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20180219社説から見る現代日本

本日のあえてのオススメは朝日の「新出生前診断 妊婦を支える態勢を」です。

多様な社会、多様性を重んじることは社会にとって柔軟性をうみ、長期的にみたときに単一化・均質化された社会よりも存続確立が高まります。

以下、朝日社説からの引用です。

「妊婦の血液を採取し、染色体異常を調べるこの検査には、十分な理解を欠いたまま中絶する人が増え、命の選別につながりかねないといった懸念が、以前からある。そのため、カウンセリング機能を備えた認可施設でのみ行われてきた。

いまは全国に89カ所あるが、希望しても検査を受けられない人がおり、学会の指針に従わない無認可施設に流れている。放置してよい問題ではない。

これまで公表されたデータでは、検査で異常が確定した妊婦の9割以上が中絶を選択している。初めに陽性とされながら、詳しく調べたら異常がなかった「偽陽性」も約1割あった。

妊婦に適切に情報が提供され、それをもとに冷静な判断がなされたか。学会はこの間の実態を調べて、検証・公表すべきだ。「臨床研究」と位置づけてきたのだから、社会に対する当然の責務である。

(中略)

「障害のある子は不幸だと勝手に決めつけないでほしい」。こんな当事者たちの切実な声も大切にしたい。

(中略)

中絶を選択した妊婦の多くは、それぞれ悩んだうえでの決断だろう。周囲が口を差しはさめる問題ではない。

とはいえ、先の9割以上が中絶という現実は、人々が「いまの社会では障害のある子を安心して育てられない」「家族の負担が大きい」と感じていることを映し出しているといえる。

多様な「生」を認めない窮屈な世の中にしないために、どうしたらいいか。この検査が広がっていく前に、一人ひとりが考えるべき重い課題である。」

<社説一覧>
日経:再エネの自立に向けてコスト低減を急げ/インフルエンザ拡大を防ごう
http://www.nikkei.com/news/editorial/

読売:相続法改正要綱 残された配偶者守る手立てに/連合フォーラム 雇用と待遇の改善が最優先だ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/

産経:専守防衛 国民守れぬ戦略は見直せ/米民間ロケット 開拓者精神を見せつけた
http://www.sankei.com/column/newslist/editorial-n1.html

毎日:ロシア大統領選まで1カ月 選択肢なき選挙の危うさ/70歳以降からの年金受給 個々人に応じて柔軟性を
https://mainichi.jp/editorial/

朝日:新出生前診断 妊婦を支える態勢を/米予算教書 赤字膨張に潜む危うさ
http://www.asahi.com/news/editorial.html

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