6月3日 タイムスリップ

ゴジラへ向けて(もう観たけど)過去作も軽く見返したりなんかしてたわけだが、その一環でかなり久しぶりに91年公開の「ゴジラvsキングギドラ」を観た。

はじめて観た時は幼稚園の頃で、たぶん劇場じゃなくてビデオかテレビだったと思う。ストーリーはほとんど覚えてなかったが、ひとつ確かなのは、これが当時の自分にとってはちょっとしたトラウマ映画だったってことだ。

何か未来からサイボーグがやってくる的な話で、チャック・ウィルソン扮するそのサイボーグが車に乗って逃げる主人公たちを走って追いかけてくるっていう描写があったはず。それがすげえ怖くて、鑑賞以来しばらくの間、車に乗って出かけるたびに後ろからチャック・ウィルソンが追いかけてくるんじゃないか心配で後部座席からしきりに後ろを確認してた記憶がある。

それから20年以上経った今、そのシーンがどう見えるものなのか。それが一番気になってた。で、映画がはじまってすぐに気づいた。追っかけてくんのチャック・ウィルソンじゃねえな、と。変な色のスーツの下から隆々たる筋肉の気配をムキムキと放っているチャック・ウィルソンは、シャープなフォームで疾走してくる記憶の中のサイボーグとはかけ離れてる。そしてその横にもっとシュッとした、っていうかもうターミネーター2のT-1000だよねって感じの(公開日は4ヶ月くらいしか違わないみたいだから参考にしたかはわかんないけど)やつがいて、絶対こっちだなっていう。

結局やっぱりそいつが走ってくるサイボーグだったんだけど、そのシーンもバストアップだけ映して背景を早回しして速く走ってるように見せるだけっていうあっさりしたもんで。これの何が怖かったんだとも思うし、とは言え自分の頭の中では超人的なスピードで迫ってくる様がばっちり全身映った状態で記憶されてたってのは、なかなか素敵じゃないかとも思う。あの頃の自分にとっては、ちゃんと走ってた。怖かった。ついでに経年変化でチャック・ウィルソンにすり替わった。

ちなみに、この映画にはケント・ギルバートもちらっと出てたりなんかして、色々時の流れを感じたな。ついでにダニエル・カールも出てた。こっちは別にどうでもいい。あとチャック・ウィルソンがサイボーグ連れて未来からタイムスリップしてきた理由が「繁栄しすぎた日本が手のつけられない大帝国になってしまう未来を変えるため」っていう、今となっては悲しいほど無邪気な設定だったのもたまらなかった。心配すんな、こっから勝手にしぼんでくから。

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