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令和5年-労災法・選択「休業補償給付」

労災保険法

休業(補償)等給付の待期

今回は、令和5年-労災法・選択「休業補償給付」です。

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労災保険法第14 条第1項は、「休業補償給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病による( A )のため労働することができないために賃金を受けない日の第 ( B ) 日目から支給するものとし、その額は、一日につき給付基礎日額の( C )に相当する額とする。

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「休業(補償)等給付の待期」に関する問題です。

次の問題をみてください。

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【 H17-4-C[改題]】
休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付は、業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による傷病の療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給される。

【 H12-3-B 】
休業補償給付は、労働者が業務上の傷病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の属する週の翌週から支給される。

【 H30-5-A 】
休業補償給付は、業務上の傷病による療養のため労働できないために賃金を受けない日の4日目から支給されるが、休業の初日から第3日目までの期間は、事業主が労働基準法第76条に基づく休業補償を行わなければならない。

【 H21-4-A 】
休業補償給付は、業務上の傷病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給されるが、それまでの3日間については、労働基準法第76条により使用者が直接に休業補償を行わなければならない。

【 H15-4-A 】
労働者が業務上の傷病による療養のため労働することができないために賃金を受けない場合には、その第1日目から第3日目までは使用者が労働基準法第76条の規定に基づく休業補償を行い、第4日目からは休業補償給付が支給される。

【 H24-2-E 】
休業給付が支給されない休業の初日から第3日目までの待期期間について、事業主は労働基準法に基づく休業補償の義務を負わない。

【 H15-4-B 】
労働者が通勤による傷病に係る療養のため労働することができないために賃金を受けない場合には、使用者による休業補償はないが、給付費用の一部負担金に相当する額を減額した休業給付が第1日目から支給される。

【 H8-2-C 】
 労働基準法上使用者に補償義務が課されていない通勤による傷病に基づく休業についても、休業給付は待期期間3日間を経過した第4日目から支給される。

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「休業(補償)等給付の待期」に関する問題です。

休業補償給付、複数事業労働者休業給付、休業給付いずれについても支給開始は、「療養のため労働することができないために賃金を受けない日」の4日目からです。
ですので、【 H17-4-C[改題]】は正しく、【 H12-3-B 】は誤りです。「翌週から」ではありません。
【 R5-選択 】のBの答えは「」です(Aの答えは「療養」、Cの答えは「100分の60」です)。
この点は、基本中の基本です。絶対に間違えてはいけません。

そこで、待期期間中について、
労働基準法の休業補償を行わなければならないのかどうかといえば、
業務災害の場合には、当然、使用者に補償の義務があります。
複数業務要因災害については、それぞれの就業先の業務上の負荷のみでは業務と疾病等との間に因果関係が認められないことから、いずれの就業先も労働基準法上の災害補償責任は負いません。
通勤災害については、通常、事業主に直接的な責任はありませんから、災害補償を行う必要はありません。

【 H30-5-A 】【 H21-4-A 】【 H15-4-A 】は、待期期間中は労働基準法の規定に基づき休業補償が行われることを出題したものです。
いずれも、業務災害による「休業補償給付」に関するものですから、そのとおり正しいです。

 
【 H24-2-E 】【 H15-4-B 】【 H8-2-C 】は、「休業給付」とあるので、通勤災害の場合です。
【 H24-2-E 】は、待期期間中、「事業主は労働基準法に基づく休業補償の義務を負わない」としているので、正しいです。
【 H15-4-B 】ですが、「使用者による休業補償はない」という箇所は、そのとおりです。
ただ、だからといって、休業初日から休業給付が支給されるのかといえば、それはありませんよ。もちろん誤りです。

休業補償は、労働基準法の規定に基づくものであって、労災保険法で規定しているのではありません。
ですから、労災保険制度内において休業補償給付と休業給付とで支給開始時期に差をつけるなんてことはありません。
いずれも4日目から支給です。

ということで、【 H8-2-C 】は、正しいです。

「休業補償給付・複数事業労働者休業給付・休業給付の待期」、
それぞれで出題されれば、その間、使用者に休業補償の義務があるかどうか、判断することは、難しくないので、間違えないかと思います。
ただ、労災保険法の問題、
「休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付は・・・」というように、3つを並べて出題してくるってことがあります。
このような場合、いずれの扱いも考える必要があります。
問題文をしっかり読まず、「休業補償給付」だけのことなんて思い込んで、間違えてしまわないよう、注意しましょう。


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