情報社会へのアンチテーゼとして「#新元号知らないチャレンジ」をやってみた結果
これだけインターネットが普及し、社会のインフラとなっている現代。
紙がメインの媒体だった時代と比べて、いろんな情報を手に入れることが容易になりました。なんといっても無料だし、速い。
そんな情報社会の2019年において「あえて情報を遮断することはできるのか?」を試してみることにしました。
題して「#新元号知らないチャレンジ」(ハッシュタグつけたけど2人しかやってない)。
知ることが簡単になった世界で、人はどれくらい「知らずにいられるか」。
…
結果を言ってしまうと、たったの3時間でした。知らないでいるの、難しすぎ…。
最も警戒していたのはSNSとテレビ
自分はフリーランスなので職場に通勤することがなく、同僚や上司もいない。だから、人との会話の中で知ってしまうようなことは多分ない。
ただ、SNSとテレビについては本当に積極的に遮断しないと自動的に情報が入ってきてしまう。
SNS:ニュースアプリ、メルマガの類も含む。ダイヤモンド・オンラインや日経ビジネスなどのメルマガは最速で送ってくるだろうし、SNSはタイムラインを見なくても通知されるから危険だ。
テレビ:基本的にどのチャンネルでも元号発表の速報をやりそうだ。見なくても音声で知ってしまうかもしれない。
よって、ひとまず上記2つを対策することにした。
SNSの対策
まずはスマホからGmail、Twitter、Facebookアプリをアンインストールしておく。いつも開きっぱなしになっているMacのTwitterクライアントも閉じておく。
元号に乗っかってお知らせしてきそうなLINE@も一時的にブロックして万全を期す。
※TwitterとFacebookは仕事の連絡で使うこともあるため、事前に「新元号知らないチャレンジやるので、連絡はメールかSlackで」と宣言しておく。
テレビの対策
テレビを置いていないので、家にいる間は対策不要。しかし外出先で見てしまう可能性があるため、出かける場所を吟味しなければならない。
これだけ警戒しておけば大丈夫だろう、ということで、3月31日は眠りについた。
迫りくる敵の数々
4月1日、10時ごろゆっくり目を覚まし、「まだ発表まで1時間30分あるな」と一安心。スマホに手を伸ばすがSNSのアプリがないことを思い出す。俺は新元号を知る最後の人間になるぞ、というケツイがみなぎった。
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11時30分を過ぎる。「今頃、日本中の人がテレビに釘付けになってるんだろうな」と思う。
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11時50分。LINEが届く。普段から「新着メッセージがあります」的な通知方法にしているためプレビューされることはなかったが、このタイミングで送られてくるLINEは多分元号に関するものだろう。
目の焦点をズラし、視界をぼやかしながら送り主を見てみる。大学の後輩からだ。
しかもこいつは、Twitterで「新元号知らないチャレンジやります」とツイートしたときに「急にラインします」とリプライしてきたやつだから、絶対に元号速報をかましてきているはず。悪意しかない。
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そして正午を過ぎる。お腹が空いたのでランチを食べに行くことにした。昨日の夕飯はカレーだったから昼は麺類がいいな、そういえば伊勢崎の「たべいろ」にまだ行けてないな、よし決まり!ということで出かける準備をする。
しかしここであることに気づく。
「個人営業のラーメン屋って高確率でテレビ置いてるよな…?」
テレビのほうを見ずにラーメンを食うことは出来ても、両耳を塞ぎながら食うのは不可能に近い。
やめだやめだ!別の店に行こう。絶対にテレビがないようなところ……。
パン屋にした。
新元号を知りたくない、というだけで、食う飯の種類すら規制されてしまう。
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パン屋のイートインスペースで4つのパンをたいらげ、ホームセンターへ生活用品の買い出しに出た。目当ての虫除けプレートを探すために店内をぐるぐる歩く。
その時、ふっと視界に安倍総理が横切る。そして「万葉集の……」というアナウンサーの声。やべぇ!!これ元号の何かだ!!!
遠くを見ながら歩いていたので本当に突然で対応できなかったが、なんとか元号を見ずに済んだ。ただ、画面左上の見出しみたいな部分に「今」みたいな字があった気がする……いち文字だけ知ってしまったかもしれない……。
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家に帰ってきて、暇つぶしにオモコロを開く。
今日の記事を開くと、2行目に「いやー、出ましたね。新元号。」の文字。はぁはぁ、ここにも新元号の魔の手が伸びてきている。おちおちエンタメに触れることもできない……。
14:40 ついに新元号を知ってしまう
新元号によって、SNSもラーメンもオモコロも奪われた僕。
ついに何もやることがなくなってしまって(仕事しろ)、Dead by Daylightの実況動画を見ようと思いYouTubeを立ち上げたのだが……
ああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!
やられた………………。
LINEの時と同様、いちおう目の焦点をボカしながら開いたのだけど、パワーあふれるヒカキンの顔とデカデカとした「令和」の文字は防ぎ切れなかった。
YouTubeの即効性みたいなものを改めて思い知った。そうだよね、ゴールデンボンバーも元号ソング作るって言ってたし……完全に自分のミス。悔しい。
こうして僕の「#新元号知らないチャレンジ」はあっけなく幕を閉じた。発表から3時間しか持たなかった…………
チャレンジしてみて気づいたこと
↑後輩から来ていたLINE。慈悲はないのか
・相当積極的に情報を遮断しなければならない
SNSに関しては生活のルーティーンに入り込んでいるし、仕事でも使う。「新元号を知りたくない」とか思っても、それを実現するためにはこちらから積極的にスマホを触らないようにしなければならなかった。このパンうめぇ!って思ってもツイートできないのはちょっと辛い。
・行動がめちゃくちゃ制限される
スマホ触れない、ラーメン食えない、テレビのある場所に行けない。「もう何すればいいの?」みたいな感じになってくる
・「この場で新元号知らないの、たぶん俺だけだろうな〜」ってなる
ささいな優越感。たった3時間なのに
・もう逆に新元号のことしか考えられなくなる
恋…?
とりあえず言えるのは、「話題性のある情報を知らないようにするの、めちゃムズい」ということ。スマホを触る以上、これはもう逃れられない運命です。インターネット上に安全な場所はもうどこにも存在しない……。
『令和』という新元号に関しては、イケメンが子供につける名前みたいでかっこいいと思いました。
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