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【図解まとめ】『イシューからはじめよ』を図解で分かりやすく要約

どうも、マイペルです。

今回は、問題解決の名著『イシューからはじめよ』を要約していきます。
問題解決・ロジカルシンキングの分野ではかなり有名な本なので、ご存知の方も多いでしょう。

『イシューからはじめよ』はこんな人にオススメ

以下のような人には是非読んで欲しい本になります。

●情報を収集したり整理することは得意だけど、その情報をアウトプットに活かしきれていないと感じている人
●短時間で周りの驚くようなアウトプットを出せる生産性の高い仕事術を身に付けたい人
●基本的なロジカルシンキングの基本は身に付けていて、さらに論理的思考力を伸ばしたい人

『イシューからはじめよ』の目次

■序章 この本の考え方―脱「犬の道」
■第1章 イシュードリブン―「解く」前に「見極める」
■第2章 仮説ドリブン(1)―イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる
■第3章 仮説ドリブン(2)―ストーリーを絵コンテにする 
■第4章 アウトプットドリブン―実際の分析を進める
■第5章 メッセージドリブン―「伝えるもの」をまとめる

図解で重要ポイントをまとめ

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■著者情報
安宅 和人(ヤフー株式会社執行役員 事業戦略統括本部長)
McKinsey & Companyに入社した4年半後、イェール大学脳神経科学プログラムに入学。3年9ヶ月で学位取得した後、同社に復帰。10年以上に渡り消費者マーケティングに従事し、アジア太平洋地域において、飲料・小売り・ハイテクなど幅広い分野でのブランドの立て直し、商品・事業開発に関わる。2008年秋よりヤフー株式会社COO室室長として様々な経営課題のみならず新たな顧客視点でのサービスの創出に携わり、12年春より現職となる。脳科学×戦略コンサル×ヤフーのキャリアから、知的生産の全体観を描いた「イシューからはじめよ」を執筆。

■どんな内容が書いてある本?
生産性の高い人は仕事をする速度が速いわけではありません。
生産性の高い人と低い人の違いは、問題を解く前に、問題の「見極め」をしているかどうかです。
彼らは問題解決の際に、まず最初に解くべき問題を見極めてそこに集中しているから、短時間でも素晴らしいアウトプットを出せるのであると、筆者は言います。
この本では、そんな生産性の高い人の具体的な問題解決の流れを学ぶことができます。

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早速ですが、バリューのある仕事とはなんでしょうか。

バリューの本質はイシュー度(自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ)と解の質(そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているのかの度合い)の2つで成り立ちます。

バリューのある仕事とは、イシュー度と解の質の両方が高いものを指します。
そして、解の質よりもイシュー度の方が大事になります。
なぜなら、イシュー度の低い仕事はいくら解の質が高くても受益者(顧客・クライアント・評価者)から見たときの価値はゼロに等しいからです。

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では、どうやったらバリューの高い仕事ができるのか?

解の質を上げることでバリューの高い仕事に到達することはできません。これを著者は「犬の道」と言って避けるべきやり方だと主張しています。イシュー度の低い問題にどれだけたくさん取り組んで解を出しても最終的なバリューは上がらず、疲弊していくだけです。

正しいやり方は、イシュー度を上げて、次に、解の質を上げていくことです。

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イシュー度と解の質を上げてバリューのある仕事をするためには、5つのステップがあります。1つずつ見ていきましょう。

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問題はまず解くものだと考えがちですが、まずすべきは、本当に解くべき問題、すなわちイシューを見極めることです。

「これは何に答えを出すためのものなのか」を明らかにしなければ、後から混乱が発生して、目的意識がブレて多くの無駄が発生することになります。

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イシューの見極めでは、「やってみないとわからないよね」とは言わずに、「こんな感じのことを決めないとね」と言ったテーマ整理程度に止まらず、強引にでも前倒しで具体的な仮説を立てることが肝心です。

理由は以下の3つです。
①具体的にスタンスをとって仮説に落とし込まないと答えを出し売るレベルのイシューにならないから
「〇〇の市場規模はどうなっているか」では何に答えを出せばいいのか、何が正解なのか分かりません。「〇〇の市場規模は縮小に入りつつあるのではないか?」と一歩踏み込んだ仮説を立てることが大事です。
②必要な情報・分析すべきことがわかるから
仮説を立てることで、自分が何に答えを出そうとしているのかが明確になり、本当に必要な情報や必要な分析がわかります。
③分析結果の解釈が明確になるから
仮説がないまま分析を始めると、出てきた結果が十分なのかそうでないのか解釈できません。いたずらに労力がかかるだけです。

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イシューが見えそれに対する仮説が見えたら、次はそれを言葉にして表現することが大切です。

なぜなら、イシューを言葉で表現することで初めて自分がそのイシューをどのように捉えているのか、何と何についての分岐点をはっきりさせようとしているのかということが明確になるからです
(※人間は言葉にしない限り概念をまとめることができない生き物です。)

イシューと仮説を言葉で表現するときは以下の3つを意識しましょう。
①主語と動詞を入れる
②WhyよりWhere、What、How(Whyには仮説がなく、何についてはっきりさせようとしているのかが明確になっていない。)
③比較表現を入れる(「Aではなくて、むしろB」)

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以下の3つの条件を満たすものがよいイシューです。
①本質的な選択肢(答えが出ると今後の検討方向性に大きな影響を与える)
②深い仮説がある(ここまでスタンスを取るのか、というところまで一気に踏み込んでいて、常識を否定・覆すような洞察がある)
③答えを出せる(既存の手法、あるいは現在着手しうるアプローチで答えを出せる)

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イシューを特定する際に、知見や見立てのないテーマの場合は仮説を立てるための手がかりを集めましょう。

時間をかけすぎずに大枠の情報を集め、対象の実態についての肌感覚を持ちましょう。細かい数字よりも全体としての流れ・構造に着目することがポイントです。

この情報収集にもコツがあります。
①一次情報(誰のフィルターも通っていない情報)に触れる
いかに優れた情報でも二次的な情報は何らかの多面的かつ複合的な対象の一つの面を巧妙に引き出したものに過ぎません。
そこからこぼれ落ちた現実は、それを直接見ない人には認知できないのです。
②基本情報をスキャンする
世の中の常識・基本的なことをある程度の塊としてダブりも漏れもなく、素早くスキャンしましょう。
③集めすぎない・知りすぎない
意図的にざっくりやってください。情報収集の効率は必ずどこかで頭打ちになります。
また、情報がありすぎると自分ならではの視点がなくなって、知恵が出なくなってしまいます。

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次は解の質を高める作業ですが、この作業にはストーリーライン作りとそれに基づく絵コンテ作りの2つがあります。
ここでは、ストーリーライン作りを見ていきましょう。

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ストーリーライン作りとは、イシューの構造を明らかにして、その中に潜むサブイシューを洗い出すことです。

ストーリーライン作りには「イシューを分解する」という作業と「分解したイシューに基づいてストーリーラインを組み立てる」という作業の2つがあります。

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イシューは大きな問いなので、いきなり答えを出すのは難しいものです。
なので、答えを出せるサイズのサブイシューに分解しましょう。

その際にはダブりも漏れもなく、かつ、意味のある分解をすることが大事です。
また、多くの典型的な問題にはイシューを分解する型があり、それを使ってしのぐことができます。詳しくは本書をご覧ください。

イシューを分解することで、「課題の全体像が見えやすくなる」「サブイシューのうち、取り組む優先順位の高いものが見えやすくなる」というメリットがあります。

サブイシューについてもスタンスをとって仮説を立てましょう。
曖昧さを排除し、メッセージをスッキリさせるほど必要な分析のイメージが明確になります。

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分解したイシューに基づいて、ストーリーラインを組み立てていきます。
具体的には、分解したイシューの構造と、それぞれに対する仮説的な立場を踏まえ、最終的に言いたいことをしっかり伝えるために、どのような順番でサブイシューを並べるのかを考えるのです。

ストーリーラインは検討が進み、サブイシューに答えが出るたびに、あるいは新しい気づき・洞察が得られるたびに、書き換えて磨いていくものです。

◯立ち上げ段階:
何が見極めどころであり、一体何を検証するためにどのような活動をするのか、という目的意識を揃えるためにストーリーラインが活躍します。
◯分析・検討段階:
イシューに対する仮説の検証がどこまでできているのかが明確になります。
分析結果や新しい事実が生まれるたびに肉付けし、刷新していきましょう。
◯まとめの段階:
プレゼンであればサマリー、論文であれば最初の要約のベースになります。

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組み立てたストーリーラインはまだ言葉だけのものです。次は絵コンテ作りの作業です。

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「絵コンテ作り」とは、ストーリーラインの個々のサブイシューに対して、必要な分析・検証のイメージ(個々のグラフや図表のイメージ)をまとめてることです。

この時に大切なのが、大胆に思い切って描くことです。
どんなデータが取れそうかではなく、どんな分析結果が欲しいのかを起点に分析イメージを作りましょう。
これなら取れそうだと思われるデータから分析を設計するのは本末転倒です。

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絵コンテ作りは大きく「軸の整理」「イメージの具体化」「方法の明示」の3つの作業に分かれます。

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分析とは比較することです。対象同士を比べてその違いを見ることです。
分析では適切な比較の軸が鍵となります。どのような軸で何と何を比較するとイシューに答えが出るのかを考えましょう。

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分析の大半を占める定量分析ですが、実は分析の型は「比較・構成・変化」という3つしかありません。

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原因と結果から軸を考えてみましょう。
軸を考えるというのは原因側で何を比べるのか、結果側で何を比べるのかということです。

例えば、「ラーメンを食べる回数によって肥満度に差が出る」というのが検証したいテーマなら、チャートの横軸は「ラーメンを食べる回数」という原因の軸、縦軸は「肥満度を示す体脂肪率」という結果の軸になります。

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軸の整理が終われば、次は具体的な数字を入れて分析・検討結果のイメージを作っていく段階です。数字が入ったチャートをイメージで描いていきます。

そして、この際に比較による意味合いを表現しましょう。ここで言う「意味合い」とは、比べた結果、違いがあるかどうかです。

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どんな分析手法を使ってどんな比較を実現するか、どんな情報源から情報を得るのかを書いておきましょう。

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ついに実際に分析に入りますが、ここで重要なのが「いきなり飛び込まない」ことです。
最終的な結論や話の骨格に大きな影響力を持つサブイシューから手を付けましょう。それが本当に検証できるのかについて答えを出してしまいます。

重要な部分をはじめに検証しておかないと、描いていたストーリーが根底から崩れた場合に手がつけられなくなってしまうからです。

具体的には前提と洞察の部分が重要なサブイシューになります。

また、サブイシューについて検証するときにはフェアな姿勢で検証しなければなりません。
自分たちの仮説が正しいと言えることばかり集めてくるのはNGです。

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実際に手をつけてみると次々にトラブルが発生するものです。
このようなトラブルを予防するために、できる限りヘッジをかけておきましょう。

ここが崩れたら話にならないというような重要論点については二重三重の検証に向けた仕掛けを仕込んでおいて、1つや2つが転んでもなんとか全体としてのイシューを検証できるようにしておきます。

よくあるトラブルとして以下の2つがあります。

◯トラブル①:ほしい数字や証明が出ない
対策:構造化して推定する・足で稼ぐ・複数のアプローチから推定する(ことで対策をします。)
◯トラブル②:自分の知識や技では埒が明かない
対策:人に聞きまくる、解決のめどがつかなければその手法に見切りをつける(ことで対策をします。)

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イシュー、それを元にしたストーリーラインに沿って分析・検証が済んだら、あとはイシューに沿ったメッセージを人に力強く伝わるかたちで論文やプレゼン資料にまとめていきます。

具体的には「ストーリーラインの磨き込み」と「チャートの磨き込み」の2つのステップがあります。

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ストーリーラインを磨き込みは、3つの確認プロセスで行います。
①論理構造を確認する
全体のストーリー構造が論理的であるかどうかを確認する
②流れを磨く
リハーサルをやりながら手を入れていきます。
実際にチャートを手元に置いてめくりながら説明してみると、流れが悪いところ、締まりがないところ、補強が必要なところがすぐに分かります。
ストーリーの修正を行って、「わかりやすい」「聞いていて引っかかるところのない」ストーリーにしていきます。
③エレベーターテストに備える
20〜30秒程度で概要を簡潔に説明できるかどうかをテストしましょう。
このテストによって自分がそのプロジェクトや企画、論文についてどこまで本当に理解し、人に説明しているかについて測ることができます。

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ストーリーラインを磨きこんだら、チャートの磨き込みです。メッセージ・タイトル・サポートの3つの要素を揃えて、情報源を書いてください。

以下の3点を意識すると、優れたチャーを作ることができます。
①1チャート1メッセージを徹底しましょう。
②縦と横の比較の軸を磨いてください。
サブイシューに答えを出せる明確な比較にします。
③メッセージと分析表現を揃えましょう。
同じ構成のチャート・図表であっても様々な表現方法があります。メッセージと分析表現を揃えるとは、メッセージを明確に検証できる、分かりやすい分析表現に磨き込むことです。

ここまでできればメッセージドリブンのステップも終了です。
もう一度、誰かを前にしてプレゼンしてみて、問題がなければ作業は終了です。

ぜひ一読してみてください

『イシューからはじめよ』はちゃんと読み込んで、中身を身につければ、間違いなく問題解決スキルをグッと上げてくれる本だと思いました。

ぜひ一度手に取ってみてください。

以上になります。

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