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令和5年-健保法・問6-D「少年院等にある場合の給付制限」

今回は、令和5年-健保法・問6-D「少年院等にある場合の給付制限」です。

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被保険者又は被保険者であった者が、少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき又は刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたときのいずれかに該当する場合には、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は行わないが、その被扶養者に係る保険給付も同様に行わない。

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「少年院等にある場合の給付制限」に関する問題です。

次の問題をみてください。

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【 H22-4-E 】
被扶養者が少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき、疾病、負傷または出産につき、その期間に係る保険給付はすべて行わない。

【 H29-7-D 】
保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁された場合には、被扶養者に対する保険給付を行うことができない。

【 H13-4-B[改題]】
被保険者が刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき、埋葬料(費用の支給を含む。)を除き、被保険者及び被扶養者に対してその期間に係る給付は行われない。

【 H26-8-C 】
保険者は、被保険者が少年院その他これに準ずる施設に収容されたときには、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)を行わないが、被扶養者に係る保険給付を行うことは妨げられない。

【 H10-7-C[改題]】
被保険者が刑事施設等にいるときは、公費負担があることからすべての保険給付が制限されるが、その場合においても、被扶養者に係る保険給付が制限されることはない。

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「少年院等に収容されている場合の保険給付の制限」に関する問題です。

被保険者や被扶養者が少年院等の施設に収容されたときは、保険給付が制限されます。そして、制限されるのは、収容されている者に限られます。収容されていない者について制限する必要はありませんから。

【 H22-4-E 】では、「保険給付はすべて行わない」としています。
被扶養者が少年院等の施設に収容されたときは、その収容された被扶養者に関する保険給付(疾病、負傷又は出産に関するもの)は、行われませんが、「被保険者」や「他に被扶養者がある場合における、その被扶養者」に関する保険給付は制限されません。したがって、誤りです。

【 R5-6-D 】【 H29-7-D 】【 H13-4-B[改題]】の3問では、「被保険者(又は被保険者であった者)が刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されている」という状況で、被扶養者に関する保険給付も行わないとしています。
いずれも誤りです。
被保険者が刑事施設等に拘禁されていても、被扶養者に関する保険給付は制限されません。
なので、「被扶養者に係る保険給付を行うことは妨げられない」とある【 H26-8-C 】は、正しいです。

それでは、【 H10-7-C[改題]】ですが、こちらは、「被扶養者に係る保険給付が制限されることはない」としています。この点は正しいです。
ただ、被保険者に関して「すべての保険給付が制限される」としています。制限されるのは、「疾病負傷又は出産」に関する保険給付です。
これらについては、公費により面倒をみてもらうことができるからです。一方、死亡については、そうではないので、健康保険から保険給付は行われます。
ということで、【 H10-7-C[改題]】は誤りです。

それと、【 H26-8-C 】に「傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る」とあります。
これは、未決拘留中の期間は支給を制限せず、刑が確定した後について、支給を制限するということを意味していて、そのとおりです。

この規定については、これらの問題にあるように、誰が制限の対象となるのか、どの保険給付が制限の対象となるのか、どちらも論点にされるので、出題されたときは、どちらについても、問題文をしっかり確認しましょう。

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