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プライベート絵

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PrivateWorks / 個人的に描いた絵+メイキング
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#メイキング

装丁の想定『雨ふる本屋』

梅雨なので、2016年の作品ですが雨にまつわる児童書を。 『雨ふる本屋』 著:日向理恵子 原作の吉田尚令さんのイラストと作品全体の雰囲気、自分が小学生だったらまちがいなく手にとるなぁ〜と思う佇まいでした。 文章も詩的でかわいかった。 「自分だったらこんなふうに描きたいな」という思いと、「物語本編と吉田さんのイラストが好き・原作もぜひ読んでみてほしい〜」という布教的な思いが混在して、主人公ルウ子ちゃんのキャラデザは原作寄りです。 赤いボーダーの服と赤い長靴が印象的。 制作過

「rIbbon/reBORN」

久しぶりにシャーペンで描き込み→Photoshop彩色の絵です。 ずいぶん前から「こういうの描きたいな〜」という思いはあったものの手をつけられずにいたところ、 TIS公募の時期が近かったのに気づき、それに合わせて。 テーマについては語ると野暮な気がする。 ↓の系統の作品を増やしたかったのだけど、 「rIbbon」の目元はもっとデフォルメしてもよかったかな〜 シャーペンモノクロ画の時点ではそんなにくどく感じないので彩色で毎回迷ってしまう。睫毛を描くのも好きなんですけどね。

装丁の想定『ふたりのロッテ』

12/13は双子の日。 ネットでは11/25が「いい双子の日」なんて言われていたりするけども。 『ふたりのロッテ』 著:エーリヒ・ケストナー私はタイトルに惹かれて実写映画から入りました。 実写版はいくつかあるようですが私が見たのは『Charlie & Louise: Das doppelte Lottchen』。 双子の名前が「シャルロッテ」と「ルイーズ」で、時代設定も現代よりにアレンジされています。お転婆なシャルロッテの愛称が「チャーリー」で、いかにも真面目なルイーズの格

「あまいおうさま」-メイキング

1/15はいちごの日 とのことで 2020年1月に描き始めたけど間に合わず放置していた絵を9/2に完成させました。 (そんなんばっか) 以下メイキングです。 1:ラフ Photoshopでざっくり 2:シャーペン線画 Photoshopで描いたラフを印刷し、ケント紙へトレースダウンします。 線画といいつつけっこう塗り込んでいますが。 3:シャーペン画をデータ化 スキャンしたシャーペン画をPhotoshopでクリンナップし、 白い部分を透明化して線画のデータに

「移り気な垣根」-メイキング

紫陽花の花言葉は「移り気」「浮気」「変節」… 花(のように見えるが実際は萼)の色がよく変わることから、 「七変化」「八仙花」とも呼ばれるそうで。 今回はそのイメージで、どこかこちらを責めるような眼差しのミステリアスな女性と絡めて描きました。 紫陽花は土壌の酸性度によって色が変わります。 一般的に「酸性なら青、アルカリ性なら赤(ピンク)」になると言われているそうで。 (品種によってもさまざまですが) 紫陽花の根元に死体だか凶器だかを埋めたら花の色が変わってしまい、犯行が

「ピーチカ・ピーチカ・マトリョーシカ」-メイキング

母の日に間に合わせたかった絵…です。 5月はステイホームで惰眠を貪り…いいえ英気を養っておりました。 祖母、母、娘、娘のもつお人形…とマトリョーシカのように相似形に。 カーネーションでなくイチゴなのは、「苺」という字に母がいるから。 実際に母の日の広告などに使うには我が強すぎるかんじですが、描きたいものをぎゅっと詰め込んだのでとても楽しかったです。 ラフ 全体の構成と配色をPhotoshopでざっくり。 マトリョーシカ感を出したかったので、お土産物のマトリョーシカやロシ

装丁の想定『秘密の花園』

「装丁の想定」 実在する本の表紙に使われるイラストをイメージして、個人的に制作した絵のシリーズ。2010年くらいから細々と描き続けています。 こちらは2017年の作品。 日本図書設計家協会主催「第3回 東京装画賞」応募作です。 この年は課題図書3冊ぶんすべて制作・応募しました。 『秘密の花園』は受賞はなりませんでしたが… 『秘密の花園』 著:フランシス・ホジソン・バーネットイギリス植民地時代のインド。乳母と使用人まかせで育ったつむじまがりのメアリは、十歳にして両親を亡くし

装丁の想定『あ・うん』

「装丁の想定」 実在する本の表紙に使われるイラストをイメージして、個人的に制作した絵のシリーズ。2010年くらいから細々と描き続けています。 こちらは2015年の作品。 日本図書設計家協会さん主催「第3回 東京装画賞」にて東洋インキ賞をいただきました。 『あ・うん』 著:向田邦子 サラリーマンの水田仙吉 その妻・たみ(「阿吽」と称される夫婦) 仙吉の親友でたみに懸想している門倉修造 …の3人を中心に、昭和初期の庶民の暮らしを描いた小説。 昭和初期のお話なので、そこはかと

装丁の想定『バスカヴィル家の犬』

「装丁の想定」 実在する本の表紙に使われるイラストをイメージして、個人的に制作した絵のシリーズ。2010年くらいから細々と描き続けています。 こちらは2017年の作品。 日本図書設計家協会さん主催「第5回 東京装画賞」にて東洋インキ賞をいただきました。 実在する本の装画を描き、ブックカバーとしてデザインした状態で応募するコンペです。イラストだけでなくカバーデザインまでやるコンペはちょっと珍しいですね。 『バスカヴィル家の犬』 著:アーサー・コナン・ドイル 名家バスカヴィル

「爽風」-メイキング

令和の夏も厳しいですね。 涼やかな風を感じられるような絵を描きました。 1:ラフスケッチ1 ふだんはPhotoshopで描くことが多いのですが、今回は紙にシャーペン。 7/7が #浴衣の日 かつ #ポニーテールの日 と知り、息抜きがてら突発的に描き始めたのでした(7/7には間に合いませんでしたが…)。 PCで資料を表示しながら、ゆるゆるスケッチします。 2:ラフスケッチ2 ラフ1の上にトレーシングペーパーを置き、クリンナップします。 ラフ1を描いた紙が分厚くて、ト

「ほしがり聖夜」-メイキング

30日ですがクリスマスのイラストです。 「こんな絵が描きたいな〜」という構想は練りつつも、ここ数年はお仕事や何やでちゃんとした一枚絵が描けていませんでした。 なので「今年は遅くなってもこれを描き上げよう」と思ったのです。 ツリーのように積み上げられたギフトボックスの頂きに佇む、星の人。 欲しいものはいくらでもあったけど、 今はそれよりあの人とお話をしてみたい。 てっぺんからの景色をいっしょに見てみたい。 はじめまして、のあとは、なんて言おう。 そんなことを考えながら、贈り物

髪は流るる水の如く -メイキング

#美しい髪  のハッシュにのっかり、みどりなす黒髪のおとめをひとり。 こちらは2016年作のオリジナル作品。 琳派っぽい雰囲気でオフィーリアっぽい絵を描きたい! というふわっとしたノリで描いたものです。 「イラスト」を描くときはテーマや目的が先にあるのですが、 「こういう絵」が描きたいというときは頭がからっぽです。 たまにはそれでよい。 尾形光琳の「紅白梅図」をふんわりオマージュしています。 いつか対になるかんじで白梅verも描きたいですね。 黒髪ロングはシャーペン

フォトショ&イラレで3色刷り-メイキング

今週の木曜日から始まった企画展 「短歌と絵と vol.3 -揺れる三つ編み-」 展示作品につきまして。 今年で3回目になります、 歌人・高田ほのかさんの短歌とのコラボ企画。 私は第1回目の2016年にも参加させていただいておりました。 今年の新作は自宅で色調整しながら刷ったものですが、 2016年はレトロ印刷JAMさんで多色刷りに挑戦していました。 今回はそのときのメイキングをご紹介いたします。 レトロ印刷とは、孔版印刷を利用した、一種のスクリーン印刷です。従来のフルカラ

「垂下」-メイキング

7/27はスイカの日 とのことで、 ほんのり浮世絵っぽい?日本画っぽい?シリーズ第二弾。 種をしずくに見立てて、 傘のように… しようと思ったけど、フォークが端にあるとあんまり傘っぽく見えませんね。まぁこれはこれで。 よければクリック拡大してみてくださいな。 以下メイキング。 今回は塗りの工程をちょっと詳しくやってみます。 シャーペン原画 「人物&種」、「スイカの半月」の2枚。 時短したいときは種なんかはコピペで量産しちゃいますが 今回はせっかくなのでちゃんと描きました