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1日1分歴史小話(無料メルマガ)

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2018年4月の記事一覧

#0199【天才は一日にしてならず(ナポレオン①、フランス革命)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 フランス革命シリーズ。今週で遂にフィナーレを迎えます。 これまでフランス革命の勃発から革命初期・中期の流れを代表的な複数の人物を取り上げて紹介してきました。 前回のフランス革命シリーズでは、 No.178【恐怖政治からの保身・反動(バラスとナポレオン)】 No.179【力の源泉(シェーエスとナポレオン)】 No.180【会議は踊る(タレーランとナポレオン)】 とナポレオンに関連する人々を通してフランス革命を見てきました。

#0198【改革者の末路と改革の栄光(商鞅②、中国)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週は中国の史記から壮絶人生を紹介していますが、商鞅という人物の続きです。 (前回:No.197【才知を活かす若者(商鞅①、中国)】) 新天地の秦に辿り着いた商鞅は、秦の王様のお気に入りの側近に近づきます。 彼の執り成しで王様への面会の機会を得ますが、その際に商鞅は、側近に三度の機会を設けて欲しいと依頼します。 側近は、商鞅に対して、あなたが優れた知恵者であれば一回で済むのではないかと訝しみますが、商鞅がそれなりの謝礼を

#0197【才知を活かす若者(商鞅①、中国)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週は中国の史記から壮絶な人生を歩んだ人物を紹介しています。 今回は商鞅(しょうおう)を取り上げたいと思います。 商鞅は本名を公孫鞅(こうそんおう)といい、公孫が姓です。商は、彼が後に領地としてもらった土地名です。 徳川光圀のことを領地にちなんで、水戸光圀と呼ぶようなイメージです。 ここでは商鞅で通したいと思います。 さて、この商鞅、若い頃から優秀な人物でした。特に中国戦国時代における黄河中流域にあった新興国家「魏(ぎ

#0196【信念に生きた理想の兄弟(伯夷・叔斉、中国)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週は中国の史記から壮絶な人生を歩んだ人物を紹介していきたいと思います。 最初は、伯夷(はくい)と叔斉(しゅくせい)の二人の兄弟を取り上げます。 この二人の兄弟は理想的な兄弟として、中国史記だけでなく論語や儒教の世界で取り上げられています。 彼らはまず、兄弟で王位を譲り合うという姿を見せます。 父親は、長男の伯夷よりも三男坊の叔斉をとても愛しており、長幼の序を乱してでも叔斉に王位を継がせようと考えていました。 ちなみに

#0195【生類憐みの令が目指したものとは何か(徳川綱吉③)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週は、徳川幕府の歴代将軍の中でインパクトの強い「生類憐みの令」を出した徳川綱吉を全三回に亘って紹介してきました。その最終回です。 (前回:No.194【ワンマンになるには仕掛けが必要さ(徳川綱吉②)】) 側用人というシステムを導入することにより、老中たちの言いなり人形から解放された徳川綱吉は独自の政策を進めていきます。 綱吉が将軍となったのは1680年。1615年の大坂の陣以降も1637年に島原の乱や1651年の由井正雪

#0194【ワンマンになるには仕掛けが必要さ(徳川綱吉②)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週は、徳川幕府の歴代将軍の中でインパクトの強い「生類憐みの令」を出した徳川綱吉を全三回に亘って紹介します。第二回です。 (前回:No.193【あくまでも中継ぎとしてのトップの座(徳川綱吉①)】) 中継ぎ、ピンチヒッターとして将軍に就任した徳川綱吉ですが、彼は自分の理想の政治を実施したいとの思いを持っていました。 将軍になる前には館林一帯の大名でした。 また、学問への造詣も深く、特に儒学の教えについては自ら講義を行うまで

#0193【あくまでも中継ぎとしてのトップの座(徳川綱吉①)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週は、徳川幕府の歴代将軍の中でインパクトの強い「生類憐みの令」を出した徳川綱吉を全三回に亘って紹介していきたいと思います。 家康以降に将軍には以下の順序で就任していきます。 家康の息子:徳川秀忠(二代将軍) 秀忠の息子:徳川家光(三代将軍) 家光の息子:徳川家綱(四代将軍) 徳川家綱は跡を継ぐ男子不在のままでこの世を去ります。 そこで将軍に就任したのが徳川綱吉です。 彼も家光の息子であり、家綱の弟にあたります。 家光には

#0192【見えない相手との格闘(旧約聖書、ヤコブの脱走と改名)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 さんざんラバンの元でこき使われたヤコブですが、遂にラバンの元を脱走することを決意し、行動にでます。 (前回:No.191【欲に目がくらんで騙される(旧約聖書、ヤコブの結婚)】) <>内は旧約聖書からの引用を基に記述。 <ヤコブは全ての財産と家族を連れてラバンの元を立ち去ります。 ヤコブが出発してから三日目にラバンはヤコブの脱走を知ると追跡を始めました。 やがて、ラバンはヤコブ一行に追いつきますが、その晩の夢で神から

#0191【欲に目がくらんで騙される(旧約聖書、ヤコブの結婚)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 何とか父母の土地から伯父ラバンの土地へとやってきたヤコブは、ボロボロになりながら羊の群れを率いている一団と出会います。 (前回:No.190【流謫の先の再起をかけて(旧約聖書、ヤコブの出発と夢)】) <>内は旧約聖書からの引用を基に記述。 <ヤコブがその一団の人物に問いかけると「ラバンなら、娘のラケルと共にもう少ししたら羊を連れてやってくるでしょう。」とのこと。 ヤコブが彼らと話しているうちにラバンとラケルがやってきて

#0190【流謫の先の再起をかけて(旧約聖書、ヤコブの出発と夢)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週は、旧約聖書の物語シリーズをお送りします。 前回の【0174:父母兄弟。入り乱れる家族の愛憎(旧約聖書、エサウとヤコブ②)】の続きとなります。 父イサクをだまして長子エサウが受け継ぐべき祝福を受け取った弟ヤコブ。 憤慨したエサウはヤコブを憎み、父が亡くなった後に必ずヤコブを殺してやると誓います。 それを知った母リベカは、ヤコブを自分の兄ラバン(ヤコブたちの伯父)の元へ逃亡するよう勧めました。 <>内は旧約聖書からの引

#0189【鬼の居ぬ間に新興勢力(悪党の登場と日本経済史、日本史通史)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 月初の日本史通史シリーズですが、前回までで鎌倉幕府と京都朝廷のどちらも疲弊或いは対立している組織だということを確認しました。 (前回:No.188【犬も食わぬは骨肉の争い(分裂する天皇家 、日本史通史) 】) 一方で庶民たちの暮らしはどうだったのでしょうか。 御家人(鎌倉幕府に仕える武士)や京都の天皇家や公家たちといった体制側に属さない人々がいました。 彼らのことを悪党・海賊といいます。 単に道徳的な意味合いでの「悪

#0188【犬も食わぬは骨肉の争い(分裂する天皇家 、日本史通史) 】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 さて、前回は困窮していく御家人、鎌倉幕府の武士たちを見ていきました。 (前回:No.187【無い袖は振れないけれど(御家人の没落と徳政令、日本史通史)】) 今回は鎌倉幕府に承久の変以降押され気味の京都朝廷の状況にフォーカスを当てたいと思います。 1221年の承久の変で後鳥羽上皇は倒幕を計画しますが、失敗。鎌倉幕府は後鳥羽の兄にあたる守貞親王の息子を天皇とします。 後堀川天皇といいますが、彼の系統は息子の四条天皇の代で途絶

#0187【無い袖は振れないけれど(御家人の没落と徳政令、日本史通史)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。 今週は月初の日本史シリーズです。 見事、大陸を制覇したモンゴル主軸の元寇を退けた鎌倉幕府でしたが、大きな問題に直面します。 (前回:No.177【元寇、弘安の役)】) それは命を懸けて戦った御家人(鎌倉幕府に従う武士たちのこと)にどう報いるのか。恩賞問題です。 元寇は文永の役と弘安の役に分かれていますが、文永の役の後にも恩賞問題が勃発します。 現熊本在住の御家人だった竹崎季長(すえなが)は自分の功績を認めてもらおうと鎌