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開催報告)第20回スキマ研究会「みんなの選択~骨髄バンクについて~」


イベント概要

開催日:2023年9月23日(土)19:00~20:30
会 場:まちスポ飛騨高山
参加者:15 名

スキマ案内人・平和民さん(飛騨骨髄献血希望者を募る会)

岐阜県飛騨地域で骨髄バンクの普及啓発活動やドナー登録会(献血併行登録会)をボランティアで開催する。ご自身も骨髄提供を受けられた経験がある。飛騨保健所と献血会場でのドナー登録会では、赤十字血液センター職員でもなくドナー登録を管理する公益財団法人日本骨髄バンクでもなく平さんが活動する「飛騨骨髄献血希望者を募る会」の会員の皆さんが全てボランティアで開催。

イベントの様子

きっかけ〈服部和子さん・坂井田譲先生のお話〉

20回目となるスキマ研究会で「骨髄バンク」をテーマに開催するきっかけとなったのは、ラジオHitsFMの服部和子さんと精神科医・益田大輔さんの番組に岐南町にある「さかいだ耳鼻咽頭科」の開業医坂井田譲先生が出演したことからはじまりました。

放送では、坂井田先生の友人の再生不良性貧血を患うお子さん・はるとくん(9歳)についてお話しされ、飛騨地域のドナー登録を呼びかける内容でした。その後、デジタルチラシを作成し発信し、ドナー登録者を増やすことでその子にマッチするドナーの確立を上げようと活動されています。

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(以下益田大輔さんのFacebookから引用)
再生不良性貧血とは、白血球や赤血球、血小板などをつくる基の細胞、造血幹細胞がうまく機能しない病気です。はるとくんも白血球や血小板の値が悪く、岐阜市の病院の無菌室で輸血を受けていますが、いずれは骨髄移植が必要な状況です。骨髄移植には白血球の血液型であるHLAの型がマッチすることが重要なんですが、高山出身のお母さんの骨髄の型がやや珍しく、マッチが少ない現状があります。お父さんの骨髄型はマッチが多いこともあり、飛騨出身の自分の骨髄に地域性があるかもしれないと考え、同級生の坂井田先生に相談されました。坂井田先生は耳鼻科の先生で20代の頃に高山日赤で働いていました。

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この活動をもっと詳しく研究しようと服部さんから紹介していただき長年「飛騨骨髄献血希望者を募る会」のボランティアとして活動されている平さんにお会いし、スキマ研究会で地域住民と一緒に「骨髄バンク」をテーマに地域の”スキマ”を考えようと企画しました。

オープニングで坂井田先生は、現状はるとくんの様態はよくなっているとおっしゃっていましたが、引き続きドナーが見つかるように活動を続けたいとお話しされました。

スキマ案内人〈平和民さん(飛騨骨髄献血希望者を募る会)〉のお話

平さんは、ご自身が23年前に白血病を発症し骨髄移植を受け、第二の命を受けた当事者であったことから、「なんとか力になりたい」とその後、ボランティアに参加するようになりました。

研究会では、ご自身の闘病生活の写真を参加者にみせながら当時の経験や想いを共有してくださいました。笑いを交えながらもリアルな気持ちやストーリーを伝えてくれたおかげでより深く知ることができました。

医療格差や職場の休暇制度、など様々な課題意識を感じておられました。またボランティアとしてドナーを募る活動も公的な支援はなく、すべてドナーに関する説明員もボランティアであるため、ドナー登録会の回数を増やそうとしても会員が少なく運営が難しいこと、若年層のドナー数が少ないことを問題視されていました。

田中重勝さん(岐阜県骨髄献血希望者を募る会 会長)のお話

会場には、今年で30周年を迎える「日本骨髄バンク」で日本で初めて骨髄提供をした田中重勝さんも足を運んでくださり、当時の想いや活動における想いをお話してくださいました。田中さんは、「岐阜県骨髄献血希望者を募る会」の会長さんで、岐阜県のドナー登録会を飛び回り、行政や保健所への声かけや連携のために活動されています。

「骨髄移植」に対して怖いと思ったことはなかったかという質問に田中さんは、心配で心配で仕方なかったけど、「自分の命も相手の命も同じだと」吹っ切れてからは、提供する覚悟を持って迷いはなく提供できたと答えられました。ドナー登録会で興味を持ってくれた人には、自分が感じたことを正直に伝え、ドナーになる流れを事細かにお伝えすることを大事にされているそうです。

グループディスカッション

参加してくださった「飛騨骨髄献血希望者を募る会」のメンバーからは、「活動するにあたって課題はたくさんあることを実感した。これから骨髄バンクが盛り上がっていくことに希望を持って、信じながら活動を続けることが大事だと改めて思った。スキマ研究会のような会(活動している人だけでなく多様な方が集まり考える場)がいろんな人を巻き込んで広がっていくことを願っています。」「日本骨髄バンクが30周年というタイミングでこの地でこのようにムーブメントのように広がり、興味を持ってくれる方がいてくれることが希望です。」「一般の人へ伝えることができたら。知識をもっと普及できたら。絵本などによって伝えることができたらと考えています。この地域には多様に得意なことがある方がいらっしゃるので啓蒙活動をしていく上で可能性に満ちた地だと思います。」とコメントをいただきました。


もっと「骨髄バンク」について知る

日本骨髄バンク

岐阜県骨髄献血希望者を募る会

飛騨地域の骨髄バンク受付場所
「飛騨保健所(高山市上岡町7-468飛騨総合庁舎)」
 受付:原則第1、3木曜日 9時00分-11時00分
 電話番号:0577-33-1111

献血バス運行スケジュール
https://www.bs.jrc.or.jp/tkhr/gifu/place/m1_03_bussc.html