6月26日 砂肝
砂肝が好きだ。今この瞬間にも食べてる。その割には、「砂肝」って何だと、「肝」はわかるとしても「砂」とは何事だと思ったりするわけだが、そんなもんはちょろっと調べればざっくりとした知識はすぐに得られる。情報技術革命により、人類は砂肝についていつでもどこでも調べられるようになった。
要は歯もろくにないような生き物が、臓器の中に砂をためといて、それを利用して飲み込んだ食べ物を小さく砕いて消化しやすくするってなことらしい。正式には「砂嚢(さのう)」っていうらしい。「陰嚢」の「嚢」だ。
しかしこの、砂肝を好んでよく食べてる自分の状況は、よく考えたらなかなかすごいんじゃないかと思ったりする。例えば、人間の脾臓だけを好んで食う生き物がいたらどうだろう。それはもう妖怪じゃないか。
自分は、鳥の砂嚢を抜き取って食べる妖怪だ。さらにもう一つ情報を追加するなら、鳥は今や学術的には「恐竜」に分類されるらしい。専門家たちが寄ってたかって、知れば知るほど違いがわからんと判断したんだから、まあそうなんだろう。恐竜は厳密には絶滅してない。今こうして、その臓器の一つがこんがりと焼けて我が眼前にある。
「恐竜の砂嚢を好む」
この性質はもう妖怪すら通り越して、かつて地球を支配した巨人族の中でも物好きで知られた巨人、みたいなあれだろう。砂肝はすごい。
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