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いま、母がこたつで寝ている。

母は今年78歳。
私にとっては母だが、社会的には老人だ。

ふがいない私のせいで、苦労をしている。
noteにアップしている食事の写真は、ほとんどが毎日母が作ってくれているものがだ。
逆に私が食事をつくるくらいでなければいけないのに、80歳に近くにもなっていまだに私の食事の用意をしてくれている。

何かあったら、老人ホームに入れてくれというのが母の口癖だ。
父が亡くなり、親子2人になってしまった。
妹はいるが、面倒をみるのは私の責務だ。

母はいまのところ、特に目立った基礎疾患はなく健康そのものだ。
毎日我が家の小さな畑で野菜をつくったり、草を取ったりしている。

母は出不精だが、近所の人がよく訪ねてきてお茶を飲んでいく。
母がお茶のみに出ていくことはほとんどなく、みんな訪ねてくるのだ。
きっと、母が相手を否定せず、うんうんと聞いてくれるからだと思う。
みんな、母とは話がしやすいのだろう。

母の寝顔を見ていると、このまま眼を覚まさないのではないかと思ってしまうことがある。
いつまでも元気で生きていてほしいけれど、別れは必ず、いつかやってくる。
自分のほうが先に逝くということもあるかもしれないが、親より先に死ぬほど不幸なことはないという。

「私を看取ってよ。あなたしかいないんだよ」と言わせてしまった自分。

生とは、生きるとは、別れとは、死とは。
そんなことを考えないでいられるくらい忙しい時のほうが、幸せなのかもしれない。


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