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2019 ヨルダン渡航記 PART④「難民支援の現場で奮闘する国連機関の方々」

>「将来は国連機関で働くんだ!」と一緒に頑張っている仲間には「途上国での衝撃的な原体験」や「ある人との運命の出会い」のようなものが存在することが多い。しかし自分は正直自分には、これ!といった明確なきっかけやバックグラウンドはなく、この問題を人生かけて解決したい!この地域に貢献したい!といった熱いパッションも特段ない。これはかなり引け目を感じている…。でもこの国際協力という分野が心底好きで、この先も絶対この世界で生きていくつもりでいます。その理由は単純にここで出会える人が大好きで、尊敬できて、自分を高めてくれるから。そこにつきます。国連機関で働ている方々の現場でのリーダーシップ、人間力、考え方は見ていて感動するものがあるし、一緒にそこを目指して頑張る同志たちもまた彼らに負けず劣らず芯の強い素敵な人だらけ。一緒にいると自分にもできる!自分もやらなきゃ!と思わせてくれて、自分の生きるモチベーションになってくれます。前置きが長くなりましたが、今回のテーマは自分もあこがれる、難民問題の未来を考え続ける国連機関の方々の働く現場、その生き様についてです。

 ここまで政府やNGOの働きを見てきたが、その支援の全体を捉えてコントロールし、そして未来を考えていける機関こそ国連であり国際機関である。今回の訪問では幸いなことに難民支援に関わるたくさんの機関でお話を聞くことができ、動いているプロジェクトの裏側や狙いについて聞くことができた。いくつか面白い点があったが、いちばん率直に感じたのは「国際機関は決して神聖で特別な組織ではない」ということだ。

 半年間社会人を経験してみて、これまで学生時代にインターンや訪問などで訪れた際はあまり目に入ってこなかったお金の動きや組織としての考え方が特に目についた。「プロジェクト選定のための徹底した調査と話し合い」や「実施者・裨益者・運営者の細かなサポート」、「効果を見極め次を検討するための評価・モニタリング」などは普通の会社以上に時間をかけて丁寧にやっていたし、予算もよくよく話を聞くとかなり限られた厳しい状況中でやりくりをしているようだ。ただ、組織や自分の仕事に対する揺らぎない使命感とプライドはかなりのものを感じたし、その意識がないと難民問題という答えのない問題への挑戦はできないのかもしれない。

 国連機関に共通していることは、SDGsの達成に向けたアプローチをしていることだ。複数の分野が絡み合い、どれから解決していけばいいのかわからないような状況の中で、しっかりとそれぞれの分野のレバレッジポイント(てこが働く部分)を見極めて対応している。SDGsが達成された状態は国の理想的な姿であり、それはどの国どの国民にも当てはまるものだ。

 インタビューに答えてくれたUNDPの方が強調していたのは、「どんな状況でもわれわれUNはその国の未来を見据えて活動する」点。支援やプロジェクトで人々をサポートし、いち早く自立できるようにリードしていく。ローカル人々にSDGsを知ってもらうことよりも、彼ら自身で健康で文化的な生活が送れるような、そして彼ら自身の手で事業が回っていくような状態が「持続可能な発展」にとって重要なのだともおっしゃっていた。お金をだす・ものをわたすだけではなく、未来を見据えてやり方・使い方を教えて定着させていく。

 そして興味深かったのが、「ここで働いていると自分自身も持続的に成長できる環境がある」とおっしゃっていたこと。インタビューではジェネラルな質問以外にも、仕事への意識・キャリアの選択・モチベーションの保ちかたなど個人的な質問を多く聞くことができた。その中で印象に残った言葉を7つ紹介する。

- 組織に必要とされる人に共通する能力  「専門性は入り口にすぎず、入ってからは疑問を持ち考え続けられる人が生き残る」

- 国連機関で活躍するために大事な要素        「ググったらなんでも答えが出るこの世の中で、そこに載っていない答えを探し続けるのが国際協力。考える力と洞察力が大事。」

- レベルアップのためにしていること  「日々変わる状況を知るために現場に出て、人や環境から変化を感じとって知識と結びつけていくことの繰り返し。究極の状態はすべての問題が自分事としてとらえられること。」

- キャリア選択の際に大事にしていること 「人生を振り返ったときに何を大事に人生の選択をしてきたのかが見える、説明できるキャリアになっているかどうか。」

- モチベーションを保つためにしていること「できることが増えてくるなかで、指示に従うだけでなく心の奥底にあるやりたいことを忘れずにゴール設定をしていくのがキャリアアップの秘訣。期待は越えていくもの。」

- キャリアの初期に大事にしていた考え方 「20代は何でもできます・やらせてください。30代はこれができます・やるべきは私です。が合言葉」

- 国連の仕事から学んだこと大事なこと  「一つ一つの出会いや小さな仕事をおろそかにしないこと。丁寧な心は自分を謙虚に保ち正しい道へと運んでくれる」

 どうだろう?この中から読者のみなさんに響く言葉はあっただろうか?自分自身をよく知り、止まることなく進み続けてきた方々の言葉には不思議と説得力がある。人生楽をすることや逃げることは簡単だが、自分を信じつづけた人にしか見えない素敵な世界を少し見せてもらった気がする。Sustainable Development Goalsの考え方は人間にも当てはめられて、その持続的な成長を実感できることが人生の充実感に繋がる。話を聞いてその意味を深く理解することができた。

〉今回も長文になってしまいましたが、読んでくださりありがとうございました!最後はかなり主観的な視点になってしまいましたが、①②③④のレポートを通して自分がヨルダンで感じてきたことや思ったことを共有したつもりです。これからも歩みを止めず夢に向かって頑張っていくので、応援よろしくお願いします!ご意見や感想もお待ちしています!

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