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猫と子ども

2年前の秋、実家の猫が亡くなった。

私が小学校に上がってすぐ、お姉ちゃんがバイト先のスーパーに捨てられている猫を引き取った。
「美桜(みお)」と名付けられた猫は、メス猫だと間違えられたが、オス猫だった。

私が小学生のときは、私のごっこ遊びに付き合ってくれ、中学生のときは、殴り合い蹴り合いのケンカをし、高校生のときは、親分と子分のような関係性だった。(もちろん、私が子分。)

兄弟のように育ってきた美桜だが、私が大学生のときには、明らかにおじいちゃんだった。

昔のように、引っ掻かれたり、噛まれたりしなくなったのは嬉しいけれど、いつも寝てばかりで、ゆっくりゆっくり歩いていた。
カリカリの餌も食べられなくなったので、お湯でふやかしたカリカリを潰してあげた。

昔は、肥満気味だった身体もやせ細っていったので、食べられるものをできるだけ食べさせるために、チュールを混ぜるなど工夫もした。

姪っ子や甥っ子の子守りも経験した美桜は、姪っ子と甥っ子からも可愛がられていた。
とても不思議に感じるが、美桜は、赤ちゃんや小さな子どもにどれだけ引っ張られても叩かれても、攻撃しなかった。

姪っ子のごっこ遊びにも付き合い、甥っ子と畑の散策もした。

動物病院に行く頻度も増え、薬の量も増え、垂れるヨダレが血と混じって、茶色くなったある日、家族みんなに看取られながら、お空に行った。

当時2才の甥っ子は、ときたま、「みおが しんじゃって かなしいねぇ」と言った。

4才になった甥っ子に、先日、「美桜のこと覚えてる?」と聞くと、「わかんない」と言った。
美桜のことを忘れていた。

それが、とっても悲しかった。

でも、不思議なことに、甥っ子は、猫が大好きだ。
家で動物を飼いたいと話すことがあるが、必ず「にゃんちゃんがいい」と話す。

美桜が、甥っ子の子守りをしたこと、遊んだこと、甥っ子が覚えてなくても、猫は安心できる存在であるのではないかと信じている。

美桜には、年上の彼女がいる。(笑)
長毛の大人しい猫のチョコちゃん。
美桜の亡くなる2年ほど前に、お空へ旅だった。
きっとお空で、2人仲良く遊んでたら嬉しいな☺️

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