文体シャッフルREAL「出会い」

< こんにちは、東洲斎先生です

< 今回は、noteの狭間から文体シャッフルの解説をお届けします

< Imerimo氏の作品はこちら、10番でございます

出会い

< 原稿用紙に書くという条件の中で……

< え?ネタも文も伝わらない?それでは。


東洲斎享楽さんにはお帰りいただき、ここからは普通に書かせていただきます。改めまして、今回はリアルイベント「収デン5」に合わせて、原稿用紙に書いて手渡しするという条件でした。参加のハードルと合わせて、SNS等から筆跡を照らし合わせれば特定がしやすい回だったのではないかと思います。
して、何を書くかですが、何ができるかから考えたほうが楽しいでしょう。ということで、原稿用紙ならではの手法を考えました。通常回では、wikidot構文も文字数制限に含まれるため、あまり複雑なことはできません。ページ読み込み構文を使うにしても、wiki内に別ページを作らないといけなかったんじゃないかな。今回に限っては、欄外に絵を書くとか裏側を使うとか、なんなら破くとかやり放題だったわけです。とはいえ、展示は1枚写真なのでそちらでも制限がかかっていますね。
私の解ですが、通常の原稿用紙には中央に区切りがありますね。これと出会いを合わせようかな、と。そこから左右にいる二人の人物が、中央まで渡って逢瀬を交わす、と繋げました。ここまで来たら、中央で分断される二人とは七夕に登場する彼ら、というところまで到達します。七夕伝説では、二人は1年に一度だけ鵲(カササギ)の橋に支えられて会えるといいます。ここからまた繋げて、原稿上の文字を渡ってもらおう、という結論ができました。
思いつくのと書き上げるのは別なもので、なかなか難しいものがあります。まずスタート地点はそれぞれの1文字目としましたが、当然伝わらないので仕方なく◯をつけることに。普段なら許されざる行為ですが、特別回だもんね。次に問題として成立させる工夫ですが、渡れるものの区別は明確な必要があります。暗号じゃなくてパズルだものね。そこで、漢字とひらがなという区別をつけました。そうしたら今度は、経路がとっても作りにくいんですね。漢字にしたら四字熟語を使ったり、ひらがなにしたら集まり過ぎるのを避けたり。あと、真ん中を天の川に見立てるのならそこを越える真似はできないはずですが、書く方法もないのでゴールに印をつけることに。どうせなら破くなり星を書くなりすれば綺麗だったかも。ただ、表示デバイスの違いでずれが起きないのは良かったですね。パソコンで書かれた縦読みとか、スマホでずれてるのを見ると悲しくなります。
文章についてです。何百年も生きる二人がどんな口調になってるのかは知りませんが、まあ現代語訳ということで。「すたゐる」はまあ、中国の人ということでどうか。遠距離恋愛で年一しか会えないってのは、あんまり燃えるような恋にはならないんじゃ?と考えて書き始めました。そんなわけで、出会いを覚え続ける彦星、出会いが薄れてる織姫という対比にしました。乗るものが逆なのも発想に繋がってるかも。ただ、文ではそう書いてあっても、実際彼らは毎年ずーっと会い続けているようですから、形は変われどちゃんと愛し合っているのではないか?というのが最終的な感想です。
せっかくなので他の作品についても。文体シャッフルとの出会い、遺書との出会いなど色々ありましたね。ギミック持ちに注目すると、すれ違う二人はとっても好きです。これは、私よりも普段じゃ絶対できない度合いが高くて素敵。短歌指示は、なんだろうこれ。欄外使ってるし、読み解けていない。国語の授業の課題かな。幾つものわかれ道は、部分部分は読めているけど全体像が把握できていない。時間遡行理論の中で、幾つもの分岐点を選ぶ話かな?これもデバイスずれができないタイプですね。

暗号学園のいろはの話に入らせていただきますね。作品を書く前に5巻買ったんですけど、いやー面白いね。私も暗号兵に、えー。なりたくはないけど、彼女らと競いたいかも。では実際、私はどのへんに位置するかを考えたいな。ちょうどいいので今回ので比較しますと、思いつくのに10分、分を書き上がるのに1時間かけました。34話で濃姫家雪さんは、鬼ごっこの中で30秒かけて81文字の「歌」を作り上げ、出題としていました。解き方も文字を並べて特徴を探るから似たようなもんです。紙を使ってない時点で次元が違いますが、まあそこは。思いつくのは事前にできたかもしれませんが、文の整えは30秒使ってやってたと思います。比較すると、1/5の文量を1/120の時間で組み上げたわけです。と思ったけど、あの歌ロシア語でもなさそうですし、調べた感じただ適当な文字列っぽいな。世界観の説明が実は怪しい作品なので、作中ではちゃんと意味の通る言葉である可能性もあります。西尾維新先生が作った際の難易度はともかく、もし彼女が意味の通る文を歌っていたとするなら、その速さは単純計算でImerimoの24倍ということになります。更に、彼女はそこに3通りの暗号を仕込み、3人がかりの奇襲を跳ね除けるという離れ業も見せています。大事なのは2や4じゃだめなことですね。ただ、ここに関してはゴールを一通りに定めた私も負けてはいないはず。よってここでは差がつきません。最後に年齢ですが、彼女は高1(推定)です。高1の私が今と同じものを作れたかというとたぶん無理なので、そこはまあ育ちの違いが出てるのでしょう。おお、文が意味を持たなかった場合、意外と張り合えていますね。ただおっかないのは解く側で、答えが3つもあるとはいえ、30秒以内に81文字を頭の中で並べ、その特徴を解析できています。なんか皆さん、頭の中でものを並べる訓練してるんですかね?ということで、雑学の不足も相まって、解く側に関しては全く並べないでしょう。無念。

ということで、「誰でも解ける問題」を目指した今回でした。以前読んだ暗号文体に触発され、いつか返歌を書こうとは思っておりました。私の好みが入ってるから、どっちかというとパズルなんだけどね。次は、パズルに逃げずに暗号に向き合いたいです。せっかく出会ったんだものね。

それでは。

ところで、皆さんファイブレインと出会わない?

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