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令和4年賃金構造基本統計調査<企業規模別にみた賃金>

今回は、「企業規模別にみた賃金」についてです。
 
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企業規模別に賃金をみると、男女計では、大企業346.0千円、中企業311.4千円、小企業294.0千円となっている。
男女別にみると、男性では、大企業386.7千円、中企業341.6千円、小企業319.8千円、女性では、大企業274.6千円、中企業262.5千円、小企業248.4千円となっている。
 
企業規模間賃金格差(大企業=100)は、男性で、中企業88.3、小企業82.7、女性で、中企業95.6、小企業90.5となっている。
 
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企業規模別の賃金については、大企業のほうが中小企業より高いということはわかるでしょう。
 
では、どれくらい格差があるのかといえば、男性の方が格差が大きく、大企業と比べて中小企業は80から90の間となっています。
女性は、90から95程度となっていて、格差が小さいです。
 
この点について、次の出題があります。
 
【 H23-3-D 】
賃金カーブの企業規模間格差は、1990年以降、拡大する傾向にある。それは、大企業が経営合理化によって生産性を向上させ、支払能力が高まったのに対して、中小企業では大企業ほど生産性が上がらなかったためである。
 
この問題は、「平成22年版労働経済白書(厚生労働省)」からの出題のため調査結果だけではなく、その分析についても加えた内容ですが、「拡大する傾向にある」というのが誤りでした。
白書では「1990年以降、概ね格差縮小の方向に進んでいる」とし、その上で、「今まで相対的に長かった大企業の勤続年数が低下し、中小企業との差が縮まったことが、賃金カーブの企業規模間格差の縮小につながっていると考えられる」としています。
 
「賃金構造基本統計調査」では、このような分析まではしていないので、まずは、企業規模別に賃金カーブをみると、男女いずれも企業規模が大きいほど賃金カーブの傾きは大きくなっている、そして女性より男性の方が大きくなっているということを知っておきましょう。

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