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「演劇っぽい演劇をつくる人として」

松本一歩です。

目下、来週下北沢で本番を迎える舞台を作っています。

稽古もいよいよ追い込みの時期に差し掛かり、2月末から始まった自分の団体「平泳ぎ本店」の2019年春の演劇シーズンもいよいよ最終盤を迎えようとしています。

先輩の結婚式の余興を全力でやったり、コンクールで思うような結果が出せずに臍を噛んだり、いろいろありましたがとにもかくにも来週の公演で一区切りです。

せっかくのnoteでただ公演の宣伝をしても切ないので、先日真夜中に勢いあまって書いたポエムを添えて、公演のお知らせとしたいと思います。

真夜中に勢いとエモーションだけで書いた文章は大概やばいものですが、舞台作品をつくって発表している以上いまさら何を恥ずかしがっても仕方がなく、ここからの追い込みに鞭を入れるべく、ご笑覧頂ければ幸いです。

作品は、大丈夫ですちゃんと面白いので安心して観に来てください。

***

世の中に”いわゆる”「演劇っぽい演劇」と、「演劇っぽくない演劇」の二種類があるとしたら、私たち平泳ぎ本店は前者の「演劇っぽい演劇」をつくる人たちであると思う。

これはもう抗いようもなく、宿世のようなもので、
どうしたって私たちはそのように演技をし、演出をし、演劇を組み立てていく。

なぜ、人はなぜ、演じるのだろうか。

演じ続けるのだろうか。

先を急ぐ。

なにか本当らしいことを見たいと思うからだ。

ひとつ信じられるものを、見たいと思うからだ。

それはなにか本当のもの、いま、ここにはないかもしれないが、どこかに、目の前の人の中に、
そしてほかでもない自分のなかにあってほしいと思うもの、形のないものを探したいと思う気持ちなのかもしれない。

嘘は厳しく追及しよう。

そういうアプローチもある。

あるいはどうせ嘘なのならば、その嘘を振り切ってしまおう、と考えるアプローチもある。

どのみち嘘をつくのは楽しい。あなたを裏切るのはたのしい。

その実この世にありもせで、ついに私たちが終生手に入れることすらできないとしても、私たちはそれをこの舞台の上でほんのちょっとの間、手に入れる。

そうして、目の前で言葉を語る俳優に、私たちは何度でも驚ける。

そしてそれをなんどでも繰り返す。

そうして明日もまた、私たちは演劇を続ける。

今このひと時、それさえわかっていればよい。

平泳ぎ本店第6回公演
『さくらのそのの、(仮)』改め、
『SAKURA no SONO~平泳ぎ本店 special edition~』
2019 年4月18日(木)―4月22日(月)
下北沢 OFF・OFFシアター

●作
鈴木美波(PAPALUWA)

●演出
松本一歩

●公演日程 2019年4月18日(木)―22日(月)

18日(木) 19:30
19日(金) 19:30
20日(土) 14:00/19:00
21日(日) 14:00
22日(月) 15:00
※受付開始は開演の45分前、開場は30分前を予定

●上演時間
約100分(予定)

●会場 OFF・OFFシアター
〒155-0031 東京都世田谷区北沢2丁目11-8 TAROビル3F
03-3424-3755
下北沢駅・小田急線「東口」もしくは京王井の頭線「京王中央口」改札から徒歩3~4分

●出演
小川哲也 河野竜平 宍倉直門 鈴木大倫
ニノ戸新太 松永健資 松本一歩 丸山雄也 (以上 平泳ぎ本店)
林麻子(劇団唐ゼミ☆) 
松浦みる(いいへんじ)
松本なお(IT企画)

●この作品は、コメディです。
チェーホフ『桜の園』を下敷きに、下北沢の街で、とびきりハッピーで、ちょっと寂しいコメディを。
宮沢りえも堤真一も段田安則も出なくても。
桜の園!桜の園!桜の園!

●あらすじ
2019年春。
舞台はとある劇団「バタフライチェーン」の稽古場。
稽古で使用しているであろうユニット等が点在している。
小道具や、飲みかけのペットボトルなどが散乱していて、汚い。
稽古場にはまだ誰もいない。

●入場料 全席自由・税込 
一般  3500円(当日精算)
演劇パス 3000円(クレジット決済or Paypal決済 各回枚数限定)
ペア 6000円(当日精算orクレジット決済)
U-25 2000円(25歳以下 当日精算・クレジット決済共通 要身分証)
高校生以下 1000円(当日精算 要学生証)
カルチベートチケット 2000円(公演当日、劇場受付のみでの取扱) 

●取扱い 
【当日精算でのご予約】カルテットオンライン 
https://www.quartet-online.net/ticket/hiraoyogihonten6th

【クレジット決済でのご予約】演劇パス 
https://engeki.jp/pass/redirects/link/547

※予約受付締め切り→各公演前日23:59まで

●スタッフ
舞台監督:水澤桃花(箱馬研究所)/照明:浅見拓(劇団てんしん)/音響プラン:丸田裕也/音響オペレーション:大園康司
小道具協力:辻本直樹(Nichecraft)
振付:ニノ戸新太
主催・企画製作:平泳ぎ本店

●平泳ぎ本店 Hiraoyogi Co.
2015年より活動開始。メンバーが主に俳優であり、劇作家をもたない。
俳優自身の発想を基に、ディバイジング(集団創作)により様々な演劇手法を駆使しつつ、凝ったシーンを造形していく創作方法に特徴がある。
「真剣に演劇について悩んで、真剣に演劇を愛する」(クリス・グレゴリー氏)。
2018年、第3回かもめ短編演劇祭にて戯曲選抜チームとしてかもめ賞(最高賞)を含む三部門を受賞。
神奈川県庁での特別公演や下北沢の路上演劇祭への参加など、劇場外でのパフォーマンスも得意とする。
オリジナル作品での海外公演を当面の最大の目標とする。
〔Blog〕 http://hiraoyogihonten.com
〔Twitter〕 @hiraoyogihonten
TEL:090-4099-2941
Mail:hiraoyogihonten@gmail.com

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