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エストニア出張記

【今更ながらのエストニア出張記】
※エストニア国家を聞きながら読むと色々感じ方が変わるかもしれません!
https://www.youtube.com/watch?v=0eJZhaBfw3s

6月二週目からのエストニア長期出張を終えて帰国してからすでに二ヶ月弱が過ぎてしまいましたが、ここで少し振り返って「エストニアとは」の観点から私が見聞きしたことをシェアできればと思います!あくまで、一ヶ月間仕事しながら地元の人々と似たような生活を送ってみて感じとったことを挙げてみただけなので、他にももっとあると思うし、旅行とかでエストニアを訪れた人は全て頷かないかもしれないので参考までに読んで頂ければと思います。

[エストニアとは]
エストニアは北ヨーロッパの共和制国家(首都はタリン)で、世界史とかで聞いたことがある「バルト三国(残りはラトヴィア、リトアニア)」の一つです。公用語はエストニア語(フィンランド語が一番近)です。EU、NATO、OECD加盟国であり、通貨はユーロを使用しています。人口は132万人位(埼玉県より若干多い位)です。地理的にはフィンランド湾に面し、西のフィンランド、東のロシア、南のラトヴィア(バルト三国では一番北)に挟まれている小国です。中世ハンザ都市として栄えた港湾都市で、報道の自由度は世界の上位国らしいです。かの有名なSkypeを生み出した国で、IT企業が盛んな国です。私が働く会社も創業者はSkype創業時のメンバーであり、かつSkype創設者からも多額の出資を受けているFintech会社です。

エストニアを簡潔に列挙すると…
・観光業が主要産業!?(特にお菓子、木製品、琥珀製品はよく見かける)。
・見かけ、むすっとして見えるが素直な国民性。率直で時にはぐさりと心に刺さることも言われてりしますが…。
・英語は普通に通じるが、英語を話すかは向こうのさじ加減。
・携帯端末で大体のことは完結する(行政・金融・日常生活上のサービス)し、キャッシュレス生活は十分可能。
・金髪美人ばかりは嘘ではない。
・夏は白夜で時間感覚がなくなる(23時になってようやく日本の7時くらいの明るさ)。
・ベンチャー企業が多くあるのは国家政策でしっかりと支える体制になっているから。
・中心街は中世を、それを現代風建物が周囲を囲い、その外はソ連時代を連想させるボロい建物が多い(エストニアの「銀座」には高層ビルが二つしかない。一つはコンベンションセンター兼ホテル)。
・リゾート地のホテルは日本でいう青少年の家と同じレベル感で、高級感がなかった。
・食べ物は質素だが、美味しい。肉じゃが、ロールキャベツのように日本の食事や味付けに似てるような感覚があり、生活に不自由はないだろう。
・Summer days(会社全体が一体となって行うチームビルディング行事)はエストニアでは当たり前。それを行うイベント会社も多くある。会社側も全世界から全社員を呼び、参加するのだから莫大な予算を毎年割いてると思うと複雑である。
・家の施錠は家の中から鍵で行う必要がある!?
・家の中では普通に靴を脱ぐ。
・路面電車の乗降は危険すぎ(駅とかなく道路の真ん中に止まって乗降。ドアの前に車普通に通っているし、信号変わったら怖過ぎだろ)。
・エストニアは日本のように外国人に対し差別意識はないのだが、排他的な社会性が感じられる。勿論グローバル化に染まった人はそんなことはないが、ローカルな人はエストニア人にしか接しない。
・一般的な生活水準は低く、給料水準も低い。
・平日のラッシュアワーでも人がいないため、電車も道路も空いている。
・観光客はいつでもいるが、週末になると現地民はいなくなる。同僚に話しを聞くと実家がある地方(森と湖に囲まれている)に帰るらしい。

[歴史]
エストニアは歴史的には他国に虐げられてきたことから独立意識と愛国心が強いと言われています。13世紀以降はデンマーク、ドイツ騎士団、スウェーデン、ロシア帝国に支配されていて、第一次世界大戦時に一旦ロシア帝国から独立するも、第二次世界大戦中にナチスとソ連に占領され、ソ連崩壊の1991年に念願の独立を回復することになります。昨年はロシア帝国から独立100周年ということで色々と催しがあったみたいです。

[言語]
エストニア語はフィンランド語が最も近いらしく、他のバルト三国であるラトヴィア語とはニュアンは理解できるらしいですが、リトアニアとは全く通じないそうです。感覚としては日本語に置き換えるとフィンランド語は大阪弁、ラトヴィア語は秋田弁、リトアニア語は琉球語のような感覚なのではないかと推測します(すみません、あくまで私の経験に基づき方便は選択しています)。バルト三国ではエストニアはラトヴィアとは言語が、リトアニアとは宗教感が似ていると言われています。

[電子政府]
有名な話ではありますが、エストニアはITが盛んなゆえに行政にもいち早く導入し、「電子政府」を構築することに成功し、投票を含む行政サービスを受けることができます。これについてエストニア人に聞いてみると、うまくいったのは、エストニアが行政を全面的に構築・運用し始めたのは電子技術が既に世界で普及し始めていた頃のため、市民からも抵抗なく受け入れることができたが、日本や他の欧米諸国は古くから行政制度が運用されており、それに慣れている人々がいる以上、全面的に総入れ替えはできないからエストニアのような電子政府の導入はまだまだ先になるのではないかと考察していました。
(※但し、外国人が住んでいるだけでは電子政府の有り難みは全く分からない存在感は薄いです笑。)

以上です!読んで頂きありがとうございました!この投稿の後にエストニアで撮った写真を載せておくので、是非見てみてください!

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