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神真都Qとニコミ会のデモを見に行った話

或いは: 神真都Qの凋落とミームの伝播


神真都Qの凋落

 岡本一兵衛を始めとする幹部メンバーの逮捕、退会した幹部によるリーク等で脱退や離反する人が増え、神真都Qの崩壊が急速に進んでいる。そんな中、7月24日に前々から予定されていた全国同時デモが開催されたので都会の神真都Qを見ていなかったこともあり、東京の池袋でデモを観察する事にする。
 集合場所である東池袋中央公園に着いたところ、ウォッチャーの知り合いが何人か居た為、同行することにした。デモ隊の方は集合を済ませており、出発を目前に色々と話をしていた。デモ隊の規模は70人程と前回見たデモに遥かに人が多かった。中には小学生程の子供を連れて参加した両親や比較的若年の女性も見られた。その他にも近くに煉獄カズアキも居たが、デモ自体にはついていかなかったらしい。今まで断片的にしか映像を撮っていなかったので、今回は全編を撮影する事にした。
 リーダー格の人間が「これで最後かもしれない。楽しみながらやりましょう」とデモ隊の人達に語り掛けていた。それに対しウォッチャーの人が「こっち(私達)も楽しみます」と答えていた。
 都会の神真都Qはどの様なものかと期待していたが、最序盤に統一出来ていたコールがある程度の時間が経過すると地方のものと変わらず各々が思い思いに「マスクを着け続けると子供が発達障害になる」「子どもを守るために大人がちゃんと調べて」「コロナウイルスを証明する論文は存在しない」「コロナウイルスは存在しない」「マスクはウイルス対策に何の意味も為さない」「マスクを付けていると酸欠になる」等と言いたいことを叫び、肝心のリーダー格の人間も音頭を取らずに好き勝手叫んでいる状態が多く、あまりデモ隊の統率は取れていないように見えた。何も使わずに語り掛けてくる人も居たが、メガホンを使っている人の声にかき消されて何も聞こえなかった。
 中盤に差し掛かり、人通りの多い所を歩いているがデモ隊の人々は相変わらず各々が好き勝手言いたい事を言うのに変わりは無かった。この頃の発言の内容として、「子どもを守る」と言う名分を掲げての反ワクチンやワクチン後遺症とそれの専門医、SNSには真実が書かれているものがあった。また、特筆すべき事では無いが「悪党は大量逮捕だー!大量処刑!」と息巻いている老人も居た。この頃になると再びコールに統率が取れていたが、暫くするとまた元通りの混沌とした発言に戻ってしまった。
終盤に差し掛かると、酷暑の影響かデモ隊から離れ木陰に支えられながら移動して座り込む人も見られた。熱中症だろうか。他にも麦わら帽子の老人がこちら側に向けて「我々の勝利は目前。だから氣が付いて欲しい」「目を醒まそう」等と話しかけてくる場面が多かったが、恐らく妻であろう人間に諌められる場面が見られた。
 デモそのものは40分程で終わった。主張はマスメディアに対する不信とネットの情報の過信や海外の情報、虚偽の"真実"等に基づく反マスク・反ワクチン、陰謀論に基づくポピュリズム等一般的な神真都Qの非スピ系陰謀論が大半だった。デモ自体は終わったが、解散地点で10分程デモ隊内部での交流が続いた。ここでも麦わら帽子の老人が話しかけてきたが、またもや婦人に諫められて集団に連行された。時間が経過したがどうやら流れ解散らしく、離脱する人が増えてきたのでウォッチングを終了してウォッチャーの知り合いと雑談することにした。

2次会:ニコミ会デモ

 ウォッチャーの人達と会話をしつつ、まだ不完全燃焼な人間が多かったという事から「日本と子どもの未来を考える会(通称:ニコミ会)」のデモも見る事にした。会場は新宿、池袋からはそう遠い場所では無いので時間の問題は無い。ニコミ会は政治に関与しないスタンスを貫いている事や基本的に集団としての統率が取れている事、根底に陰謀論等が存在しない事などで過激派の神真都Qとはある種正反対の穏健派の団体と言えよう。
 新宿まで移動し、水分を補給した後に開始場所に到着したは良いものの肝心のデモ隊は見当たらない。どうやら先に出発してしまったらしい。仕方ないので順路を推測して追いつく事を画策した。デモ隊を見つけたところ、先回りしようとウォッチャーの一人が走り出し、それに応じて他の人も走り出すこととなり最終的に新宿の歩道を疾走すると言うある意味陰謀論者と似たり寄ったりな奇行に走ってしまった。新宿移動後あたりから熱中症でダウン気味だったので先回りする為の地点まで着いた後、コンビニで塩飴を購入した。塩分を補給したところ倦怠感と吐き気が収まった。
 少し待った後、デモ隊がポイントに到達した。デモ隊の先頭にはトラックが走行しており、荷台の上にリーダー格の人間3人が立っていた。音響設備も整備されており、音楽を流しつつそれのリズムを取りながら音頭を取っていた。それに続くデモ隊の中には五条悟のコスプレである意味有名なさとりゅーも確認でき、「マスクを祓え!」と叫びつつ無量空処らしきハンドサインを示していた。また、ニコミ会のデモに参加しているメンバーの中には子供連れや外国人も散見され、外国人の一人からODYSEEなる動画サイトに関するカードを貰った。他にもデモ隊の中で水鉄砲を持っている人間が見られ、デモ中に他の参加者に水を掛けていた。他にも先頭車両の音響設備からは事前に録音されていたスピーチが同時再生されていたが、会場でのコール等で掻き消されてうまく聞き取ることができなかった。
 主張の内容としては、反権力、虚偽と真実が織り混ざった医療情報等による反マスク、反「マスク社会」、マスメディアに対する不信等と神真都Qのものに似ていた。特筆すべきことではないが、参加していた外国人の男性がこちらに向けて「バカー」と言ってきた事や婦人の方がやや攻撃的な口調で「何故マスクを着けている。もっと考えてみろ」と言ってきた事があった。
ニコミ会でも各々好きな事を叫んでいる人は見えたが、基本的には先頭のリーダー格が音頭を取っていた為神真都のそれに比べ統率されている様なデモに見えた。
 デモ自体は追いついてから15分程で終わり、それから終了地点の公園で交流会が始まった。デモ隊の人から「別にマスクを付けているから拒むワケでは無い」との事で私たちも交流会の輪に入る事ができた。そのままスピーチを聞いていたところ、参加者の老婦人に話しかけられた。内容は主にマスクによる悪影響等の虚構による反マスク・反ワクチン、5Gは軍事兵器、ビル・ゲイツ等の富豪及び財閥悪玉論、明治天皇偽物説等の一般的な陰謀論他、コロナウイルスの治療手段としてのイベルメクチンや松葉茶、ヨモギ茶、YAP遺伝子、トランプ元大統領は正義の味方、レプティリアン等の神真都Qで主流となっていた教義を引用し、こちらをニコミ会側に勧誘してきた。それに対し同行していたウォッチャーが「それって一兵衛さんも仰ってたことですよね」と返したところ、知らないのか、或いは知っている事を隠す目的で「そうなんですか」と返答した。また、老婦人の話は陰謀論の他にもツインレイや等のスピリチュアル系のものを話してきたことから、老婦人の思想は神真都Q特有のスピリチュアルと陰謀論の複合体にかなり近しいものと考えた。
 他にもウォッチャーの方が陰謀論に関する知識量で優っており、ある種の意思疎通がなされている場面も見られた。また、婦人が知り合いとして高山右近の生まれ変わりと紹介した自称元J&Jの男性がマスクが無駄である理由としてフィルターのサイズよりもウイルスは小さいと論じていた事もあった。
 最終的にウォッチャーの一人がその老婦人と連絡先を交換し、他に情報の収穫が見込めないことから撤収することにした。

感想とか主観とか考察とか

 熱中症には気を付けよう。水分も大事だが塩分もとても大事だ。
 人数差で地方と東京では規模の差がかなり多い事を実感した。衰退期でも地方の衰退前と比べてこれ程の差があると考えるともっと前から神真都Qを知りたかったと強く思う。
 神真都Qの凋落ぶりを見ると諸行無常を強く思い起こされる。こうなる前にもっとデモを見に行きたかった。
 全編を収めた映像についてだが、biim式で動画を投稿してみようと考えている。完成は遅くなるだろうが出来るだけ楽しみやすいものを作りたい。
 神真都Qのデモで見られた人間がニコミ会のデモでも確認できた事や、神真都Qの教義を受け継いでいる老婦人の事を考えると神真都Qは力を失えどその思想は他の団体に伝播、流出していると考えた。そこからどの様に変化を遂げていくのかに興味を持った。
 論拠の無い私見だが、現在反ワクチン関連の団体で一番勢力を誇っているのは参政党、そして二番目にニコミ会と考えた。
 現状神真都Qよりニコミ会の方が勢いは強い状態であり、ニコミ会もやや攻撃的な言動に及ぶ場面も見られたが神真都Qのそれよりも攻撃的な姿勢を取る人間は少なく、反マスクの中でも穏健派と過激派の違いを知ることができた。
 攻撃的な口調で話しかけてきた婦人だが、「大人の真似しちゃダメなんだよ」と言う発言に対して同意する。デマに踊らされて正義中毒に陥り他者に攻撃的な姿勢を持って同調を求める様な大人の真似をするのは滑稽だと考える。
 ニコミ会は基本的にデモ隊がウォッチャーを脅す事が無い分神真都Qに比べかなり穏健派だが、勧誘を行ってくると言う点ではある意味厄介だ。
 不織布マスクが無駄だと言った男性の話に対し、幸いな事にザ・メイキングのマスク回を見ていた為その発言は中途半端に正しいと、理想的な嘘のつき方だと感心し、尚且つ公共機関による啓蒙活動の重要さを認識した。

参考資料

きぃ,NAO LION,自頭2.0「嫌だと言おう新生活様式」

サイエンスチャンネル「THE MAKING(319) 不織布マスクができるまで」

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