ねこぢるの好きなたべもの 

 もう30年近く昔の話です。
当時は小田急線の町田に住んでました。

 漫画の仕事が忙しくなったので、自炊することは少なくなり、
外食や出前、お弁当屋さんやコンビニ、ファーストフードなどを利用することが多くなりました。

 出前は近所の町中華か洋食屋さんです。ネットで調べてみると、
町中華の方は廃業しており、「いまい」という洋食屋さんはまだ営業してました。

 お弁当屋さんはフランチャイズではなく、個人でやってたとこで、今はないようです。
ココで売られてた弁当のおかずに、ホタテ風フライが入っていることがあり、「風」なのでホタテそのものではなく、ホタテ風味のかまぼこのようなものです。
ねこぢるはこれがなぜか気に入り、「本物のホタテフライより旨い。」と言うので、おかずに入ってない日は、別にたのんでました。
メニューに無いけどたのむと冷凍のを揚げてくれるのです。

 ファーストフードでは、サブウェイのツナサンドが好きで、
昼に一個、夜に一個と思って、二人分四つ買って帰ったのですが、
ねこぢるは一つ食べたあと、もう一つ食べたいと夜の分も食べてしまいました。
食は細い方なのに、好きなものはけっこう食べるんだと驚いたのを憶えています。

 コンビニでよく利用していたのはおでんで、中でも好きなのは、
タコ足に串をさしたもので、大抵鍋に二、三本しか入ってないんだけど、
見つけるとあるだけ買うようにしてました。

 嫌いな食べ物は、ヘットです。
ヘットは食べ物というか牛の脂肪で、すき焼きを焼く前に鍋に入れるものです。
子供の頃間違ってこれを口にして、すぐに吐き出し、
「なぜこんなものを入れる?」と母親に激怒したそうです。
いや、それはお母さんが悪いんじゃない。ヘットは食べはしないけど普通にすき焼きに入れるもんだよ。と何度説明しても、
「いや、あんなものを入れるなんて信じられない、許せない。」の一点張りで、決して納得することはありませんでした。

 あとよく口にしていたのは、幼い頃家族で福島に旅行した時買ってもらった桃です。
国道沿いの出店で売っていたそうですが、熟れてないのにとても甘かったそうです。
「シャリシャリしてるのに甘いんだよ。シャリシャリしてるのにすごく甘いんだからね。」と何度も力説してました。
そういう状態のものを、近所で随分探したのですが、産地ならではのものらしく、
見つけることはできませんでした。

             おしまい

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