えれば、福利厚生とは『自分でコントロールできないもの』なんだ。だが、知識と経験は自分のものだ。コントロールできる」

福利厚生の箇所を「お給料」・「会社の知名度」に置き換えてもいいだろう

その中でも特に重視しなければいけないのが

「自分のマーケットバリューを理解する」

ことだと説いている。

マーケットバリューは自分の市場での価値。

自分が転職活動を行った時にどれくらいの企業から引く手があるかと理解していいだろう。

目先のお給料や福利厚生ではなく、

他の人がしていない経験を取り、専門性を高め、市場の中での『自分のレア度』を上げる努力をしていかないといけない。

「マーケットバリューはあくまで相対的に決まる。高い技術を持っていても周りが同じスキルを持っていたら価値は出ない。(中略)一方で、『経験』は汎用化されにくい。」
「普通の人ほど、どこで戦うかのポジショニングで勝負できる「経験」が重要になる」

高い専門性を身に付けて、専門性で他の人と差別化するのはかなり才能がいる。

でも、何を経験するかはオリジナリティがあり、差別化しやすく自分の価値向上に繋がる可能性が高い。

自分の転職活動の事を振り返って見ると、

今年自分は介護のベンチャー企業に転職した。

人がやりたがらない、行きたがらない業界だからこそレアな経験が積めて、ゆくゆくは自分のマーケットバリューが上がることに繋がるのではないかと考え今の会社に決めた。

自分がこれから付こうとしている椅子(ポジション)はどれくらい用意されているのか。

椅子の数は少ない方がレア度は上がる。

逆に椅子が多い所はそれだけ誰でも座れるのでレア度は下がる。

経験という軸無しに条件や知名度だけで転職先を決めた人は、転職してしばらくするとまた同じように会社の不平や不満を言いがちになる。

今まで自分はそういう人たちを沢山見てきた。

条件は今よりいい会社。で決めてしまうと

自分の希望に見合う求人がないのが悪い、日本経済が悪い、今住んでいる場所が悪いなど、キャリアの行き詰まりを外部要因のせいにしてしまいがちだ。

とはいえその間、年齢は重ねてしまうので、数年後全く市場から評価されない人材を量産されてしまうのではないかと思ってしまうのだ。

なので、あのキャッチコピーは一歩踏み出すきっかけにはなるかもしれないが、少し間違った方向へ誘導しかねないと感じるのである。

■転職ですら消費の対象になっている

先日こういったつぶやきをした

東京で電車の乗ると、大手人材会社の広告がありとあらゆる所から「転職しろ!」と煽ってくる。

求人票を見ると如何にも企業がペルソナを設定して綿密に練った内容の求人ページが出てくる

もちろん、転職することは大事だ。働きたくもない会社で毎日嫌々仕事をするくらいなら、自分も「なら、辞めればいいじゃん」と言っている。

が、結局煽られるだけ煽られて、煽る側も煽られる側も新しい職場でのこと何も考えてないんじゃないだろうか。

人材会社と転職エージェントが規定した転職してHAPPYになっている自分を夢見て、自分で考えるのを放棄していないか。

結局、人材会社も転職エージェントも営業であり目の前の求職者を転職させないと報酬が入ってこないので、所詮彼らにとって求職者は売り物なのだ。

「次の面接へと急かすその姿勢が、僕の人生全体を考えてのものではなく、『売り物』を急いで売りたいがためのものに感じられた。だから、この求人がいいか、悪いか、という話しかしないのだ」

転職の思考法を読んでいて今の転職エージェントの悪い所を言い当ててるなと思う箇所だった。

転職をした先では自分のマーケットバリューは上がるのか。

これから自分はどんな経験を積んでいけるのか。

を常々考えないと40代後半になった時にいきなり

「あなたには市場価値がないので残念ですが辞めていただくか降格です」

と言われるのがこの国の悪いところと「転職の思考法」では伝えている。

10年後に自分は肩たたきおじさんにはならないように、煽られず今の仕事が自分の市場価値に繋がるかを考えて生きていきたいと思った次第だった。


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