見出し画像

黄色い好盤

いつも通りSpotifyで音楽を聞こうとアプリを開き、どの曲を聞こうかとプレイリストをスクロールしているときにふと気がついた。"私の好きなアルバム、黄色いやつ多くない?"と。そこで今回は私の好きなジャケットが黄色いアルバムたちを紹介していきたい。





ONE OK ROCK『Ambitions』

1枚目はONE OK ROCKが2017年にリリースした『Ambitions』

これは私にとって大切な1枚だ。
2018年当時、このアルバムの収録曲である「Take what you want」がHondaのCMソングとして起用されており、それを聞いた私の父が歌の上手さに感動してその次の日にTSUTAYAでこの『Ambitions』の初回限定版を買ってきたのだ。
これが私がONE OK ROCK及び邦ロックを好きになるきっかけだった。
今では見事に家族全員がOORerである。ありがとう父上。

そんな話はさておき、このアルバムはこれまでのワンオクのアルバムと決定的に違うところがある。それはフューチャリングソングが収録されていることだ。しかも2曲。(Listen feat.アヴリル・ラヴィーン/Take what you want feat.5 seconds of summer)
私は『Ambitions』の一つ前のアルバム『35xxxv』で今のワンオクの基盤ができたと思っているのだが、フューチャリングソングの収録はその基盤を更に固めるような意味を持っていると思う。洋楽はほとんど聞かないので大口は叩けないが、なんというかワンオクの洋楽っぽさがこの『Ambitions』で確立したような気がするのだ。ワンオクはずっと「日本のロックバンドとして世界を獲る」ということを言ってきたのだが、フューチャリングソングを収録することでそれが現実味を帯びてきたような感じがする。

収録曲もいい。強い。イントロダクションに次いで2曲目の「Bombs away」は本当にかっこいい。このアルバムを引っさげたツアー、"Ambitions JAPAN tour"も同じようにこの2曲から始まるのだが、何回見ても鳥肌が立つ。会場が暗転し、4人がスモークと共に登場したあと一気にボルテージを上げるこの曲。1曲目が似合う曲。かっこいい。
「Lost in Tonight」はこのツアーで唯一演奏されず、未だにライブで演奏されていない。やってくれ。
海外版のみに収録されている「American girls」もかなり好き。海外ツアーではアンコールの十八番なのだが日本のライブでは演奏されていない。日本のライブで聞ける日は来なさそうなので海外に行って聞くしかないかあ…


────────────────────

  フレデリック『OTOTUNE』


2枚目はフレデリックが2015年にリリースした『OTOTUNE』

本当に大好き。収録曲は言わずもがな、ジャケットも裏面もCD自体のデザインも歌詞カードも全てにおいて大好き。

『oddloop』『OWARASE NIGHT』に次いだ"O三部作"の最後のミニアルバム『OTOTUNE』はメッセージ性が強い曲が多い。
「トウメイニンゲン」はインターネット社会を風刺している曲で、作詞曲担当のBa.三原康司さんの独特の言い回しが面白い。また、私が2022年にSpotifyで1番聞いた曲でもある。好きすぎてベースライン歌える。


「ハローグッバイ」はドラムのkaz.さんが脱退したことを受けての曲で、MVも曲も心に穴が空いたような切なさがありながらもこれからも進んでいくという当時のフレデリックの3人の決心を表している。Aメロは"し"で韻を踏んでいて聞いていて気持ちいい。また、この曲の"守ってあげなきゃいけない未来は一番近くで待ってる君なんだ"という歌詞は未だにフレデリックのファンの間で定期的に話題になる。素敵すぎて。


余談になるがこのミニアルバムについてのインタビューで康司さんが「"tune"って"調子合わせ"の意味なんですけど、調子合わせって打ったら予測変換で、"超幸せ"って出てきて、へへへってなりました」と言っていたのが可愛かった。

────────────────────

UNISON SQUARE GARDEN『MODE MOOD MODE』


3枚目はUNISON SQUARE GARDENが2018年に出した『MODE MOOD MODE』

ユニゾンが出した黄色いアルバムとして2011年リリースの『Populus Populus』を思い出す人もいるだろうが、私がユニゾンで一番好きなアルバムがこれなので今回はこのアルバムについて話させてほしい。

これもとにかく大好き。前作の『Dr.Izzy』でUNISON SQUARE GARDENの大枠を示したあと、それをぶち壊すために作られたこのアルバムはバンドの楽器以外にも弦楽器や金管などが躊躇いなくふんだんに使われており、ロックバンドのアルバムとしては異質なものである。
収録曲である「オーケストラを観にいこう」を作詞曲担当の田淵智也が大層気に入ったらしく、この曲を軸として作られたアルバムだ。(ロックバンドなのにオーケストラを観にいかせるのが最高にユニゾンっぽい) 

何を隠そう、私はこのアルバムに収録されている「君の瞳に恋してない」の限界オタクなのだ。私がnoteを始めた理由はこの曲の歌詞の良さを誰かに伝えたかったからと言っても過言ではないというか事実。実際にこの歌詞についての愛をダラダラと綴ったnoteを公開しているので興味がある方は是非。長くなりすぎて1番のみで断念したが。

また、このアルバムの凄いところは曲が"手"で繋がっているところだ。どういうことかと言うと、収録曲の歌詞に度々"手"が登場し、ひとつの物語のようになっているのだ。

M1.差し出された手は噛み千切るけど
M2.差し出された手は掴まなかった
M4.悪鬼羅刹さえも手を叩く
M5.両手にあった景色が零れてしまう
M8.結局世界は僕が救うしかない手こずります
M9.高らかに空気空気両手に掴んで
M11.3sec お手をどうぞ、right?/照れながら手を握ったら
M12.僕の手握っていいから

MODE MOOD MODE

1曲目では差し出さた手を噛みちぎっていたのに、最後12曲目のラストで"僕の手握っていいから"と自ら手を差し出しているという…田淵智也ぁ!!と叫びたくなるポイント。ここ。(ちなみに12曲目が「君の瞳に恋してない」)

ユニゾンは他のバンドに比べてアルバムへのこだわりが強く、アルバムごとに曲の色が違っていて面白い。 田淵自身に彼なりのロックバンドの美学があって、それを貫き通して今では多くのファンを魅了し続けているのがまさに"ロック"だと思う。UNISON SQUARE GARDENは最高のロックバンドだ。

────────────────────

andymori『andymori』


最後4枚目はandymoriが2008年に出した『andymori』
(どちらかと言えば黄色より黒が占める面積が広いかもしれないが背景が黄色いので許して)

最近はこのアルバムを聞きまくっている。めちゃくちゃ良い。
andymoriを聞き始めたが去年の10月なのでまだまだミーハーとも言えない人間なのだが、あれだけandymoriが伝説のロックバンド扱いされている理由が分かってきた気がする。

小山田壮平さんは自分のことを音楽に落とし込むのが本当に上手い人なのだなと思う。
収録曲の「FOLLOW ME」の歌い出しである"憧れのインディアは遠かったけれど"の一文で壮平さんがどんな人かが分かるのが凄い。お姉さんに薦められて19歳で行ったインドの話を度々されているが、この前ラジオでDJの方に"薦められたと言ってもそれで行くものなんですか?"的な質問をされたとき"ちょっと気が強い姉ちゃんで…逆らえないタイプの…"と言っていたのに歌詞では"憧れ"のインディアと書いてある、そういうところに惹かれる。壮平さんは常に正直な人だと感じるけれど、曲だとさらに心が開けてるのかなと思う。 


また「モンゴロイドブルース」も面白い曲で私のお気に入りだ。これまでこんなに刺激が強い曲を聞いたことがなかったので初めて聞いたときはかなりの衝撃だった。みんな同じ人間であるのに肌の色や血で争っていることを滑稽に思っている曲だと思った。今の時代、人種差別問題は気を遣っているというか注目されている問題の一つであるのにも関わらず、そんな世界的な問題を根底から嘲笑している屈強さに畏怖すらも覚えるが、これこそがandymoriの魅力なのだろう。

ごく一般の好青年3人組がステージ上にTシャツと短パンで現れ、思い思いに身体を揺らしながら世の中に対する毒や愛を吐いて去っていく、その純粋さに人々は羨望の目を向けたのではないか。これがandymoriが解散した後も根強いファンがおり、私のように新規のファンも増える所以なのではないかと思った。これからもたくさん聞きます、andymori。よろしくお願いします。
(ちなみに壮平さんがこの前リリースしたアルバム『時をかけるメロディー』も素敵だった。)

────────────────────

ここまで読んでくださりありがとうございます。あなたの"黄色い好盤"もあったら教えてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?